最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 乙へ譲渡され確定日付ある譲渡通知後供託金取戻金の払渡しを受けた担保権者甲の不当利得返還義務
2 供託官が供託金をその後甲の同意などがないまま乙に払い渡した行為と担保毀滅による不法行為の成否(積極)
宅地造成用の土地の売買交渉の段階において、買主が売主に対し「買付証明書」を提出し、売主が買主に対し「売渡承諾書」を交付しても、売買契約が成立したとはいえないとされた事例
他人の土地上に建築した建物を地主に贈与したうえ、右建物を賃借した者が、地主に対し右建物の所有権移転登記手続を履行せず、虚偽の地主名義の所有権保存登記手続などをしたときは、地主は、右贈与契約と賃貸借契約を解除することができるとされた事例
不動産売買において契約当事者の代理人の権限等の調査をしなかった不動産仲介業者の責任が肯定され、弁護士である立会人の同責任が否定された事例
1 司法書士が不動産登記法44条の保証書を作成するにつき、登記義務者の確認を怠った過失があるとして、右司法書士に損害賠償責任を認めた事例
2 保証書による登記申請が登記義務者の真意に基づくものである旨記載した不動産登記法44条の2の書面が登記義務者本人の作成したものでないことを看過して登記申請を受理した登記官に過失があるとされた事例
1 道路法に基づく供用開始の告示がされておらず事実上も一般交通の用に供されていない道路予定地は、国賠法2条1項の「公の営造物」に当たらず、民法717条の「土地の工作物」に当たるとされた事例
2 子供が右道路予定地内に何者かによって運び込まれ放置されていたドラム缶の近くで焚火をしていたところ、火がドラム缶の中に残存していた軽油に引火したため爆発を起こし、近くにいた幼児がドラム缶から吹き出した炎に直撃されて全身火傷の重傷を負った事案につき、右道路予定地は事故当時格別危険な状態になく、また何者かがドラム缶を道路予定地内に運び込みその近くで子供らが焚火をして遊ぶことは通常予測できないことであるとして、工作物の管理の暇庇を否定した事例
急性の精神分裂病患者が自宅へ連れ帰られた後自殺を遂げた場合につき、入院設備の整った他病院へ自家用車で行くよう指示した精神科医師の処置に診療上の義務違背がないとされた事例
死後認知の訴えの出訴期間は父の「死亡の日から3年」に限り、内縁子の場合にもこれを「死亡の事実を知った日から3年」と拡張解釈することはできない
1 放火免責条項により保険会社が保険金の支払いを免れるためには、放火が何人によるものであるかを主張・立証しなければならないとされた事例
2 火災保険金支払請求権の消滅時効は、火災が発生したときから進行を始めるとされた事例
1 宗教上の地位である住職の解任は、民法651条によって解任することはできないとされた事例
2 右住職に犯罪等の著しい非行があり、その選任の基盤にあった宗教上の信頼関係が既に失われるに至った場合において、解任規定を欠くときは、条理上、当該宗教法人の構成員の総意によって、右住職を解任することができるとされた事例
国立大学附属研究所の実験所における実験に従事していた同研究所助手が爆発事故で死亡した場合、国は右助手に対する安全配慮義務を負わないとされた事例