最も長い歴史をもつ判例実務誌
地方公共団体が条例を制定して徴収する電気ガス税について、国が地方税法により特定産業用電気の消費について非課税としても、憲法に違反するものではないとされた事例
中労委が不当労働行為と認定してなした救済命令は、その主要な論拠部分において極めて大きな疑義があり、現時点において、それを維持することは疑わしいとして緊急命令の申立を却下した事例
1 採用内定により労働契約の効力発生の始期を採用通知に示された採用の日とする解約権留保付労働契約が成立したものと認められた事例 2 留保解約権に基づく採用内定の取消が有効とされた事例
1 日本住宅公団の賃貸住宅の使用関係の性質 2 日本住宅公団法施行規則15条1項にいう特別の必要がある場合と日本住宅公団の賃借人に対する他に賃借住宅を譲渡してはならない義務の有無
歩道と車道とが分離されずまた歩行者が通行している路肩部分が未舗装で降雨時にぬかるうえ夜間の照明が十分でない道路であってもその設置又は管理に瑕疵がないとされた事例
譲渡担保契約の代理行為につき、被担保債権である貸金の半額以上が自称代理人の用途に充てられることが予定された反面、右担保提供による資金借入れを必要とする者がもっぱら本人であることを示す書面の存する場合に、代理権の有無を調査しなかったため、民法110条の正当理由がないとされた事例
本人所有不動産の登記済権利証・本人の実印及び印鑑登録証明書を所持する自称代理人が専らその経営する会社の用途にあてるためにした貸金債務の物上保証につき民法110条の正当の理由がないとされた事例
非組合的な頼母子講の講員が講元に当事者間の信頼関係を破壊する重大な債務不履行があるとして無催告の講契約解除の主張を認めた事例
夫が娘の結婚費用の名目のもとに妻名義でした金250万円の借財が民法761条の日常家事の範囲に入らず、日常家事に関する表見代理の主張が否定された事例
売主において既払済みの代金がある売買契約の合意解除に当っては、右契約に関し売主として未履行部分がある時は、買主は売主に対しその未履行部分相当額を不当利得として返還請求できる
土地区画整理法に基づく換地処分に対する審査請求期間の起算日は、処分の相手方である権利者に対し通知があった日の翌日である
税務調査に際しての帳簿書類不提示は、所得税法150条1項1号に定める帳簿書類の備付け等の義務違反に該当し、青色申告承認の取消事由となる
1 耳鼻咽喉科の開業医に総合病院への転医勧告義務違反の過失があるとされた事例 2 医師の過失と両眼失明との間に高度の蓋然性をもって相当因果関係を肯認することはできないとしながら、医師に対し両眼失明による全損害の1割の賠償を命じた事例
合資会社の有限責任社員が退社した場合の払戻持分算定の基礎となる会社財産は事業の継続を前提としてなるべく有利にこれを一括譲渡する場合の価額を標準とすべきであり、会社の損益計算の目的で作成された帳簿価額によるべきではないのを正当とした事例
荷渡指図書が第三者に交付された後受寄者による荷渡指図書の所持人に対する寄託物の引渡もしくはその引渡義務の承認がなされた後は、寄託者は荷渡指図の撤回をすることができない
1 利益処分の性質を有する役員賞与の支給方法 2 株主総会が役員賞与の支給およびその総額を定め具体的配分の決定を取締役会に一任することの可否(積極)
日本国民を母とする原告がオーストラリア連邦国民を被告として提起した認知の訴えにつき父の本国法に強制認知を許す規定の存在することの証明がないとして法例30条を類推して日本国法を適用した事例
1 渉外離婚事件につき、被告男の住居および生死が不明であるときは、原告女の住所国である我国に裁判管轄権があるとされた事例 2 離婚に伴う未成年の子の親権者を父に限定する韓国民法909条の規定の適用を法例30条により排除された事例
日本人(子)から韓国人(亡父)に対する認知の訴につき、「父がすでに死亡しているときは、子はその死亡を知った日から1年間に認知の訴を提起できる」旨の韓国民法864条の規定を適用することは、公序に反するとして、右の規定の適用を前提とする本案前の抗弁を排斥した事例
1 租税逋脱犯に対し実刑を科することを相当とした事例 2 裏金によるいわゆる「政治献金」には法人税法上の寄付金の損金算入規定(法37条2項)の適用があるか(消極) 3 株主に対する会社資産の交付に、いわゆる「隠れたる利益処分」の概念を適用した事例