最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 高等学校学習指導要領の法的拘束カ 2 公立高校教諭が、定期考査で、学習指導要領に定める科目の目標・内容から逸脱した問題を出題し、これを当該科目の単位認定の基礎資料の一部に供することの当否 3 学校教育法21条1項(51条で準用)の解釈(いわゆる教科書使用義務) 4 成績一律評価と公立高校教諭の職務上の義務
1 就業時間中の組合活動に対する賃金カットを月額賃金の50分の1とする取扱いが約8年間実施されたことなどを理由に右取り扱いを労働契約の内容と認めた事例 2 労働者の同意を得ずしてなされた労働契約の不利益変更が、当事者の予想しえなかった事由が発生し、契約条項を維持することが社会通念上著しく公平を欠き、不当と認められる場合に当たらず許されないとした事例 3 就業時間中の組合活動に対する賃金カットを画一的に50分の1にとどめる取扱いが、賃金の労働者に対する生活保障的機能と、それが企業活動の能力的運営に好結果をもたらすという個別的労働関係における配慮によるものであるとして、経費援助の一面を有するとの理由で右理由で右50分の1を25分の1に変更することは許されないとした事例
1 刑法95条1項にいう職務の範囲 2 刑法95条1項における職務の執行中であるか否かの判断に際しその性質上ある程度継続した一連の職務として把握するのが相当であるとされた事例 3 刑法95条1項における職務の執行が終了したものではないとされた事例 4 公務執行妨害罪の主観的成立要件としての職務執行中であることの認識の程度
公共企業体等労働関係法17条1項違反の争議行為として行われた威力業務妨害行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例
知事の児童遊園設置認可処分が行政権の濫用に相当する違法性を帯びているとして個室付浴場業(いわゆるトルコぶろ営業)を規制しうる効力がないとされた事例
仮差押債権者が本案訴訟において仮差押の被保全債権全額について勝訴の判決を得なかった場合でも、担保の事由止みたる場合に該当するとされた事例
町および土地改良区が管理する用水路に、1才7ヶ月の幼児が転落水死した事故につき、用水路の設置または管理に瑕疵がないとして町および土地改良区の損害賠償責任を否定した事例
本案訴訟において仮差押債権者が仮差押債務者から金銭の支払を受ける旨の和解が成立した場合には担保の事由止みたることに該当するか(積極)
調停によって成立した期間12年6か月の普通建物所有を目的とする土地の賃貸借が一時使用の賃貸借にあたるとはいえないとされた事例
1 再度の考案に基づく決定が裁判所の掲示板に掲示された場合の効力(消極) 2 再度の考案に基づく決定を抗告審が取消した場合の考案前の決定の復活(消極)
土地の賃貸人が賃借権譲受予定者との間で信頼関係を維持して行くことのできない虞れが客観的にないとはいえないとして、地上の建物譲渡に伴う土地賃借権の譲渡を許可しなかった事例
甲から乙、丙に対して提起された甲乙及び乙丙間の各所有権移転登記の抹消を求める訴訟において、甲乙間で乙が無償で登記を抹消する旨の和解が成立した場合に、甲丙間の訴訟につき乙が甲のため補助参加することが許されないとされた事例
不動産の購入資金が妻の収益のほか妻が夫から支給を受けた生活費の一部を貯蓄したものでまかなわれた場合に、判示の事情を考慮して、右不動産が妻の単独所有に属するものと認められた事例
1 消防職員の消火活動上の過失による賠償責任について失火の責任に関する法律が適用されないとされた事例 2 消防職員の消火活動に過失があったとして損害賠償責任が認められた事例
借地期聞の満了後約1年8か月後に発生した借地上の建物の火災による消失及び6年以上経過後の立退料支払の申立等は、借地法4条1項但書の正当事由の有無の判断にあたって斟酌すべきでないとされた事例
競売期日の通知を受けなかった利害関係人が抗告期間経過後に申し立てられた競落許可決定に対する抗告につき追完を認めた事例
1 総領事が国のために金銭を借用する権限の有無(否定) 2 総領事が権限を踰越して国のために金銭を借用したことと相手方の正当理由の有無(否定) 3 在外公館等借入金の確認に関する法律に基づく「借入金確認書」の発給と無権代理行為追認の有無(否定)
1 建物の明渡を受けるのと引換に立退料を支払う旨の債務名義について、明渡義務の不履行を理由として立退料支払の強制執行の不許を求める訴は、民訴法545条の請求異議の訴によるべきでなく、同法522条の執行文付与に対する異議もしくは同法546条の執行文付与に対する異議の訴によるべきである 2 執行妨害行為の一事例
1 建築について素人である注文者の建物建築工事における注意義務 2 建物建築工事により隣接建物のコンクリート床にひび割れが生じたことにつき、工事請負人と注文者に損害賠償責任を認めた事例
都市計画事業の一環としての道路拡幅工事により道路面と買収残地との間に1・2メートルの段差が生じた場合に、買収の際に収用裁決による損失補償と同等の補償をする旨の黙示の合意があたったとして、被買収者の残地補償の請求を認容した事例
1 過誤納金等還付、充当通知に関する地方団体の長の措置は、抗告訴訟の対象となる行政処分 にあたる 2 昭和50年法律第18号による改正前の地方税法17条の4第1項各号につき詳細な解説をした事例
地方公営企業(バス)における早地方公営企業(バス)における早朝2時間ストライキを指導した組合書記長、執行委員に対する地公法29条による停職処分が有効とされた事例
1 転倒による上腕骨顆上骨折の治療において、血行障害による重度のフォルクマン拘縮を発生させた医師の過失を肯定した事例 2 右の場合において、顆上骨折も重篤であり、負傷後病院に至るまでの時間経過等を考慮し、損害の1割について過失相殺をした事例
上気道感染の診断により皮下注射を受けた患者が、同部位に生じたガス壊疽を原因とする中毒性シヨックにより死亡した事故について、開業医の責任を否定した事例
公知の事実を内容としても、その具体的表現に創作性が認められる限り著作物性があり、その具体的表現が無断で利用された場合には著作権侵害が成立するとして、日照権についての論文の著作権・著作者人格権侵害の事実を認め、発行等の差止、印税相当額の財産的損害、慰藉料30万円の支払を命じた事例