最も長い歴史をもつ判例実務誌
未熟児網膜症医療過誤訴訟において、担当医師に診療の実施ないし転医の指示等に過失がないとして、原審の判断を覆えし、病院の責任を否定した事例
土地の売買契約が成立したか賃貸借かどうかの認定判断につき経験則ないし採証法則の適用の誤り又は審理不尽の違法があるとされた事例
商品取引業者が顧客に対し追証拠金の交付を請求した場合において、期日までに追証拠金が交付されなかったときは、その業者は建玉を処分する義務を負うか(消極)
地代値上請求事件において、固定資産税課税標準額に1000分の55を乗じた額、固定資産税額及び都市計画税額の合計額に12分の1を乗じた額をもって適正地代の月額と決定した事例
信用金庫の支店長が権限を濫用して資金裏付のない同金庫振出の自己宛先日付小切手(いわゆる預手)を担保に差し入れて第三者に融資させこれが回収不能となった場合において右預手を担保にとったことが右第三者の信用金庫に対する損害賠償請求について過失相殺の事由とされた事例
1 社団の国籍を決定する基準 2 日本法上の権利能力なき社団とトルコ国籍の社団との同一性を認めるための要件 3 本邦所在の相続財産に関する事件について本邦裁判所の管轄権の有無(積極) 4 いわゆる「二重反致」の成否(積極) 5 いわゆる「先決問題」の準拠法 6 身分関係の立証に身分証書以外の方法による立証を許した事例 7 本邦所在の土地はロシヤ法上の相続財産を構成しうるか(積極) 8 ロシヤ民法上の相続につき、本邦裁判所の選任した相続財産管理人の権限及び相続人の本邦裁判所への当事者参加申出の効力を「手続型態の代替可能
動産売買の先取特権者は、債務者が破産宣告前に目的物を第三者に売却したことによる転売代金債権について、破産宣告前に差押えていない場合でも、破産管財人を相手方として先取特権による物上代位のためこれを差し押さえることができるか((イ)積極、(ロ)消極)
急行料金払戻基準を定めた、「国鉄」の旅客及び荷物営業規則289条2項の規定は列車遅延の原因が国鉄ストによる場合でも適用されるか(積極)
誤った鑑定評価書により、競売不動産の実価より甚しく高額な最低入札価額の公告がなされ、これに基づいて競売がなされた場合には、その競落は許されないとされた事例
1 中学校の廃止処分及び就学指定処分の取消請求は財産上の請求か(消極) 2 独立した2個の処分が、訴額算定に当たって1個の利益であるとされた事例 3 婚姻中の夫婦が子女を就学させる権利義務は、訴額算定に当たっては、夫婦につき1個の利益とみなすべきである
取締役会の承認がない手形引受がある為替手形の手持人(銀行)の支払呈示行為に違法性がないとして、不法行為の成立を否定した事例
1 河川の溢水による浸水の一因となった道路工事が違法な公権力の行使にあたらないとされた事例 2 河川の溢水による浸水の一因となった新設道路の管理に瑕疵がないとされた事例
刑事事件の一、二審において有罪判決を受け上告中の弁護士に対してなされた保証委託契約の申込につき、申込者が右の事実を知らなかったことを法律行為の要素の錯誤に当るとして、右申込を無効とした事例
1 仮処分の不当執行につき事情を詳細に認定してその過失を認めた事例 2 不当仮処分につき異議の申立をしなかった債務者が、その本案訴訟の応訴に要した弁護士費用と右仮処分の不当執行との因果関係(積極)
他人の物を目的とする売買契約につき売主の履行不能についての帰責事由がないと判定したが、右の履行不能を理由とする契約解除の意思表示は民法561条の解除権行使の意思も含むものと解して、買主の請求を認容した事例
甲が買受けた不動産を乙と通謀のうえ乙名義で所有権取得登記した場合、甲は乙から善意で右不動産の譲渡を受けてその登記を経由した丙に対し所有権をもって対抗することはできない
農地の買主が所有権移転には農地法3条所定の許可が必要であることを知りながら右許可を得るための手続をせずかつ少額の未払代金が存していてもなお所有の意思をもって占有を開始したものと認められた事例
小学校児童がストーブの蒸発皿に腕を突込み火傷を負った事故につき、ストーブ周辺に接触防止用の物的設備を欠いたことが、ストーブ設置、管理の瑕疵に当るとされた事例
賃料収入が月12万円であることを前提にアパートを買受けたところ賃料収入が月8万円にすぎなかった場合における担保責任を理由とする損害額の計算方法
1 特別清算開始決定を受けた会社に対する無条件の給付判決をすることの可否 2 買戻代金の提供が現実の提供に代えて支払いの準備をしたことを買主に通知するをもって足りるとされた事例
1 商法204条ノ3第2項所定の純資産額の算定にあたり税法上損金算入が認められる「価格変動準備金」「特別償却準備金」を積極財産から控除すべき消極財産に含めることの可否(消極) 2 商法204条ノ3第1項に基づいてされた現実の供託額が同条ノ3第2項所定の供託額に不足してもなお有効とされた事例 3 商法204条ノ3第2項所定の供託額が有効とされる場合と株式の売買価格および株式移転の時期
1 実用新案「折畳式美容健康運動具」について、イ号物件の一対の脚体を正面X字形にした構造の支持台は「二対の脚体を正面逆W字形にした構造の支持台」なる要件に該当しないとされた事例 2 不正競争防止法1条1項6号所定の虚偽事実陳述流布行為差止請求が認められた事例