最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 裁判官の審理の方法、態度と忌避理由 2 訴訟指揮権、法廷警察権の行使の不当を理由とする忌避申立につき簡易却下相当とされた事例
美観地区内の料理旅館よりの景観が阻害されるとして求めた3階以上のビル建設工事禁止の仮処分申請に対し、4階以上の工事禁止を命じた事例
1 捜査官による弁護権妨害および長期間にわたる被疑者の連続取調等捜査上の問題点を指摘しながら、被告人の自白調書の証拠能力を肯定した事例 2 チフス菌あるいは赤痢菌を付着させた食品を喫食させる等の方法で多数の人をチフスあるいは赤痢に羅患させた13個の傷害の訴因につき、被告人の自白の内容等を詳細に検討して、いずれも無罪の言渡しをした事例
1 蛇行進禁止の許可条件に違反する集団示威運動の指導者につき公安条例違反の成立を認めながら、道路交通法所定法の法定刑を超えて処断することは許されないとした事例 2 公安条例のいわゆる条件違反罪は抽象的危険犯か
1 養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合における縁組の効力 2 養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合に他方の配偶者について縁組が有効とされた事例
1 身体傷害による財産上および精神上の損害の賠償請求における請求権および訴訟物の個数 2 不法行為による損害賠償の一部請求と過失相殺
1 商法204条1項但書による株式の譲渡制限と取締役会の承認のない株式譲渡の譲渡当事者間における効力 2 株式の譲渡担保と商法204条1項
1 共有持分権移転登記を受けた者に対し時効取得を対抗しうる場合 2 共有持分権移転登記を受けた者に対し時効取得を対抗し得ない場合
1 使用者は試用期間の定めある労働者に対し試用期間中就業規則所定の解雇理由手続に拘束されない広い裁量にもとづく解雇権を留保していると判断した事例 2 試用中の生コンクリートミキサー車運転手が過失によりこれを損傷した場合、この者を解雇しても権利濫用とされなかった事例
都市計画法上の商業地域における日照妨害を理由とする高層建物の建築工事差止仮処分申請が一部認容された事例(イ事件) 2 右建物の建築工事妨害禁止等仮処分申請が却下された事例(ロ事件))
1 被害者の国籍が朝鮮であるときと国家賠償法6条 2 中学校プールの設置、管理の瑕疵を認めた事例 3 中学校プールを利用中の被害者の過失割合
1 市立の保育園児にも、保育園に対する日照阻害を理由とする妨害排除請求につき当事者適格があるとされた事例 2 右園児が保育園に対する日照妨害を理由とする4階建マンションの建築工事禁止の仮処分申請が却下された事例
1 国家公務員に対して実施される定期健康診断およびその結果に基づいてとられるいわゆる事後措置と「公権力の行使」 2 国家公務員が右定期健康診断等によって受ける利益の性質
恩給法上の扶助料受給権者が交通事故死した場合、右扶助料受給利益は逸失利益として損害賠償請求権の内容となり得るか(積極)
1 人身保護事件において、10才の児童に意思能力がないとされた事例 2 婚姻関係の破綻に伴い別居中の妻から夫に対し、人身保護法に基づき夫の監護下にある子供の引渡請求がなされ、これが認容された事例
1 商品取引員に対し穀物清算取引を委託した際、委託者が株券委託証拠金の代用証券として提供する行為、および商品取引員がこれを商品取引所に自己の売買証拠金の代用証券として提供する行為の法的性質 2 商品取引所法(昭和42年改正前)38条5項、47条3項の優先弁済者たる委託者が会員信認金、仲買保証金から受けた弁済は否認権行使の対象となるか(積極)
1 行政不服審査法14条1項ただし書にいう「やむをえない理由」の意義 2 行政庁の不教示と右の「やむをえない理由」該当の有無 3 審査請求期間徒過後になされた同法58条1項の不服申立に対して、処分行政庁が実質的判断を加えたことと、期間徒過の瑕疵の治癒の有無
1 使用者は労働者の規律遵守精神の増進をはかる研修会にその参加を業務命令をもって命じうるとした事例 2 国鉄主催の「青年職員研修会」が右の如き研修会であり、思想の強要にあたらず、マル生運動等不当労働行為意思にもとづかないとされた事例 3 右研修会開催は労基法39条3項にいう「事業」にあたる
夏期冬期一時金中運収配分の最高額と最低額の差を1万円以内とする旨の労働協約に違反して2万円以上の差をつけた使用者に対し、協約債務不履行による慰藉料20万円の支払いが命ぜられた事例
1 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律27条1項、2項と憲法14条、31条 2 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律26条2項1号、28条1項と憲法14条、31条
被告人の公判期日への不出頭が正当な理由によるものと判断して、保釈取消決定を取り消した抗告審の決定が確定した後に、右不出頭が正当な理由によるものでないとしてあらためて保釈を取り消すことの可否
1 事前の許可申請をすれば当然許可された筈の集団行動を無許可で主催した者の罪責 2 広島県公安条例4条にいう「屋外の公共の場所」に該るとした事例
タクシー運転者といえども急制動するに際し、特別の事情のないかぎり乗客が通常の安定した乗車姿勢をとっているものと期待することが許されるとした事例