最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 予防接種により被接種者が死亡し、または障害の状態になったことにつき、種痘の接種年齢を一歳以上に引き上げるべき厚生大臣等の義務違反および接種担当者の具体的過失を理由とする国の国家賠償責任が肯定された事例
2 予防接種により被接種者が死亡し、または障害の状態になったことにつき、憲法29条3項に基づく国の損失補償責任が、人の生命、身体、健康被害には右条項の類推適用の余地はなく、また本件の場合には、本来、憲法25条1項に基づいて発生すべき損失補償請求権も予防接種法16条に基づく救済制度によってその具体的内容が定められ、出されているから、これと異なる、あるいはこれを上回る損失補償請求はできないとして、否定された事例