最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 道路における集団行進に対し道路交通法77条1項の規定による許可を拒みうる場合
2 道路における集団行進につき許可制を定めた道路交通法77条1項4号、長崎県道路交通法施行細則(昭和47年同県公安委員会規則第10号による廃止前のもの)15条3号と表現の自由
1 マイクロ・コンピューター・システムを利用した所謂テレビ型ゲームマシンのソフトウエア・プログラムは、伝達可能な記号語(アッセンブリ言語)という表現要素によって具体化された個性的思考を要する学術的思想の創作的表現であり、著作権法上の保護の対象となる著作物に当たる。
2 ソフトウエア・プログラムの著作権者である原告の販売・賃貸しているゲームマシンから、機械語に変換され電気信号の形で記憶装置に収納されているそのプログラムを、許諾なく、ロムライター等の複製用具を用いて他のゲームマシンの記憶装置に電気信号の形で収納した被告らの行為が、著作物の無断複製行為に当たるとして、これによって得た利益額相相当の損害賠償が命じられた事例
分解されたけん銃の部品を一括保管する所為が銃砲刀剣類所持等取締法31条の2第1号所定のけん銃の所持にあたるとされた事例
土地の賃貸借において、権利金、敷金等の授受がなく、賃料を従前の賃貸借の場合より低額とし、屑鉄置場及び作業場として使用するための仮設の建物等を建設し、3年後には確実に明渡す旨を約した等の事情がある場合に一時使用目的の賃貸借と認めた事例
重層的下請関係のもとで注文者又は元請人が末端の下請人のために工事施工上必要な資材の代金を支払うなどの出捐をした場合と右出捐者が下位の請負人に対し工事代金額から右出捐額を差し引いて支払えば足りるとする取引慣行のもたらすべき私法上の効果
釣堀営業の目的で賃貸された土地上に借主が営業用事務室・居住用の部屋・炊事場を有する建物を築造所有しても、右建物の所有は従たる目的にすぎないので、借地法1条の適用はない
1 安全保護義務違反による損害賠償請求の訴え提起をもって基礎的事実関係を同じくする不法行為による損害賠償請求権について裁判上の請求があったと解することはできない
2 ダンプトラックの販売業者がその納車業務を担当する被用者に対して安全保護義務を怠ったとして損害賠償責任を認めた事例
1 構成部分の変動する集合動産の譲渡担保につき目的物の範囲が特定されていると認められた事例
2 集合動産の譲渡担保設定後に加入する個々の動産についての対抗要件
3 民法333条の「引渡」には占有改定を含むか(積極)
リース料不払による損害賠償請求につき、金銭消費貸借契約を秘匿するためにリース契約を仮装したものであるとの通謀虚偽表示の抗弁が認められた事例
不動産仲介業者の仲介により一旦売買契約が成立したが業者に重要事項告知義務違反がありこれに基因して売買契約が解除された場合に仲介報酬請求権を否定した事例
副支店長は商法42条の表見支配人に該当せず、同人のなした職務権限外の取引行為につき民法110条の表見代理の成立を否定し、会社に対し民法715条の使用者責任を認めたが、5割の過失相殺をした事例
区画整理事業のため工事の必要のあるときは、換地計画に基づくことなく、換地予定的な仮換地指定処分をすることもできるとした事例
東京都港区が幹部職員の私設電話の電話料金を公費で負担したことが、違法な公金の支出にあたるとして、区長に対する損害賠償請求が認められた事例
東京都荒川区の保育所建設用地の取得代金額が不当に高額であることなどを理由とする地方自治法242条の2第1項4号の代位請求が棄却された事例
建築の確認の申請者が無断で他人の所有地を建築物の敷地として確認申請しその建築の確認がされた場合であっても、右土地の正当な権利者には右確認の取消を求めるにつき法律上の利益はないとされた事例
建築基準法18条3項に基づく建築主事の通知処分の取消を求める訴えは、当該建築物が完成した後には、訴えの利益を欠くとされた事例
1 土地改良事業の施行において、従前地の登記簿上の面積に従って一時利用地指定処分がなされたとしても、右処分が違憲、違法とはならないとされた事例
2 右一時利用地指定処分にあたり、所有者を異にする数筆の土地に対し一括して一時利用地の指定がなされたとしても、右数筆の土地の耕作者が一人であり、その者が一括指定を希望したような場合には、右処分が違法とはならないとされた事例
地方公共団体と特定の企業間で締結された条例に定める料金より低額な料金でのガス供給契約が地方自治法228条1項に反し無効であるとされた事例
歯科医師に対する賠償請求訴訟において、一部継歯治療上の過誤を認めたが、これとリウマチとの因果関係はないとし、歯齦膿瘍の結果についてのみ再治療費等の賠償を命じた事例
1 自転車を追い越そうとした自動二輪車が、右自転車が急に進路を変更したため、右自転車にハンドルを接触させて安定を失ない、滑走して車道を歩行していた被害者に衝突した事故について、自動二輪車の運転者に過失を認めた事例
2 歩行者と自動二輪車の衝突事故について、車道を歩行していたことなどから歩行者に2割の過失相殺をした事例
3 高校生が自動二輪車を通学に利用していて通学の途上交通事故を起した場合、自動二輪車を通学に利用することを黙認していた両親に監督義務者としての責任が認められないとした事例
自動車事故による傷害のため精神障害を生じ判断能力を欠く状況にある者が、原告として右事故に基づく損害賠償請求の訴を提起するに際し、原告の長男が申請人となって同人を特別代理人に選任するよう申立てたのに対し、民訴法56条を準用して右申立を認めた事例
自動車保険契約の「被保険者の業務に従事中の使用人の身体が害された場合は、それによって被保険者が被る損害を填補しない」旨の免責約款の適用が排除された事例
他人の子として出生届、認知がなされ、以来多年にわたり甲なる氏を称していた者について、認知無効の裁判を経て戸籍訂正がなされた結果、本来の氏乙と称するに至った場合において、これを変更し甲の氏を称することにやむを得ない事由があるとした事例
1 証券会社の外務員がその証券取引に関する一般的代理権限を自己又は第三者のために濫用した場合については、証券取引法64条の定めるところでなく、民法93条但書の類推適用によるべきであるとされた事例
2 証券会社の外務員が顧客個人の代理人として行動していたと認められるときは、証券取引法64条1項の適用はないとされた事例
手形の形式不備により不渡届を要しない場合の例外として、受取人及び振出日白地のものについてのみ手形債務者に資金不足等の事由があるときは不渡届をなすべきことを加盟銀行に義務づけた大阪手形交換所規則及び細則は、手形法に抵触せず合理性があり、右規則等に従って不渡届をした銀行は損害賠償等の責任を負わない
競馬の競走に関する情報を騎手が特定の第三者に提供し、その対価として現金の供与を受けた場合において、競馬法上の収賄罪の成立を認めた事例
電話料金を計算するための電気的信号の送信を妨害することは有線電気通信法上の有線電気通信を妨害することに該当し、電電公社の課金業務も偽計業務妨害罪の対象となる業務であると認定した事例