最も長い歴史をもつ判例実務誌
過量のフッ素を含む水道水の飲用により斑状歯になったとしてなされた損害賠償請求につき、市の水道水供給事業遂行上の義務違反が肯定された事例
いわゆる預託金会員組織のゴルフクラブが理事会の決議によってした預託金返還時期を延期する旨の会則の改正と、既に入会した会員に対する効力の有無
退去強制令書の執行停止申立てについて、行政事件訴訟法25条3項の「本案について理由がないとみえるとき」に該当するとして却下された事例
1 確定した執行判決のある仲裁判断に基づく登記の申請においても不動産登記法42条所定の相続証明文書の添付が必要だとされた事例
2 仲裁判断書又は執行判決が右相続証明文書に当たらないとされた事例
3 中華民国官憲作成の戸籍謄本、公文、認証書、印鑑証明書及び国籍証明書が右相続証明文書に当たらないとされた事例
1 公共用財産が公共用財産としての形態機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続するも、そのため実際上公の目的が害されることもなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の成立を妨げない
2 右基準に適合する客観的状況は、自主占有開始の時点までに存在していることを要する
電力会社が送電線を設置するため土地共有者の1人と地役権設定契約を締結し、その旨の登記を経たうえ、右共有地を送電の用に供していたとしても、右電力会社のための地役権の時効取得が認められないとした事例
1 不動産売買契約において、所有権移転登記請求が認められないとされた事例
2 土地の売買契約において、売主が、右土地の一部を他に転売したことにより、所有権移転登記義務の履行が不能になったことによる買主の転売による得べかりし利益の喪失の主張が否定された事例
1 夫名義の不動産賃借権が、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産であって、実質的に夫婦の準共有に属するとされた事例
2 不動産賃借権の準共有者が右不動産を単独で占有する他の準共有者に対してした右不動産明渡請求が棄却された事例
代位弁済した保証人に対し債務者が内入金の支払いをした場合、求償金と原債権にそれぞれ内入弁済があったとして弁済の充当がなされた事例
遺言執行者に就任した弁護士が、外見上の受遺者に対し、遺言書が効力を有しないことを告げ、遺産に対する権利行使の機会を失することのないようにすべき注意義務を怠ったとして、右遺言執行者に対し損害賠償の支払を命じた事例
仮換地と異なる換地処分がなされた場合において仮換地(の一部)を特定してなされた売買の効力‐売主が右仮換地の現地の所有権を取得しているときはどうか(積極)
代理人弁護士の予定に反して当事者本人が金員を直接受領する旨の調停を成立させ事実上弁護士報酬の取立てを困難にした行為が、債権侵害による不法行為とはならないとされた事例
町議会議員が、新聞記者に対し、下水道用地買収に関し町長と地主が癒着している旨の発言をし、これが新聞に掲載されたとしても、右発言は、町長の施政に対する正当な批判、追及であって、右地主に対する名誉毀損には当たらないとされた事例
1 県が行った土地改良事業により生じた土地改良施設が土地改良区に管理委託されている場合でも、県は右施設の管理責任を負うとされた事例
2 7歳5か月の小学生が農業用水の排水路に転落して溺死した事故につき、右排水路の管理に瑕疵があるとされた事例
固定資産評価額証明書の改ざんを看過して過少の登録免許税額納付のまま登記申請を受理した登記官の行為について国家賠償が排斥された事例
時を異にして3度交通事故に遭遇した被害者の被った損害につき、第1、第2事故の加害者側に8、第3事故の加害者側に2の各割合による賠償責任があるとされた事例
死亡保険金受取人が被保険者より先に死亡したが、保険金受取人の指定変更がなされなかった事例において、保険契約者兼被保険者が死亡した受取人の相続人でもある場合の死亡保険金支払請求権の帰属
収入が公営住宅法施行令および東京都条例に定める基準を大幅に超える「高額所得者」に当たることを理由とする都営住宅の明渡請求が認容された事例
会社に対する売買代金請求の訴えとその回収不能による商法266条ノ3に基づく取締役に対する損害賠償の訴えとには民訴法21条の併合請求の裁判籍が適用されるとされた事例
民訴法21条(併合請求の管轄)は、主観的併合のうち、各被告に対する請求の間に実質的な関連性がある場合(同法59条前段)にのみ適用される
1 調停調書の更正決定は裁判所が行うべきものであるとされた事例
2 土地明渡しの条項から建物収去土地明渡しの条項への更正決定が相当とされた事例
一方の親権者(父)から別居中の他方の親権者(母)及びその両親に対する人身保護法に基づく幼児(3歳3か月)の引渡請求を棄却した事例
強盗致傷の謀議行為に参加した被告人について、実行行為者との実質的な一体的相互利用関係が存在しないとして、共謀共同正犯の成立を否定した事例
1 軽犯罪法1条3号所定の侵入具携帯罪と住居侵入罪との罪数関係(併合罪)
2 軽犯罪法1条3号所定の侵入具携帯罪と常習累犯窃盗罪との罪数関係(併合罪)
1 軽犯罪法1条3号の侵入具携帯罪と常習累犯窃盗罪との関係(併合罪)
2 本来包括一罪となりうる関係にある甲乙両罪のうち、乙罪が甲罪に対する1審判決言渡し後に犯されて乙罪に対する判決が先に確定した場合における甲罪の公訴の効力
第一審判決言渡し後控訴審係属中に犯された本来判決事実と一罪関係に立つべき事実について起訴しても二重起訴にあたらないとされた事例
大学の応援団員が、夏期合宿中に上級生から集団暴行を受けて死亡するに至つた事故につき、 1 集団暴行に関係した応援団員の共同不法行為責任を認めた事例 2 大学側に在学契約に基づく安全配慮義務の懈怠があるとして損害賠償責任を認めた事例