最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 灯油を購入した一般消費者が石油元売事業者の価格値上げ協定の実施により損害を被ったことを理由に右事業者に対して損害賠償を求めるための要件
2 民生用灯油について石油元売事業者が行った元売仕切価格の値上げ協定によって一般消費者が損害を被ったとはいえないとされた事例
1 原告ら患者のクロロキン網膜症につき、被告製薬会社の過失責任を認めた事例
2 被告製薬会社には、使用者に対し、クロロキン製剤の副作用の危険性を警告し、その回避方法などの副作用情報を伝達すべき注意義務があるのに、これを怠った過失があるとされた事例
3 いわゆる反射的利益論が排斥された事例
4 厚生大臣が、製薬会社に対し、副作用の調査・研究を促し、使用者への適切な副作用情報の提供・警告をなすよう指導・勧告すべき義務を負うこともあり得るが、同義務違反はなかったとされた事例
5 いわゆるインフレ算入論、制裁的慰謝料論が採用されなかった事例
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の適法性
キャバレーにおいて演奏する楽団の楽団員につき当該キャバレーを経営する会社が労働組合法7条にいう使用者に当たるとされた事例
供託官が供託金取戻請求権についてされた無効な転付命令を有効なものと誤信して右転付命令取得者に供託元利金の払渡をした場合と民法707条1項の類推適用の有無
森林組合が、その年間収入に占める村からの委託契約金額の割合が約25パーセント余である場合に、地方自治法142条の「主として同一の行為をする法人」に当たらないとした事例
1 中学校建設予定地の地盤改良設計及び造成工事に過失があるとして、市長に対する右設計及び工事をした会社に対する損害賠償請求権を行使しないことの違法確認を求める住民訴訟が棄却された事例
2 市が購入した中学校建設予定地に造成工事未了の瑕疵があるとして、市長に対する瑕疵担保責任に基づき土地の売主に代位して、売主の有する右土地の地盤改良設計及び造成工事を請負った会社に対する請負契約上の担保責任による損害賠償請求権を行使しないことの違法確認を求める住民訴訟が棄却された事例
1 ガソリンスタンドの地下に埋設されているタンクは土地の定着物といえるか(積極)
2 右タンクはガソリンスタンドの店舗建物の従物にあたるか(積極)
現存する建物の所有者は、同一土地上に以前存在した旧建物の所有名義人との間で、両建物の同一性及び所有権の帰属が争われ、現存建物について保存登記をなし得ない場合には、旧建物の所有名義人に対し旧建物の滅失登記を請求しうるとされた事例
地代増額請求における適正地代につき、他の賃借人との和解で合意された方式で算出された比準賃料とスライド賃料を指標として算定するのが相当であるとされた事例
家屋の賃借人が破産した場合、賃貸人が民法621条に基づく解約申入をするについては、正当事由を必要としないとされた事例
承諾殺人に係る事案につき、損害賠償額の算定に当たり、被害者の妻である原告固有の慰謝料は認めたが、被害者の承諾があったことを重視して、被害者の慰謝料については認めず、他方財産的損害(逸失利益)につき被害者に8割の過失相殺を認めた事例
1 排水用の道路側溝の不設置と当該道路下の山地崩壊との間に相当因果関係がないとして、国賠法2条1項に基づく請求が斥けられた事例
2 崩壊した急傾斜地につき、地すべり等防止法及び急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく県知事の作為義務並びに災害前における県知事の住民避難を促すべき義務がいずれも否定された事例
椎間板ヘルニアの摘出手術後に生じた両下肢麻痺の障害が、施術上の過誤によるものとして病院設置者に賠償責任を認めたが、術後生じた両上肢麻痺などの障害については、施術及び施術前に行われた造影剤(マイオジール)の使用による検査とは相当因果関係が認められないとした事例
交通事故による骨折等受傷患者がその4日後硬脳膜下血腫による脳圧迫で死亡した事故につき、その症状経過等から関与医師に注意義務違反がないとされた事例
1 自家用自動車保険(PAP)の無保険車傷害条項によって填補される損害の範囲は、後遺障害による損害に限らない
2 25歳高卒女子国家公務員の逸失利益の算定に際し一定の範囲将来の昇給を考慮した事例
不動産競売の入札書の入札価額欄に算用数字をもって「31,000,000」と表示するほか同欄に「金参百万」と文字による記載があるが両者とも3、100万を表示するものとして有効な入札であるとされた事例
自動車運転者が、制限速度内で、交通整理は行われていないが双方からの見とおし可能な交差点を直進しようとした際、一時停止の道路標識のある左方道路からの進行車両に自車を衝突させた事案について、信頼原則の適用が否定され、右運転者過失が認められた事例
1 起訴されていない余罪に関する証拠を取調べた原審の訴訟手続が違法でないとされた事例
2 原審における証拠書類の取調べ方法が裁判の公開の原則に反するものではないとされた事例
1 追加された訴因について立証がなされた後に右訴因が公訴事実の同一性を欠くことが判明した場合のとるべき措置
2 検察官が訴因の撤回を請求し、裁判所が訴因追加の許可を取り消す決定をしても、当該訴因につき公訴が取り消され、公訴棄却の決定が確定したのと同視できない