最も長い歴史をもつ判例実務誌
参議院地方区選出議員の定数配分規定(公選法別表第二)に基づいて施行された大阪地方区選出議員選挙について、参議院の特異性を考慮し、違憲の問題を生ずるとは認められないと判断された事例
労働力の需給の不均衡から生ずる経済的優位に乗じて、女子を女子なるが故に差別する定年制は、公序良俗に違反し無効であるとされた事例
1 日本共産党県委員会の除名処分、点在党員措置の当否は司法審査の対象とはならない 2 日本共産党県委員会の解任処分の当否は司法審査の対象となる 3 日本共産党県委員会の県勤務員には労基法の適用がない
土地の賃貸借契約を一部解除した賃貸人が解除した部分につき損害金として残余の部分につき賃料として金員の支払を求めたのに対し賃借人が全額を賃料として弁済のため供託した場合と供託の効力
民法724条後段の規定は除斥期間を定めたものと解すべきであり、右規定の「不法行為ノ時」というのは、損害発生の原因をなす加害行為が事実上なされた時と解すべきである
一般投資家Xが、東西の証券取引所Y1、Y2を相手どりY1、Y2は特定の株式売買取引に際し、第三者A、Bの相場躁縦を故意又は過失により看過し、よってXに対し損害を与えたという損害賠償請求訴訟において、Xは、売買申告・照合書及び売買契約照合書の提出命令申立てをしたが、右各文書は民訴法312条3号の文書にあたらないとされた事例
土地改良法に基づき農用地が交換分合された場合において旧土地と新土地に対する自主占有が継続しているときと取得時効における両土地に対する占有の同一性(肯定)
医師が作成した診療録が患者と製薬会社間の訴訟においては挙証者の利益のために作成された文書にあたらないとして文書堤出命令を却下した事例
従業員が取引先から集金してきた金員を会社に入金したのに、その上司がこの事実を否定し同額の金員を再入金させ、かつ判示の文書に署名押印させたことにつき右上司の過失を認め、使用者である会社に対し3万円の慰藉料の支払を命じた事例
金融業者Aの使用入であるBを原告として提起された訴訟において、原告の表示をBことAと訂正することが認められないとされた事例
編隊飛行中の自衛機の墜落事故について 1 編隊の指揮権限を有する編隊長は、国の編隊員に対するいわゆる安全配慮義務の履行補助者であって、その飛行中の編隊の指揮統率に関する過誤は国の右義務違反と評価される 2 遺族の慰薯料、葬祭費、弁護士費用の各請求につき、入身事故による損害は当該事故によって生じた被害者の死亡それ自体をいうものであって、各損害項目は右損害算定のためのひとつの資料にすぎぬとして、これらを遺族が相続したものとし、 3 遅延損害金は、不法行為の場合と同様事故時から発生する、とした事例
建物の居住と、その敷地の使用収益を妨げられたこととの間には、特段の事惰のない限り相当因果関係なしとし、右特段の事情を認めなかった事例
1 警察官がナイフを一時保管しなかったことが違法とされた例 2 警察官がナイフを一時保管しなかった行為(不作為)とそのナイフによる傷害行為の間に第三者の行為が介在したため、右不作為と傷害の結果の間に因果関係がないとされた例
1 民法1041条所定の「減殺すべき贈与があったことを知」るとは、未必的に知ることをもって足りると解すべきである 2 贈与後目的物件が競売されたときにおいても受贈者は目的物の価額を遺留分権利者に弁償すれば足りると解するのが相当である
1 出入国管理令49条1項に基づく異議の申出を棄却した法務大臣の裁決の違法は主任審査官の退去強制例書発付処分に承継されるか(積極) 2 出入国管理令49条1項に基づく異議の申出に対する法務大臣の裁決の性質 3 法務大臣が出入国管理令50条1項の在留特別許可をしなかったことに違法がないとされた事例
課税処分に続く滞納処分として滞納者の債権が差し押えられ取立訴訟が提起追行された後に、第三債務者が右取立訴訟での主張と同一の無効事由を主張して提起した当該課税処分の無効確認訴訟が原告適格を欠くとされた事例
高校教諭に対する懲戒免職処分の執行が、「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要がある」場合に該るとして、停止された事例
1 交通事故により頭部外傷を受けた被害者に精神分裂病が発病した場合につき事故と右疾病との間の因果関係を認め事故の起因力を3分の1とした事例 2 自賠責保険から医療費、後遺症による逸失利益相当分として支払われた保険金を他の損害に充当することができるか(積極)
1 寿司業自営者の受傷による休業損害を事故前後の平均的月収の差額によって算定した事例 2 寿司業自営者の左指の疲労、疼痛等(12級6号)による労働能力喪失率を10年目まで14%、11年目から20年目まで5%と認めた事例
胃潰瘍治療のため施行した胃の一部の切除手術後に発生した腸間膜静脈血栓症による腸管麻痺のため死亡した患者につき医師の採った処置に適切を欠くところはなかったとして損害賠償の請求を否定した事例
虫垂摘出手術にあたり施用された麻酔(ペルカミンエス)のショックにより患者が死亡した事故につき、手術中及び術後における医師及び看護婦の患者管理の過失と患者死亡との間の因果関係を肯定した事例
手形金債務を負って倒産した商人が同債務を準消費貸借契約の目的とした場合において、右契約による債務が商行為によって生じたものとされた事例
商法14条の類推適用により取締役でないことを対抗することができない登記簿上の取締役に対する同法266条ノ3の責任を判断する場合の要件
漫画の主人公「スヌーピー」の無断キャラクター使用が、著作権を侵害するものとして、その使用差止および使用料相当額として、表示商品小売価額の10パーセントの損害賠償請求が認められた事例(擬制自白)
人気テレビ番組「スター千一夜」のスポンサーと 関連するような広告宜伝、類似商号の使用等が、営業主体混同行為として不正競争となるとして、差止請求、商号抹消登記請求、信用回復措置請求が認められた事例(擬制自白)