最も長い歴史をもつ判例実務誌
昭和25年7月18日附マ元師書簡(アカハタの無期限停刊等に関するもの)による指令にもとずく解雇の適否を決する前提として右指令の効力を判断するには、右解雇の意思表示の当時すなわち占領当時を基準とすべきである。
罹災都市借地借家臨時処理法第2条第1項の賃借申出は、その者が現に使用貸借により当該土地を建物所有の目的で使用している時でも、これをすることができる。
株式会社の代表取締役が取締役会の決議によらずしてした臨時株主総会の招集通知は善意の第三者に対抗することができないのみで当然無効ではない。
商人が同業者たる他の商人に対しその営業の部類に属する取引につき仲介あっせんをして取引を成立せしめる場合は、他の商人は多くこれに信頼するのが通常であるから、この信頼を裏切ることのないよう慎重に事をすすめる注意義務がある。
1 滞納処分による差押登記ある不動産につき強制競売の申立があった場合、裁判所は競売開始決定をし、競売申立の登記記入を嘱託し、もって差押の効力だけを保持せしめた上、尓後の手続を停止するのが相当である。 2 登記官吏は右登記の嘱託を許可し得ない。
被告が自己に権利あることを主張するのではないが、原告の権利を否認する結果原告の所有者たる地位になんらかの不利益を生ずる場合には原告に確認の利益がある。
1 破産宣告前の保全処分をするには必ずしも破産原因たる要件の存在について証明を要せず、破産申立が形式上適法になされかつ主張する事情が法律上事実上一応理由ありと見えれば足りる。 2 右保全処分中「債務者はいかなる名目ないし方法を以てするを問わず金員の借入をしてはならない」との部分は、保全処分の目的を逸脱し徒らに債務者の自由を拘束するもので不当である。
1 知事の許可を停止条件としてあらかじめ農地の売買契約を締結することは禁止されていない。 2 農地の売買契約によってその引渡を受けた者は契約解除の場合原状回復義務の履行として農地の返還のほか農地利用により取得した利益を返還すべき義務があり、その額は小作料相当額である。
司法警察員が押収物につき仮還付の必要の有無及び仮還付先の決定につき裁量を誤ってもそれは当不当の問題で、適法違法の問題ではない。
正当に発生した法律関係につき発生当時の環境たる事情が当事者の責に帰すべからざる後発的事情により予見し得ない程度に変更し、当初の法律効果を発生又は存続させることが信義衡平上いちじるしく不当と認められるときは、事情変更の原則によりその法律効果は変更せらるべく、この場合当事者に内容の変更を主張する抗弁権を与え、この方法ではなお不衡平の結果を除き得ない場合に解除権を認める。
銀行所定の小切手用紙を使用して偽造した当座小切手につき、その取引銀行が相当注意しても偽造の署名がきわめて巧妙で真偽の鑑別がむづかしかったため、小切手の偽造たることを知ることができないで支払ったときは、その損失は、銀行免責の特約の有無にかかわらず、支払銀行は負担しないとの商慣習がある。
仮差押異議の訴訟においては、債権者は請求の基礎に変更なき限り、その被保全債権に関する主張を、申請当時のものから他のものへ変更し得る
1 刑法第109条第1項第111条に該当するものとしての起訴に対し訴因及び罰条の変更手続によらないで刑法第108条の放火を認定できるか 2 建物放火罪の犯意
1 平和条約発効前台湾人と婚姻した内地人女の国籍 2 日本在住の右女の起す離婚の訴の管轄裁判所 3 悪意の遺棄と法例16条