最も長い歴史をもつ判例実務誌
市議会議員に当選した国鉄職員が当選告知の日から合理的な期間内に総裁の兼職承認を受けなかったので職員としての地位を喪失したとされた事例
警察官による捜査を放置したことから時効完成により被告訴人が不起訴となったことにつき、その警察官の属する公共団体が告訴人に損害賠償の責任がありうるとされた事例
国民健康保険法36条4項所定の療養取扱機関が療養の給付としてした診療行為が同法40条の規定による準則に適合しない場合と被保険者の高額療養費支給請求権の有無
公立高校の教諭が教職員組合の動員指示に従って年次休暇の時季指定をして集会等に参加した行動が年次休暇に名を籍りた同盟罷業とはいえないとされた事例
不法入国者に対する退去強制令書による送還処分等は世界人権宣言9条、国際人権規約9条、13条に違反しないとされた事例
1 住宅困窮者であることと都営住宅入居継続の要件の有無(消極)
2 都営住宅につき入居後家族の生活に適した住宅を取得した場合に借家法1条ノ2の規定による解約申し入れの正当事由が認められた事例
大阪市営住宅条例23条1項6号、21条に基づく市営住宅の明渡請求が借家法1条ノ2の解約申入れにあたり、正当事由があるとされた事例
1 競落土地が法定地上権の目的であった場合につき、民法566条1項(568条1項)の適用があるか(積極)
2 右の場合の担保責任の追及として、競落人は代金減額請求をなしうるか(消極)
鉱業権者と電力会社間の損害補償をめぐる調停事件において、埋蔵マンガンに関する鑑定を命じられた鑑定人が、故意過失によって違法な鑑定をしたとは認められないとされた事例
所有山林を無断で土砂採取のため掘り崩された場合の損害額としてその交換価値低減の損害を認めたが、復元工事費用等の損害を認めなかった事例
1 船舶の火災、爆発の原因が積荷である「高度さらし粉」の分解にあるとされた事例
2 「高度さらし粉」の製造販売会社に危険性の周知徹底義務違反があるとされた事例
建設機械の製造・販売会社の自称営業課長が、土木建築工事業者に対し下請工事を発注する旨欺罔したうえ飲食による饗応をさせるなどの行為は、右会社の事業の執行につきなされたものであるとされた事例
硬膜外ブロック注射により馬尾神経が麻痺し後遺障害を発症せしめたとしてなされた損害賠償請求が、一般開業医の医療水準上右注射につき医師の注意義務違反を認めることができない等として排斥された事例
1 新株の発行が不存在ではないとされた事例
2 商法280条ノ15第1項の新株発行の日とは、新株の払込期日の翌日と解すべきであり、一部の株主の株式発行の事実の知・不知によって解釈を異にするものではないとされた事例
破産管財人が、破産財団中の動産売買先取特権の目的物たる動産を第三者に任意売却処分したため、右の先取特権が消滅した場合において、破産財団は「法律上の原因なき」利得を得たものとして不当利得返還義務を負うか。また破産管財人が、右の換価処分前、動産売買先取特権者から右権利を有する旨の主張を受けていた場合において、右換価処分行為が不法行為となるか(いずれも消極)
精神分裂病に罹患していた被告人による道路交通法違反、業務上過失傷害事件につき、心神喪失の主張が排斥され心神耗弱と認められた事例
1 傍聴人がメモをとることを禁止した裁判長の措置は、憲法21条、国際人権規約B規約19条に違反しない
2 右措置は憲法82条に違反しない
3 右措置は刑訴規則215条に違反しない
4 傍聴人にメモをとることを禁止し、司法記者クラブ所属の報道機関にこれを許可することは、憲法14条に違反しない
昭和55年8月7日出生の未熟児が同網膜症により右眼失明左眼視力0・02状態となった結果につき、医師において眼底検査を全く実施せず治療の適期を失した義務違背の過失があるとして、病院らの賠償責任が肯定された事例