最も長い歴史をもつ判例実務誌
崖崩れのおそれのある法面部分の土地を除き、宅地造成可能部分の土地全部を文化財保護法にもとづき史跡指定地域に追加指定した処分の取消請求が排斥された事例
工場内における従業員のビラ配布行為が会社内におけるビラ配布等につき事前に会社の許可を受けなければならない旨の就業規則等の規定に違反しないとされた事例
農地についての賃貸借契約が合意解除されたのちに右農地の転用届出がされたうえ右土地が宅地化された場合において右合意解除が知事の許可なしに効力を生ずるとされた事例
1 刑法1条2項にいう「日本船舶」にあたるとされた事例
2 公海上における船舶覆没行為につき刑法1条2項により同法126条2項の規定の適用があるとされた事例
試用期間を3か月とする期間の定めのない雇用契約において、右試用期間直前に、使用者が雇用者に対してなした本採用拒否の解約権の行使が肯定された事例
交通事故による受傷による器質的な障害は1か月以内に治癒する程度のものであり、その後の神経症状は被害者の特異な性格その他の心因的な要因によるものであるとして、過失相殺の規定を類推し事故後3年間に発生した損害のうち4割に限り賠償すべき損害と認めた事例
追突事故による損害賠償請求につき、被害者の血管脆弱性等の体質的素因を考慮し、事故の損害に対する寄与度に応じた責任を肯定した事例
1 従業員持株制度の下で従業員株主に締結を強制している株式信託契約を無効とした事例
2 株主権のうち共益権だけを対象とする信託契約の効力(消極)
1 商品取引所法8条で禁止されている商品は、同法2条2項所定の指定商品に限らないとされた事例
2 大阪金為替市場で金地金を売買するよう委託した契約が、公序良俗に反するとして無効とされた事例
3 金地金の予約取引につき、著しく不公正な方法で顧客を右取引に引込んだとして、業者らの不法行為責任を認めた事例
合併の計画公表後に株式を取得した反対株主の株式買取請求を認め、その買取価格は株式名義書換請求がなされた日の取引相場価格が相当とされた事例
金物会社の代表取締役、需要の低迷状態にあるにもかかわらず取引拡大をねらって信用不安のある取引先と融通手形を交換し会社が連鎖倒産した場合に、取締役としての業務執行につき悪意又は重過失がなかったとされた事例
取締役の在任期間中であっても、その職務内容に変更が生ずる等の事情の変更があった場合には、会社は当該取締役の同意を得ることなく、一方的にその報酬を減額することができるとされた事例
1 有限会社が形骸にすぎないとして法人格否認の法理により実質上の経営者たる個人に会社の手形債務の支払義務が認められた事例
2 会社倒産に伴い形骸にすぎない第2会社が設立されこれによる営業の承継が法人格の濫用にあたるとして法人格否認の法理により第2会社に旧会社の手形債務の支払義務が認められた事例
婚姻関係破綻について夫と妻の双方に責任があるとしながら、妻を継続困難な婚姻関係に引き入れたことにつき夫の慰藉料支払義務を認めた事例
婚姻費用の分担を命ずる審判に対し、同義務の不存在を事由に請求異議の訴えを提起することができ、この場合の異議の事由は、同審判の確定の前後を問わず、これを主張できる
体育の時間に実施されたサッカーの試合中にボールが右眼にあたって失明した小学生の事故につき、担任教諭に被害生徒の保護者に対する通知義務を怠った過失があるとしたが、右過失と生徒の失明との間に因果関係がないとして損害賠償請求が認められなかった事例
登校拒否克服のためのヨットスクール特別合宿訓練期間中に、訓練生が十二指腸穿孔による化膿性腹膜炎を原因として死亡した事故について、同訓練生に医師の診察を受けさせることなく訓練を継続させた校長に監護義務違反の過失を認め、不法行為に基づく損害賠償責任を肯定した事例
被告がそのセックスショップの営業表示として使用する「ポルノランドディズニー」、「ポルノランドティスニー」、「ティスニー」等の名称およびミッキーマウス、ドナルドダッグ、グーフィ等の図柄が、原告の営業表示として周知な「ディズニー」の名称およびディズニーキャラクターの図柄と同一ないし類似するから、原告が被告の営業に何らかの形で関与しているような誤認混同を生ずるおそれがあり、またその使用が、原告の名誉、信用を損ったとして、使用差止および弁護士費用を含む700万円の損害賠償を命じた事例
パリオートクチュールに由来するブランドとして国内で使用されている「ニナ・リッチ」の表示が、原告の営業表示として周知性を備えており、これをいわゆるノーパン喫茶の営業に使用した被告の行為が、原告と契約上、組織上何らかの関係が存するような誤解を生ずるおそれがあるから、不正競争防止法上の営業主体混同行為に当るとされ、当該表示の使用差止と、原告が築きあげた優雅で高級なイメージを損われたことによる損害として100万円の支払いが命じられた事例