最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 企業の特定事業部門の閉鎖を理由とする解雇における解雇事由存否の判断基準 2 企業の特定事業部門の閉鎖を理由とする解雇が権利濫用にならないとされた事例
海域・大気の汚染、液化天然ガス基地のタンク爆発の危険等を理由とする公有水面埋立免許処分取消請求が原告適格を欠くとして却下された事例
1 訴訟救助付与決定に対する相手方の不服申立の適否(積極) 2 訴訟救助の要件である無資力を判定するにあたり原則として農業世帯につき年収250万円、勤労世帯につき年収300万円程度をもって一応の基準とすることを相当と認めた事例
民訴法73条の承継参加の申立は、原被告双方を相手方とし、そのいずれに対しても請求の趣旨を掲げることを要する 2 承継参加の申立が不適法な場合、原被告は訴訟から脱退することはできない
貸金の返還を訴求された者が第三者から債権を譲受けたことが、訴求債権との相殺に供して訴訟を有利にする目的でしたものであり、信託法11条に違反するとされた事例
責任能力のある17才8か月の未成年者が小型漁船を操縦していて起した過失致死事故につき監督義務者である両親、代理監督義務者である祖父の監督義務違背との間の相当因果関係が認められた事例
複数の給付義務を定めている和解調書について、請求の趣旨ではそのいずれを訴の対象とするか特定せずに提起された請求異議の訴につき、請求の原因等に基づきその対象を限定した事例
1 不動産の二重売買において、第二の買主の第一の買主に対する不法行為責任が否定された事例 2 売主の相続人が被相続人において第一の買主に右不動産を売渡していることを知らないで第二の買主に二重売買した場合に、売主の相続人は右二重売買により第一の買主に対する移転登記義務を履行不能とした責任を負担するか(積極)
競落許可決定が確定し配当期日が指定された後における民事調停規則6条による競売手続停止の申立が権利の濫用にあたるとはいえないとされた事例
不動産の売買において、売主の売却意思を確認することなく、その自称代理人との売買契約に踏切った買主につき民法110条、112条の適用に関し過失がないとされた事例
県高校長会主催の柔道大会で重傷を負った生徒と母親から学校の設置者に対する損害賠償請求について、在学契約上の安全配慮義務の不履行ないし担当校長等の過失が認められなかった事例
日比谷公園の環境を破壊するような高層ビルの建築許可処分ないし都市計画決定を取消変更しないことの違法確認を求める住民訴訟が不適法として却下された事例
市の事務職員の懲戒免職処分の執行停止申立につき、妻の収入のほか申立人本人が自ら収入を得るための努力をする余地があることをも斟酌し、回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとは認められないとされた事例
夫保有の自動車を妻が運転して子を死亡させた場合、夫が自賠法3条の「他人」であることを主張して同法16条により保険会社に対してした損害賠償額の請求を排斥した事例
未成年の子が父親から買い与えられた自動車を運転して遊びに行った帰途同乗の友人に一時運転させている間に右友人の惹起した事故により死亡した場合、その遺族は保険会社に対し右死者が自賠法3条にいう他人にあたるとして損害賠償を請求することができないとされた事例
交通事故により頭部外傷3型、内臓(腸)破裂などの傷害を受けた被害者が外傷性てんかん症状を発現し、それによる周期的気分変調等が契機となって衝動的に自殺した場合において、自殺と事故との相当因果関係を認めた事例
専属的下請人の従業員が自家用車をたまたま用いて元請人の工事現場へ出勤し、その帰宅途上で起こした交通事故について、元請人の使用者責任、運行供用者責任がいずれも否定された事例
パトロールカーに追跡された速度違反車両が交通違反をくり返しながら逃走中に惹起した交通事故につき、パトロールカーの追跡行為に過失を認めた事例
麻すい注射による虫垂切除手術施行後、緑膿菌感染による急性脳脊髄膜炎のため患者を死亡するに至らしめた医師の責任が肯定された事例
1 30有余年継続したいわゆる藁の上からの養子の戸籍上の親から提起された親子関係不存在確認の請求が権利の濫用として排斥された事例 2 いわゆる藁の上からの養子につき、縁組の要式性を無視しえないうえ、不当な親子関係不存在確認請求に対しては信義則ないし権利濫用の法理を適用することによって具体的妥当性を図りうるとして、虚偽の嫡出子出生届の養子縁組への転換を否定した事例
婚姻関係の破綻の原因の大なるものは被告妻の創価学会入信後の行動にあると認めて原・被告双方の離婚請求を認容し、被告妻の財産分与の請求を一部認容し、原告夫および被告妻双方の慰藉料請求を排斥した事例
戸籍法第107条によらず民法第791条によってなされた子の氏変更許可の審判に基づく戸籍届出の不受理が正当とされた事例
離婚に際し婚氏の継続使用を選択した者が、その後婚姻前の氏に復するためになした氏の変更許可申立について、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」があるとされた事例
取締役の会社に対する不動産所有権の真正な登記名義の回復義務は、代表訴訟によって追及しうる取締役の責任の範囲に含まれるか(積極)
代表取締役が友人に会社の業務一切を任せたことに任務の懈怠があったとしても、右代表者の監視義務違反と会社の倒産ないし第三者の損害との間に相当因果関係を欠くとして、商法266条の3所定の代表取締役の責任が否定された事例