最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 訴因の特定が十分でない起訴状による公訴提起と公訴時効停止の効力
2 2個の事実のいずれに対する起訴であるのか一見まぎらわしく訴因の特定が十分でない起訴状による公訴提起が一方の事実に関する公訴時効停止の効力を有するとされた事例
3 再起訴に対する判断が旧起訴に対する確定判決のいわゆる内容的確定力に抵触しないとされた事例
競売の目的不動産につき賃貸借の存在を窺わしめる公正証書があるにもかかわらず、「賃貸借関係不明」として進められた任意競売手続が違法でないとされた事例
1 会社更生法103条にいう双務契約の意義
2 売買代金が売主の連帯保証による消費者ローン等の利用によって支払われ、売主が買主に対し求償債権を有する場合、売主の目的物所有権移転の履行と買主の求償債権の履行とを引換にする旨の合意は、会社更生法103条にいう双務契約に該るか(消極)
都の消費者センターが、異常収縮の苦情を処理するために消費者から預ったバーゲン品のブラウスを無断で商品テストのため販売先のデパートに引渡したとしても、違法とはいえないとされた事例
強制競売における不動産所有者の競売剰余金払戻請求権は、右所有者が別件訴訟において当該競売が無効であると争っていても、それが保管金規則1条第3にいう「訴訟事件ノ為二払戻ヲ請求スル能ハサル場合」に該当せず、競売手続が完結した日の翌日から満5年の経過をもって失効するとされた事例
訴状における被告の表示を「山本虔一?」と記載すべきを、「山本慶一郎」と記載した場合であっても、「山本虔一?」がロ頭弁論期日に出頭して自ら訴訟行為をしたなど判示のような訴訟の経過のもとでは、「山本虔一?」が被告であったとし、右訴訟事件について成立した和解を有効とした事例
土地所有者が右土地につき無効な所有権移転登記がなされていることを知りながら何らの措置をとらないで放置しているうちに、右登記名義人から右土地を善意、無過失で買受けた者がいる場合、右土地所有者は右登記の無効をもって買受人に対抗できないとされた事例
共有建物分割の訴において、分割の協議が整っている旨の主張が排斥され、共有建物につき構造上区分所有が認められないとして競売による代金分割が命じられた事例
広告代理業者の雑誌に商品の広告を掲載する請負契約の債務が注文者の責に帰すべき事由により履行不能となったものとして、右広告掲載料金支払請求が認容された事例
銀行が貸付信託契約上の権利者と誤認した者に対して右貸付信託の受益権を担保として貸付をした場合に民法478条の類推適用が認められた事例
1 プロパンガス漏出自殺によるガス爆発事故と失火責任(積極)
2 履行補助者の失火につき賃借人の債務不履行責任が肯定された事例
1 タクシー会社の従業員が駐車方法のことで相手方タクシーの運転手と喧嘩となり右運転手に暴行を加え負傷させた事案につき、被用者が事業の執行につき第三者に加えた損害にあたるとされた事例
2 被用者に一般的訓示指導を行っていただけでは、民法715条1項但書の被用者の選任監督につき相当の注意をしたとはいえないとされた事例
他人の土地売買において売主が土地所有権を買主に移転することができなかったため違約金が支払われた場合における「取得した違約金の半額を仲介手数料として支払う」旨の仲介報酬約定に基づく報酬請求権
逮捕・勾留中の余罪取調べを違法とし、その取調べの結果作成された被告人の自白調書の証拠能力を否定し証拠申請を却下した事例