最も長い歴史をもつ判例実務誌
違法建築物についての給水装置新設工事申込の受理の事実上の拒絶につき市が不法行為法上の損害賠償責任を負わないとされた事例
1 商標登録査定後における商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益の有無
2 商標登録異議申立人である会社の合併による消滅と右申立人としての地位の承継の有無
1 所有権に基づく登記請求を認容した確定判決と所有権の存否についての既判力の有無
2 所有権に基づく登記請求を認容した確定判決と所有権の存否についての既判力に類似する効力(いわゆる争点効)の有無
1 入札期日の通知を普通郵便で行うことが適法とされた事例
2 最低売却価額、現実の売却価額の決定及びその手続に重大な誤りがないとされた事例
3 担保権の実行につき被担保債権の消滅を執行抗告事由として取り扱った事例
旧法上の任意競売において建物の構造及び床面積、付属建物の有無につき、公告と現況とに差があるため公告が違法であって競落許可決定が取り消された事例
裁判官が和解勧告にあたり、かたくなに和解を拒み、自己の要求を押し通そうとする者に対し、心証の一端を示して説得することは何ら違法不当ではなく、忌避理由とならないとした事例
住宅組合法による住宅組合が地主から土地を賃借しその地上に建築した建物を所属組合員に所有せしめたときは、敷地につき転貸借が成立し、かつ地主において転貸を予め包括的に承諾していたものとされた事例
契約書の作成日付についての疑問等証拠を排斥する理由を詳細に判示して、抵当権者に対抗しうべき建物賃借権の主張を斥けた事例
建築業者がふすま工事を請け負うことによりふすま製作業者の受注量が減少したとしても、右業者の法律上の利益を侵害したとはいえないとされた事例
請負工事の瑕疵につき修補を請求した注文者であっても請負人が相当期間内に修補をしない場合は修補に代る損害賠償の請求をすることができる
相続分のないことの証明書が真正な成立を認めることができず、他に遺産分割協議の事実を認めるに足りる証拠がないとして相続人中の1名の不動産単独取得の主張を排斥した事例
前訴と請求原因を同じくする後訴が提起されたのち前訴が取下げられても、前訴の提起により生じた時効中断の効力は後訴の係属により存続するとされた事例
陳述命令に対する回答書に支払う意思がある旨記入し、「債務者に対する反対債権金 円と相殺する」旨の不動文字を抹消して提出した場合、相殺権を放棄したことになるか(消極)
将来の賃料相当損害金を認容する判決が確定した後に、相当賃料額が昂騰しこれに相当する損害金が増大した場合には、後訴において右認容された損害金との差額を請求することができるとされた事例
マンションの管理規約に基づく集会決議により、マンションの共用部分たる駐車スペースについて1人の区分所有者以外の区分所有者はその持分に基づく権利を行使しないとの規約を廃止する場合、建物の区分所有等に関する法律12条の共用部分の変更にあたらず、また同法24条2項後段の適用がないとされた事例
1 信用協同組合の組合員の持分を譲渡するにつき、中小企業等協同組合法17条1項の承諾を求められた場合には、組合は原則としてこれを与えるべきであるとされた事例
2 右組合員の持分譲渡承諾請求権が債権者代位権の対象となるとされた事例
1 寄託物の名義変更行為は電話の方法により有効になしうるとし、「冷蔵貨物寄託者名義変更通知書」が発行されている場合であっても、その発行前にすでに物品の所有者及び寄託者地位が有効に他に移転されているときは、受寄者において、その所持人を所有者及び寄託者と扱う法的義務はないとされた事例
2 民法184条の指図による占有移転により本権関係も移転したとされた事例
3 民法545条1項但書の第三者にあたるとされた事例
組合三役等に立候補する者は各支部ごとに10名以上の推薦を得ること及び専従派遣役員に立候補する者は中央委員会の推薦を得ることを要する旨を定めた選挙規定は無効であるとして、右選挙規定に基づく組合役員選挙の差止請求を認容した事例
1 使用者とユニオン・ショップ協定を締結している労働組合を脱退し、新たな組合を結成した者には、右ユニオン・ショップ協定の効力は及ばないとされた事例
2 労働協約の締結権限のない執行委員長が、組合の代表者として使用者と締結した労働協約につき、民法109条・110条の適用がないとされた事例
1 右上肢切断(7級相当)の労働能力喪失を70パーセントとみた事例
2 負傷後の給与収入は本人の努力によるとして逸失利益から控除しない事例
3 厚生年金保険の障害年金の受給額を控除した事例
離婚の際一方を親権者他方を監護者と定めた場合に親権者が15歳未満の子の養子縁組の代諾をなすには監護者の同意を要し、これを得ないで親権者の代諾のみでなした縁組は無効である
会社取締役Yが他社所有商品をXに転売し代金を収受したのに他社からその所有権を取得することを怠り、他社からこれを搬出売却し、もって会社はXに対し債務不履行におちいり損害を加えたときYに商法266条の3で責任を負わせた例
株式会社の代表取締役が取締役および監査役の選任の議案を定時株主総会に付議したが選任決議に至らなかった場合に選任手続をなすことを怠ったものとされた事例
株式売買の売主、買主が日本証券業協会員たる証券業者を通じて取引をする場合、右売主、買主が右協会員でなくても同協会昭和50年7月1日統一慣習規則(株式の名義書換失念の場合における権利の処理に関する規制)が適用されるとする商慣習の存在が否定された事例
覚せい剤の押収手続に、職務質問に伴う所持品検査の限度を逸脱した違法があるとしながら、令状主義の精神を没却するような重大な違法ではないとして押収覚せい剤の証拠能力を肯認した事例
警察犬の嗅覚を利用した臭気判別検査結果報告書の証拠能力を肯定したがその証明力は必ずしも高度といえないと判断した裁判例
13歳未満で精神薄弱の女児に対し、その年齢の点についての認識を欠いたままわいせつの行為をした事案について、準強制わいせつ罪の成立を認めた事例