最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 不正競争防止法1条1項1号にいう商品の混同と同項柱書にいう「営業上ノ利益ヲ害セラルル虞アル者」
2 商標権者による登録商標に類似する標章の使用と不正競争防止法6条
貸金の債権者が利息制限法に則って計算した金額の弁済を受領しない意思を明らかにしているため口頭の提供が適法にされたものと認められた事例
新聞紙上に選挙関係の記事を掲載するにあたり「主な候補者」又は「有力な候補者」という表現を用いたことが選挙の公正を害するとは認められないとされた事例
地代不払による土地賃貸借契約解除にあたり地上建物抵当権者に対して地代支払の催告又は地代延滞の事実の告知をしなくとも、解除が信義則違反又は権利濫用にはならないとされた事例
自称代理人が本人から代理権を授与されたと称し本人の印鑑証明書、実印を所持している場合につき、相手方が右代理人に代理権ありと信じたにつき過失があるとして民法110条の表見代理の成立が認められなかった事例
控訴審における反訴の提起につき、相手方の同意が得られない場合には、これを独立の訴えとして第一審裁判所へ移送すべきものではなく、不適法として却下すべきものである
賃借人が賃借物につき所有者から明渡を求められて賃料支払拒絶権を行使したのち、賃貸人に賃貸権限のないことが明らかになった場合、賃借人は、所有者に対する賃料相当額の損害賠償請求義務を履行後、なお未払賃料債務が残存するときは、賃貸人に対しこれを支払う義務があるものとされた事例
不法占有を理由とする土地明渡請求訴訟の控訴審で提出した新たな賃借権の抗弁が時機に遅れたものであるとしても、すでに提出された賃借権の抗弁に対する契約解除の再抗弁についての証拠調が完了していないためこれについての証拠調が併行して行われてきたような場合には、訴訟の完結を遅延せしめるものではないとされた事例
不動産賃貸の仲介業者は、賃借希望者の申し出た身元、職業等の事項に疑問がない限り、右事項を委任者に伝えることをもって足り、右以上に右事項につき独自に調査し報告すべき業務上の注意義務はない
いわゆる特約店契約とみられる販売代理店契約の成立を認め商品供給者が一方的に解約を申し入れて商品の供給を停止したことは不当であるとして損害賠償請求を認容した事例
高校の体操部のクラブ活動として、他高校の体育館において行われた校外練習に参加し、鉄棒の練習をしているうち、墜落をして傷害を負った事故につき、国家賠償法1条の責任が認められた事例
1 家屋賃貸人の事実上の夫の責に帰すべき事由により賃貸家屋が焼失した場合に、右賃貸人の事実上の夫を賃貸人の義務の履行補助者であるとして、家屋賃貸人に対し、右家屋焼失により賃借人の被った損害の賠償を命じた事例
2 家屋賃借人の責に帰すべき事由により賃貸家屋が焼失した場合に、賃借人の動産類の焼失による損害の賠償を認めず、賃借人の支出した新店舗の改装費、休業補償費等の賠償を命じた事例
縦隔鏡検査とその後に発生した左反回神経麻痺障害との間に因果関係が認められないとして、原判決を覆えし請求を棄却した事例
会社業務一切を他の者に任せきりにしていた登記簿上の代表取締役に任務懈怠があったとして商法14条の類推適用により対第三者責任が認められた事例(過失相殺約3割)
委託を受けて商事債務を連帯保証した者の代位弁済に基づく主債務者に対する求償債権は、商事債務として商法522条の規定が適用されるとした事例
商品取引員の登録外務員が商品取引市場における売買取引の受託にあたり商品取引所法あるいは受託契約準則に反する行為をした場合につき、右委訴契約の私法上の効力を否定すべき違法はないとした事例
株式会社が旧株主に対する不当利得返還の訴において自己株式取得の無効を主張することが権利の濫用に当るとはいえないとされた事例
覚せい剤の押収手続につき、職務質問に伴う所持品検査として許容される限度を著しく逸脱したものとは解されないとして、その覚せい剤の証拠能力を肯定した事例
窃盗・強盗殺人事件につき、無期懲役の求刑がなされた事案において、第一審の懲役15年の判決を破棄し、無期懲役を言渡した事例
大型貨物自動車の運転者につき交差点を左折する際に、自転車に乗って右交差点を左折して来た者が、左折後、自転車を運転したまま、青色信号に従って横断歩道上を横断する場合のあることをも予測して、その動静を注視し、その安全を確認すべき注意義務があるとした事例
複数殺害の強盗殺人事件につき、死刑が相当であるという検察官の控訴を棄却して無期懲役刑を言い渡した原判決を維持した事例