最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 学習指導要領の改正と教科用図書検定規則(昭和23年文部省令第4号、昭和52年文部省令第32号による改正前のもの)10条、11条による改訂検定の許否
2 学習指導要領の改正と改正前の学習指導要領のもとにおける改訂検査不合格処分の取消の訴えの利益
国籍法に日本国民の母の子の国籍取得について規定がないのは法の欠缺にあたるが、これを補う法改正の方法を決定するのは国会の権限であり、裁判所としては、特定の基準を採用して判断することはできないとされた事例
高価品(有価証券)の鉄道運送委託にあたり要償額の表示はないが価額の明告がなされた場合に運送品滅失により運送人の負う不法行為に基づく損害賠償額は右明告額を限度とするとされた事例
ホテル業を営む会社の従業員で組織する労働組合が実施したいわゆるリボン闘争が労働組合の正当な行為にあたらないとされた事例
負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付死因贈与の受贈者が負担の全部又はごれに類する程度の履行をした場合と民法1022条、1023条の規定の準用の有無
友人が窃取し運転していた自動車に同乗中右友人の起した事故により死亡した被害者の両親は右自動車の保有者に対して右被害者が自動車損害賠償保障法3条にいう他人にあたることを主張することができないとされた事例
1 共謀による共同不法行為と民法434条の適用の有無
2 継続性のない事務処理を目的とする委任契約の債務不履行による解除と民法652条の適用
不動産の贈与を受けた者が死亡した場合、その相続人は贈与者に対し、直接相続人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることはできず、受贈者に対し右登記手続をすることを求めるべきである。
農地法3条の許可を条件とする農地についての仮登記に基づく本登記請求及び右本登記の承諾請求は、右条件の成就の可能性が殆ど存在しない場合には、あらかじめ請求する必要がなく、不適法である
1 建物賃貸借につき無条件でされた更新拒絶に正当事由がないとされた事例
2 建物賃貸借につき100万円の立退料の提供を条件としてされた解約申入に正当事由があるとされた事例
競落建物の敷地賃借権の不存在を理由とする民法568条1項、566条1、2項による契約解除の主張及び競買申出の要素に錯誤があるとする主張をいずれも排斥した事例
学校給食の牛乳栓抜き配布をめぐる教諭間のトラブルの際、同僚教諭の手首を持って2、3回腕を振ったような行為があったとしても、損害賠償責任を負わせるほどの違法性がないとされた事例
税務署長がした未納国税の存在を前提とする差押予告付の「出署催告書」の記載内容に誤りがあることを理由になされた催告書受送達者の国家賠償請求が棄却された事例
小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律9条1項所定の「みなし賃借権」に対する借地法の適用の有無(積極)
借地人のした地代の弁済供託は無効であるが信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情があるとして賃料不払を理由とする賃貸借契約の解除を無効とした事例
建築途上のマンションの買受希望者が売主に自己の希望する設計を施行させたが売買契約が不成立に終り売主に損害を与えた事実につき、該買受希望者に契約締結上の過失を認めた事例
大学のカヌー部員が、クラブ活動としてカヌーの練習中、カヌーが転覆して死亡した事故につき、大学には、右クラブ活動における通常の練習の過程において、クラブ員に生じうるべき危険防止の具体的諸方策を講ずる義務はないとして、債務不履行ないしは不法行為に基づく損害賠償義務が否定された事例
建物の賃貸借に際し、借家人に当該建物の本来の敷地に隣接した空地部分の専用的使用を許し、その使用の対価を賃料に加算していた場合において、右空地部分につき、民法617条を準用し同条に基づく解約の申入を認めた事例
1 不動産仲介業者に対し、宅地建物の購入の仲介を依頼した者が、右仲介業者から買主を紹介された後、右仲介業者を排除して売買を成立させた場合に、民法130条に基づき仲介業者の仲介により契約が成立したものと看作して、仲介業者の報酬請求権が認められた事例
2 不動産仲介の報酬額について特約がない場合に、仲介業者がその仲介(媒介)に要した労力、支出した費用、不動産の売買価格、委託契約成立の経緯等に照らし、宅地建物取引業法46条に基づく昭和45年建設省告示1552号により算定した報酬額(売買代金の3パーセント)の7割の報酬額が認められた事例
「A株式会社」名義で振出された約束手形につき、B株式会社が自己を表示するものとして右名義を使用したものと認め、B株式会社に対する手形金請求が認容された事例
炊事場のガス元栓を誤って開栓したことによって発生したプロパンガスの爆発事故につき、プロパンガス供給会社と右会社から委託を受けて保安点検を実施した保安点検員に、未使用閉止弁のゴムキャップを装着せずまたは装着するよう指示しなかった義務違反があったとして、損害賠償責任が認められた事例
魚介類販売業者が行った水銀分析使用の販売方法に関する週刊誌の論評記事につき、そのニュースを提供した行政当局の名誉毀損による損害賠償責任が認められなかった事例
無罪判決が確定した道路交通法違反被告事件につき、警察官の検挙及び検察官の公訴提起・追行に過失はなかったとして県及び国に対する国家賠償請求が排斥された事例
河川敷の刈り取った雑草が炎上してその炎と煙が県道を覆い交通の障害を生じせしめたために交通事故が発生したとしても、河川・道路の管理に瑕疵があることは認められないとされた事例
デパートのエスカレーターに身を乗り出して乗っていた子供が天井に首をはさまれて死亡した事故につき右エスカレーターの設置保存に瑕疵があったとして工作物責任を肯定した事例
公立高等学校の生徒に対する成績不良を理由とする原級措置が成績評定権の教育的裁量の範囲を逸脱するものでなく違法とはいえないとされた事例
1 保険医登録及び国民健康保険医登録の取消処分の効力停止が認められた事例((イ)(ロ)事件)
2 保険医療機関指定及び療養機関申立受理の取消処分の効力停止が認められた事例((ロ)事件)
3 保険医療機関指定及び療養機関申立受理の取消処分の効力停止申請が、本案に理由がないとみえることを理由に却下された事例((イ)事件)
救済命令についての緊急命令の申立てが、地位確認訴訟においてすでに不当労働行為と認められないとの理由で請求棄却の判決がなされたことが明らかな場合には、救済命令の適法性について一応疑問があると解せられ、その維持可能性に疑義があるとして、却下された事例
漁船の場合、船籍港を出港したあとの外洋に泊しつつ漁獲に従事する、いわゆる漁獲操業の期間は商法842条6号の航海継続にあたると解すべきである。
「将門記」の訓読文に、著作権法2条1項11号の規定にいう、翻案することにより創作したものとしての、いわゆる二次的著作物の著作物性を認め、その一部を被告発行図書に無断転載したことによる著作権及び出版権侵害に基く損害を命じた事例
著作権法95条1項に基づく二次使用料を受ける権利は、当該実演を行なった実演家にのみ帰属すべきものであるとして、商業用レコードに実演が録音されているかどうかにかかわりなく音楽実演家のすべてに二次使用料の配分を受ける権利があるとする、二次使用料請求権行使が許された唯一の団体である、所謂「芸団協」に対する主張が排斥された事例