最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合と交付罪による起訴の可否
2 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合において交付罪で起訴された者に対する審理方法
1 公職選挙法138条2項の規定と憲法21条
2 公職選挙法138条2項にいう「選挙運動のため戸別に特定の候補者の氏名を言いあるく行為」にあたるとされた事例
1 高等学校学習指導要領(昭和35年文部省告示第94号)の法的拘束力((イ)、(ロ)事件)
2 いわゆる偏向教育と教育の政治的中立違反((イ)、(ロ)事件)
3 教師の教科書使用義務の内容((イ)、(ロ)事件)
4 学校新聞への暴力的破壊的一文の寄稿掲載、所定教科書の不使用、考査不実施および成績一律評価等を理由とする高等学校教諭に対する懲戒免職処分が適法とされた事例((イ)事件)
5 所定教科書の不使用、定期試験における学習指導要領違反の出題または考査不実施および成績一律評価を理由とする高等学校教諭に対する各懲戒免職処分が裁 量権の範囲を逸脱したものとされた事例((ロ)事件)
共同施行の土地改良事業において換地を行うことが予定されているのを了知して右事業の認可の申請に同意した者と換地計画に同意する義務の有無
不動産について登記原因たる贈与を否定して所有権移転登記の抹消登記手続を求める前訴を提起して敗訴した者が右贈与の負担の不履行を理由に贈与契約を解除したとして所有権移転登記を求める後訴を提起した場合において後訴の提起は信義則に違反するものとはいえないとされた事例
1 ターボチャージャーを取り付けることを予定して製造されていない自動車にターボチャージャーが取付けられており、その買主がこのような取付けが故障を誘発するものであることを知らなかったときは、売買目的物に隠れた瑕疵があるとされた事例
2 売買目的物の自動車を暴走族向きの仕様に改造し、車体に傷をつけて廃車同様の姿にしていることを理由に、瑕疵担保による契約解除を無効とした事例
1 記名式定期預金の預金者が、銀行と預金につき交渉した者ではなく、資金出捐の預金名義人であるとされた事例
2 定期預金預入れに際し銀行と交渉し預入金を持参した者との間でした相殺予約が無効とされた事例
高速道路における売店営業の委託契約関係を、商品販売業務委託の準委任契約と建物賃貸借契約の混合契約であるとしたうえ、その契約更新拒絶に民法651条2項の法意を類推すべきであるとしたが、受託者に信頼関係破壊等の行為があるとして期間満了による契約の終了を認めた事例
非組合的講(模合)の未落札口を承継した会員が中途脱会した場合において、満会時に返還を受くべき払込掛金は、被承継者の取得分を含む既受領割戻金を控除した残額であるとした事例
賃貸人の承諾を得ずにされた借地権の譲渡について、背信行為と認める特段の事情がないとして、無断譲渡を理由とする賃貸借契約の解除を否定した事例
適正賃料の算出にあたり、原、被告双方から提出された鑑定資料を比較検討し、スライド方式、倍率方式、差額配分方式、利回り方式等によって得られる教値を修正し、原告の主張の約8割を認容した一事例
建物の賃借権が二重に設定され、第二賃借人の側に、第一賃借人に対しいわば背信的悪意者というべき事情があり、第一賃借人から賃貸人を相手方とする処分禁止の仮処分が発せられ、その旨の登記もされている場合に、第一賃借人の賃借権が対抗力を備えたと同様の権利の保護を受けるとされた事例
日照通風等の居住環境の悪化を理由とする、新築建物所有者に対する北側土地建物所有者からの損害賠償請求について、採光や通風がある程度悪化し、圧迫感も生じるであろうことを認定した上、建築に至る間の交渉の経緯、被害の程度、地域性などを具体的に判示し、被害がいまだ受忍限度を越えるに至らないとした事例
債権者代位による売買代金請求訴訟が係属し、債務者がこれを知った後に右売買契約を裁判上の和解により合意解約した場合、債務者は、解約又は和解による売買代金債権の消滅を、本案についての消滅の抗弁として代位債権者に対抗できないが、解約によって原状回復がされたときは、代位権の目的到達による消滅を、訴訟要件についての抗弁とすることができるとした事例
1 刑事事件(業過)で無罪となった船舶の衝突事故につき、民事事件では過失ありと認められた事例
2 商法690条の責任を否定し、同法704条1項の責任を認めた事例
陶磁器原料製造工程に従事している従業員が「じん肺」に罹患したのは使用者の安全配慮義務違反に基づくものであるとされた事例
罪を犯した児童の年齢、住所地を明らかにしてした捜査機関の報道機関に対する記者会見が、特定の児童を明示したものとはいえないとして、名誉毀損の成立が否定された事例
市が、職員の自己破産、退職により、退職金から同人の職員共済組合及び職員厚生会に対する負債を控除して支払った行為と破産法72条2号の危機否認の成否(積極)
宅地造成、建物建築、分譲、販売を業とする株式会社が特別土地保有税制度の手続の詳細を知らなかったとして、その納税義務免除のための特例譲渡認定申請書の提出を遅延したことにつき、地方税法施行令第54条の42第2項但し書にいわゆる「やむを得ない事情」があった場合にあたらないとされた事例
患者が悪性リンパ腺腫に起因する肺炎により死亡した事故につき、心のう炎との診断で治療を継続した医師に義務違背がないとされた事例
骨折治療としての上腕部牽引の際、表皮剥離により手首にケロイド状傷痕を残遺させたとし、開業医の債務不履行責任が認められた事例
尿道膜様部の単純切開排膿手術の1週間後に、患者が血小板減少性紫斑病により頭蓋内出血を起して死亡したとし、右結果につき治療関与医師らに診療、応諾・入院、ないし転送上の義務違反がないとされた事例
高齢の心臓疾患患者に対する甲病院の夜間入院診療の拒否、及び、この間の乙医院医師の診療・入院拒否につき、いずれも義務違反がないとされた事例
転倒して頭部外傷を受けた児童が硬膜外血腫により呼吸停止を来して死亡した場合に、開業外科医につき継続的経過観察を怠った過失があるとしたうえ、診断の困難性等を考慮してその賠償責任を6割と認めた事例
1 直進走行中の路線バスに追従していた自動二輪車が右バスの左側方から追い越しをかけたところ、進路前方の駐車車両に衝突し、その衝撃で二輪車の後部に同乗していた被害者が路上に投げ出され右バスに轢過されるに至った事故につき、直進走行中の右バスの運転者にも後方及び側方の安全を確認すべき注意義務があったとして、自賠法3条ただし書の免責を認めなかった事例
2 女子高校生の死亡による逸失利益の算定に当って、雇用女子労働者の平均賃金額に家事労働分を加算することは相当でないとされた事例
交通事故被害者の顔面醜状に対する慰藉料に関し、自賠責保険から自賠法施行令別表12級14号に相当する保険金が加害者に支払われるとの前提のもとに、加害者が先に右後遺障害の慰藉料を支払う旨の示談が成立していたとし、前提としていた自賠責保険からの保険金が支給されなかったときには、右示談は要素の錯誤として無効であるとした加害者側の主張が排斥された事例
婚姻関係が全く破綻し、この破綻について、専ら夫に責任があるとか、夫の有責の度合が妻のそれより高いとはいえないとされた事例
自らの離婚意思を実現するため、不法な手段により協議離婚の届出をしたものからした協議離婚無効の請求が、明らかに信義に反し、認容すべからざるものとされた事例
日本人妻とパキスタン人夫との婚姻関係が、パキスタン回教共和国の離婚法10条2項所定の離婚原因に該当し、また、日本国民法770条1項5号の婚姻を継続し難い重大な事由があるとして、妻からの離婚請求が認容された事例
1 約束手形の振出人に対する請求権が消滅時効にかかっている場合における所持人の裏書人に対する償還請求権の帰すう
2 約束手形の所持人が裏書人に対して償還請求した場合に、右裏書人が振出人に対する請求権の消滅時効を援用することは権利の濫用にあたり許されないとされた事例
「ソニー」の表示は、原告会社を中心とする多目的な営業活動にわたる企業グループの営業表示として周知であるとし、貸金業を営む被告の営業表示「神田ソニー」、「日本橋ソニー」の使用が、不正競争防止法所定の営業主体混同行為に当るとされ、差止請求ならびに弁護士費用・調査費用合計160万円の損害賠償請求が認容された事例(擬制自白)
フランス法人である原告ルイ・ヴィトン社がその商品に使用するLVマークや花柄模様等が、その商品表示として周知であったとし、これを時計、ライター、キーホルダーの表示に使用して販売する被告の行為が商品主体混同行為に当り、また、被告販売の時計に「PARIS」と表示する行為が出所地誤認惹起行為に当るとして、各表示の使用差止並びに信用回復措置として謝罪広告の掲載が命じられた事例(擬制自白)
少年団のキャンプで友人の飛ばした竹とんぼが目にあたって負傷した子どもの事故につき、加害少年の両親および団長に損害賠償責任が認められた事例