最も長い歴史をもつ判例実務誌
青色申告書による法人税の申告についてした更正処分の取消訴訟において課税庁が更正の理由と異なる事実を主張することができるとされた事例
美容院の経営に不可欠な備品が違法な強制執行により搬出されたことによって被った損害の賠償請求権の消滅時効は、それが備品の価値喪失、営業上の逸失利益という損害であっても、違法な強制執行が行われた時から進行するとされた事例
土地区画整理事業の仮換地(飛地換地)の指定通知が従前地の所有者にされた場合、仮換地についての時効取得の要件たる占有は失われ時効が中断したとされた事例
国民年金法の一部改正に伴う経過措置により、昭和51年の所得の所定基準超過者に対する老齢福祉年金15か月分の支給停止処分が違法ではないとされた事例
浴場当番として浴槽の排水作業に従事中の自衛官が、浴槽内に転落し、熱傷により死亡した事故につき、国賠法1条、2条の各1項及び民法715条1項による責任が否定された事例
1 地代家賃統制令23条2項但書の併用住宅にあたるとした事例
2 統制令の適用のある建物についても、統制額を考慮のうえ、裁判所が相当な額を定めることができる
信用金庫取引によって生ずる債務の継続的連帯保証契約につき信用金庫が右契約に基づき、契約締結時の貸付額の11・5倍の貸付額があるとして保証人にその債務の履行を求めることが公序良俗に反するとする主張が排斥された事例
商品の継続的供給契約締結後、著しい事情変更又は信義則上相当な事由がないのに、買主が取引条件の改訂に応じないとして商品の出荷を停止し取引を拒絶した売主は債務不履行責任を負うとされた事例
店舗賃借人が第三者と経営委託契約を結び同人に右店舗の使用を許したことが賃貸物の無断転貸に当り、かつ信頼関係を破壊するものとして右転貸を理由とする契約解除を認めた事例
仲介を依頼していた宅地建物取引業者を故意に排除して売買契約を成立させたものと推認し右業者の相当報酬請求を認容した事例
夫の不貞行為となった女性(被告)に対する妻(原告)妻慰藉料請求権の消滅時効の起算点を原告が被告の生んだ夫の子に対する認知の事実を発見した時と認めた事例
借地権価額1800万円相当の借地の明渡請求事件が相手方の訴取下により終了した場合、右訴訟事件等を委任した依頼者が弁護士に支払うべき報酬額は235万円をもって相当とされた事例
地代家賃統制令の適用のある建物の敷地が小規模住宅用地と非荘宅用地からなる一筆の土地の一部である場合に、統制家賃額算出の基礎となる右敷地の固定資産額算出に当り、当該敷地が一筆の土地に占める面積割合を基準とした事例
破産債権者が相殺の自働債権となし得る利息債権は、破産宣告前日までに生じた部分に限られ、それ以後の分については相殺の自働債権となし得ないと解するのが相当とされた事例
中小企業等協同組合法に基づいて設立された組合員の扱う繊維製品等の共同受注その他を事業目的とする事業協同組合の定款の目的のなかには「共同購買等」の記載はないが、右協同組合の中国からの繊維製品の買付行為が、その事業目的に照らし、組合としての活動上客観的抽象的に必要な行為であるとして、組合の目的の範囲内に属すると解するのが相当であるとされた事例
鉄骨鉄筋コンクリート造りの共同住宅の設計監理の請負契約が注文者の責に帰すべき事由により履行不能となった場合において、請負人に右設計管理の請負代金全額の請求権があるとし、ただ、右履行不能により、請負人が工事の監理業務を免がれ、その人件費等として、監理料の80パーセント相当の支出を免がれたとして、損益相殺により、これを請負代金から控除した事例
扶養義務を負わない第三者が要扶養者を事実上扶養したときは、扶養義務者の金員又は任意の1人に対し、その金額を不当利得又は事務管理費用として請求することができる
身元保証人の損害賠償責任額を定めるに当り、身元保証法5条を適用し、その責任額を使用者の蒙った損害額の50パーセントないし30パーセントと定めた事例
妊婦が妊娠中毒症に伴う子癇発作により錐体外路疾患を後遺とした場合において、医師につき入院等の指示及び処置上の義務違背がないとされた事例
交通事故で死亡した被害者の相続人に承継されるべき逸失利益の範囲は、被害者の逸失利益から、内縁の妻の扶助に充てられるべき部分を控除した残額の部分に限られるとした事例
「Lightninig Bolt」、「BOLT」、「Star Bolt」、「★」の商標は、「稲妻」と墨書体縦書きの登録商標と観念において類似せず、右商標の使用は右商標権を侵害しないとした事例
1 大型貨物自動車の運転者が、交差点において右折するに当たり、方向指示器により右折の合図をしたうえ右折を開始した後、自車の右側を通行しようとした原動機付自転車を自車と衝突させその運転者を死亡させた事例につき、「信頼の原則」の適用を排除すべき「特段の事情」ありとして業務上過失致死罪の成立を認めた事例
2 事故発生後、他人に警察への連絡を依頼した場合につき、道路交通法72条1項後段の報告義務を尽したものとはいえないとされた事例