最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 街頭に掲示された政党の演説会告知用のポスターに表示された政党幹部の肖像写真や氏名の部分などに「殺人者」などと刷られたシールを貼りつけた所為が暴力行為等処罰に関する法律1条(刑法261条)の罪にあたるとされた事例 2 公職選挙法129条、143条1項に違反するポスターと暴力行為等処罰に関する法律1条(刑法261条)の罪の客体
実用新案登録無効の審決取消訴訟において審判の手続で審理判断されていた刊行物記載の考案のもつ意義を明らかにするため審判の手続に現れていなかった資料に基づき当該実用新案登録出願当時における当業者の技術常識を認定することの許否
1 対抗力を具備した土地賃借人が、借地上建物に根抵当権を設定した後、借地の所有権を取得した場合と、賃借権の帰趨 2 競売により借地上建物と共にその敷地の賃借権を取得した者が、借地法9条の3に基づく賃借権譲渡の承諾に代わる許可の確定裁判を得ないで、賃貸人の不承諾の権利濫用等を理由として、賃貸人に対し賃借権を対抗することの可否(否定) 3 競売により借地上建物と共にその敷地賃借権を取得した者の借地法9条の3に基づく借地権譲渡許可申立に対する裁判確定前、土地所有者が土地明渡の請求をすることの可否(否定)
自動車のディーラーがサブディーラーとの間に留保することを特約した所有権に基づきユーザーに対し自動車の引渡しを請求する場合であっても、ユーザーにおいて右所有権留保特約の存在を知りえたものであることなど善意者として保護されるべき実態を具えないときには、権利の濫用にならない
農業を営む父親が、自己所有の農地を農業後継者移譲手続の一環として同居の息子に贈与した場合、右父子に判示のような事情があるときは、右贈与は債権者を害する行為にあたり、右父子双方ともに債権者を害すべき事実を知っていたことが認められるとされた事例
賃借土地上に賃借人所有の建物が数個あり、しかも、その間に主従の差が認められない場合には、全建物が朽廃しなければ借地法2条1項但書による借地権消滅の効果は生じないと解すべきである
テニス民宿の共同経営のため組合を設立し土地を出資した者は、組合が解散されても、残余財産として右土地の分配を受けない限り、他の共同経営者に対し、右土地の不法占有を理由として損害賠償を請求することができないとされた事例
所有土地の売却交渉において代金、手付金その他売買条件の一切につき諒承し、売買契約公正証書の作成の日まで取り決めながら、契約締結に応じないで土地を他に売却した者の不法行為責任が認められた事例
自動車割賦販売契約が解除され、販売会社が自動車の返還を受け、買主に対し解除に伴う損害賠償請求をする場合、割賦販売法6条所定の制限を受けるが、自動車販売会社と自動車買受人との間に、特約として、自動車販売会社において当該自動車を任意処分したときは処分代価から回収費、部品代金、修理費その他必要経費を差引いた価額をもって右返還時の価格とし、処分前に神奈川県自動車販売店協会中古車査定委員会に査定を依頼したときはその査定価格をもって返還時の価格とする旨の約定がなされている場合、右特約にいう査定機関に査定を依頼したときは、返還時と隔たりの少ない時期即ち一般的価値の変動を考慮する要のない時期に処分なり査定のなされた場合をいうものと解するのが相当である
旧会社の債務の支払を免れる意図の下に設立された新会社に対し法人格否認の法理により旧会社に対すると同一の請求が認められた事例
仮処分申請が不当として取消された場合であっても、仮処分申請人に過失があったとはいえないとして損害賠償責任が否定された事例
民法568条2項の「債務者の無資力」は競落人が代金の配当を受けた債権者に対し代金の返還を請求した時点で判定すれば足りるとした事例
債権の代理受領において第三債務者が債務者に直接支払いをなした場合でも、第三債務者の代理受領に関する返答、右支払いの必要性および第三債務者の無害意を考慮して、債権者に対する不法行為責任を否定した事例
金融機関の係員と無権代理人との間で締結された当座勘定契約に基づき振出された偽造手形、小切手の行方の調査、回収等により本人が損害を被った場合右金融機関は使用者責任があるか(消極)
1 プロパンガス容器が土地工作物にあたらないとされた事例 2 転倒した容器から噴出したプロパンガスの引火爆発事故につき容器を設置したプロパンガス販売業者に不法行為責任を認めた事例
1 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法2条1項、2項の「すみやかに」の要件を満たさない公告と瑕疵の治癒 2 小説「四畳半襖の下張り」が猥せつの文書に当たるとされた事例