最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 意思能力のある子に対する監護が人身保護法及び同規則にいう拘束に当たるとされる場合
2 意思能力のある子がその自由意思に基づいて拘束者のもとにとどまっているとはいえない特段の事情があるとされた事例
京都市古都保存協力税条例に基づく宗教法人(社寺)に対する課税処分によって、右法人と信者ないし国民の関係の遊離ないし悪化が必然的に招来されるものではない
1 土地区画整理法89条1項にいう照応の意義
2 換地処分が同条項にいう地積、環境の点で照応の原則に違反しないとされた事例
条件付採用期間中の公立小学校教員に対し、児童に過酷な体罰を加えたことなどを理由になされた免職処分が、裁量権の行使を逸脱した違法なものではないとされた事例
いわゆる土地付注文住宅購入契約の購入申込者の低利の公的融資(住宅ローン)の利用という同契約締結の不可欠の前提が交渉途中欠けたため、同契約が不成立とされた事例
税理士会の会員からの同会の会費徴収に関する決議が、特定の政治家への政治献金を目的とするものであることを理由に納入会費の一部返還を求める請求を認めなかった事例
財団法人法律扶助協会に対し、扶助申込みをした控訴人が、同協会の調査・審査が違法であるとして、同協会および調査委嘱を受けた弁護士を相手に慰謝料等の損害賠償を請求した事案につき、右違法性がないとして控訴人の請求が認められなかった事例
3歳の幼女が団地の遊園地と用水路との間のフェンスをくぐり抜けて用水路に転落した事故について、右フェンスと用水路の管理に瑕疵があるとして管理者の損害賠償責任が認められた事例
裁判官が酒気帯び状態で現場見分に臨み、当事者に「バカか」と暴言をはいても、名誉毀損ないし裁判を受ける権利を侵害する違法な行為であるとはいえないとされた事例
患者が、裂孔原性網膜剥離との診断で手術を受けた後、光凝固等の手術にもかかわらず網膜剥離が再燃、増強して、視力の著しい減弱等を後遺とした場合に、当時、非炎症性高度網膜剥離疾患の存在が眼科学界等で認識されるに至っていなかった等とし、その診断、治療について関与医師の義務違背がないとされた事例
急性虫垂炎等により無尿状態にある患者に対し検査紹介を怠り輸液等を多量に投与した過失により、これを急性腎不全等により死亡するに至らしめたとして、病院の責任を一部肯定した事例
信号機により交通整理が行われている交差点における左折大型貨物自動車と歩道から車道に進入した自転車の衝突事故について、右貨物自動車の運行供用者の免責を認めなかった事例
オフィス・コンピューターのリース契約において、リース料支払請求がコンピューターの入出力指導不充分等により信義則違反である旨の抗弁が排斥された事例
1 代表訴訟の提起と株主権の濫用(消極)
2 昭和56年改正前商法の下における完全子会社による親会社株式取得は同法210条に違反する
3 同法210条所定の除外事由がなく弊害がある場合においても自己株式取得は許容され得るとした事例
4 同法210条違反の自己株式取得による損害は取得と同時に発生するものである必要はなく、これと相当因果関係のある損害であればよいとした事例
自動車の譲渡の合意と引渡しがあれば自動車保険免責約款にいう被保険自動車の譲渡があったと認めるのが相当であるとした事例
居眠り運転中の事故により負傷したタクシーの運転手が、労災保険等によりその全損害の填補を受けたうえ、自損事故保険、搭乗者傷害保険金を受領した場合、右保険契約を締結したタクシー会社との関係で、保険料相当額が不当利得になるとされた事例
1 区分所有建物の区分所有予定者による集会において可決された建物の管理規約案が、区分所有者全員の書面による合意がないため、旧建物区分所有法24条1項に規定する規約としては成立していないが、同法13条に定める共用部分の管理に関する決定としての効果を有し、右集会における決議の効力は、規約案の規定する決議要件によらず、同法の規定に従って決すべきであるとして、これを有効とした事例
2 区分所有者からの区分所有法25条2項による区分建物管理者の解任請求を認めなかった事例
旧満州国が所有していたわが国内に存在する土地に関する建物収去土地明渡請求訴訟について、旧満州国を承継した中華人民共和国からのわが国に対する訴訟追行権の授与による任意的訴訟担当を適法と認めた事例
市街化調整区域に存する競売土地を市街化区域に存するとして評価人が評価した場合において、これに基づく最低売却価額の決定・公告を不動産競売手続上違法とした事例
取立委任および訴訟委任を受けて弁護士が保管している約束手形について、第三者から右委任者の弁護士に対する手形引渡請求権が仮差押えを受けた場合と、当該約束手形金を請求債権とする債権差押えの可否
仮登記抵当権者が債務者を相手方として提起した供託配当金の交付請求権が自己に帰属することの確認を求める訴が認容された事例
1 いわゆるネズミ講破産につき、天下一家の会・第一相互経済研究所から宗教法人大観宮に対する約43億円相当の寄付行為の故意否認が認められた事例
2 別訴請求中の自働債権による相殺の可否(消極)
刃を備えていないが先端が尖鋭な折りたたみナイフは、銃刀法22条所定の「刃物」に該当しないが、軽犯罪法1条2号所定の「人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当するとした事例
1 所持品検査に基因する証拠品発見過程に違法性はあるが、それは、続いて当該証拠品に対し行われた令状による差押手続に影響を及ぼさないとした事例
2 雑音のみが発信可能な無線発信機を乗用車に積載していた行為について、直ちに電波の発信が可能な状態において支配管理したとして無免許無線局開設罪の成立を認めた事例