最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴の許否 2 中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴と法例30条 3 法例20条にいう「父アラサルトキ」の意義
株式会社の代表取締役が個人名義で不動産を買い受けた場合にその売買契約の効力が右代表取締役個人に及ぶものとした認定判断が違法とされた事例
1 旧意匠法(大正10年法律第98号)9条にいう「其ノ意匠実施ノ事業ヲ為シ」の意義 2 旧意匠法9条による実施権の行使の範囲
1 商品取引所法94条および昭和32年当時の東京繊維商品取引所受託契約準則7条の解釈 2 右各規定違反の呑行為および呑類似行為による取引の私法上の効力 3 委託証拠金と委託証拠金充用証券との間の弁済充当の順序
1 特許法における訂正審判の訂正を許可する審決確定の意味 2 特許無効審判手続係属中訂正を許可する審決があったとき、これについて意見陳述の機会を与えなかったことと手続上の瑕疵
1 交通事故の被害者に損害を弁済した使用者に被用運転手に対する求償権の行使を認めた事例 2 民法715条3項の求償権の範囲
1 2か月の期間を定めて反覆雇傭したことが期間の定めなき契約ありと認められなかった事例 2 右契約の期間満了時において、その後も使用者が雇傭を継続するものと期待すべき合理性ありと認められなかった事例
1 労働協約の解釈をめぐる主張貫徹のためにする争議行為の正当性 2 団交をつくさないで実施した争議行為の正当性 3 口頭で結ばれた合意の書面化を拒みその後の新要求貫徹のためにする争議行為の正当性 4 労働委員会の調停手続中実施された争議行為の正当性 5 定期航空運送事業において労使間に争議行為予告義務が法律上当然に存するか 6 争議行為実施の旨の通知義務の有無 7 右事業における指名ストが正当性ありとされた事例
1 「団結」「要求貫徹」と染めぬいた腕章を着用したまま就労することが債務の本旨に従った労務の提供にあたるとされた事例 2 指名ロック・アウトが組合の就労申入後その正当性を欠くに至ったとされた事例
1 労基法41条の許可なくして断続労働をさせた使用者は同法37条所定の賃金を支払うべきものとされた事例 2 右断続労働にあたらないとされた事例
1 商法494条にいう「不正の請託」の意義 2 商法494条にいう「不正の請託」にあたるとされた事例 いわゆる総会屋に関する同条の罪の成立
1 少年の被疑事件につき捜査等に日時を要したため家庭裁判所の審判を受ける機会が失われたときと捜査手続の違法 2 捜査手続の違法と公訴提起の効力
1 数種の免許が記載されている1通の自動車運転免許証の写真を自己の写真と貼りかえた場合における公文書偽造罪の罪数 2 故意犯につき同種類の観念的競合が成立するための要件
1 執行裁判所の職権に基づく競落期日変更の許否 2 公告または利害関係人に対する通知のなされたことが記録上明らかでない右期日変更の効力
競売物件の表示が一見しただけでは判明し難い方法(書類を2つ折に重ねて両肩を押ピンで止めたもの)でなされた不動産競売期日の公告の適否
「本件建物を改築するときはこれに協力する」という趣旨の和解条項の解釈と同条項違反を理由とする建物賃貸借契約解除の許されなかった事例
売買代金支払のため信用状が開設された場合でも信用状により売主が発行銀行と為替手形を取り組み支払を受けるための条件が買主の責に帰すべき事由により充たし得ない場合には、売主は信用状によらないで買主に直接代金の支払を請求することできる
控訴審において新たに追加された予備的請求につき、請求の基礎に変更はないが、著しく訴訟手続を遅滞せしむべき場合に当るとして訴の変更が許されなかった事例
1 予備的に遺族固有の慰謝料がなされているものと解釈してこれを認容した事例 2 障害物のかげから出てきた横断歩行者と自動車との衝突事故における過失割合
受傷者の母が付添をなしたとする付添費の請求について、入院1日につき1000円、通院1日につき500円が相当因果関係のある損害と認められた事例
1 附近の土地の利用状況の変化を理由に建物の構造に関する借地条件を変更した事例 2 右変更に伴う付随処分として借地権価額の約8%にあたる金銭の支払を命じた事例 3 借地契約が建物の譲受に際し新規に締結されたものである場合、事情変更の有無は前借地人の借地期間を通じて考慮すべきである
1 借地法8条の2第3項の「当事者間の利益の衡平を図る為」とある意味 2 増改築許可に伴う付随処分として更地価格の5%にあたる金銭の給付を命じた事例
1 増改築許可に伴う付随処分として更地価格の5%にあたる金銭の給付を命じた事例 2 借地法8条ノ2第3項にいう「当事者間の利益の衡平を図る為」との趣旨
1 防火地域の指定、附近の土地の利用状況の変化等を理由に建物の構造に関する借地条件を変更した事例 2 借地法8条ノ2第3項にいう「当事者間の利益の衡平を図る為」とある意味
1 増改築許可に伴う付随処分として更地価格の3%にあたる金銭の給付を命じた事例 2 借地法8条ノ2第3項にいう「当事者間の利益の衡平を図る為」とある意味
1 増改築許可申立を認容した事例 2 右認容に伴う付随処分として、賃料額のみを変更し、金銭給付は要しないとした事例 3 本件判示の事実関係のもとでは、借地権を設定したものと認められる
1 借地権(転借権)譲渡許可申立てと借地条件変更申立てとの併合申立てを認め、前者を認容するとともに借地権の譲渡がなされることを条件として後者も認容した事例 2 右両申立てを認容した場合の財産上の給付の額の算定 3 転借権譲渡許可における財産上の給付について、賃貸人と転貸人の受ける割合
1 被担保手形金の回収不能による損害と担保手形偽造との因果関係 2 被用者の偽造印による手形裏書偽造につき使用者責任を認めた事例
1 会社の経理係員が正規に作成された小切手上の会社代表者の印影を転写する方法により手形を偽造した場合と会社の使用者責任 2 被用者の手形偽造を理由とする使用者に対する損害賠償債権と手形裏書人に対する遡求権との関係
1 知事の審決を経ないで提起された市議会議員の除名処分取消しの訴えが適法とされた事例 2 右処分の執行停止につき、回復困難な損害を避けるため緊急の必要性があるとされた事例
「伸延可能なるリンクバンド」の特許発明に関し、その技術的範囲は出願人の内心の意図によるべきでなく明細書に記載されたところによって定めるべく、また、公知技術があっても明細書に示された具体的な構造に限定されなければならないものではないとさ れた事例
「螺旋送り装置」に関する特許発明につき、その技術的範囲は槽の全長にわたっての連続螺旋を有しない撹拌羽根送り装置にまでは及ばないとして差止請求を否定した事例
金属一般を指定商品とする「ANOZINC」という商標登録出願につき、「ZINC」は亜鉛を意味する亜鉛に関連する商品であるかのように品質誤認のおそれありとし、拒絶相当とした事例
金属一般を指定商品とする「UNICHROME」という商標の登録出願につきクローム合金またはクロームメッキであるように品質誤認のおそれありとし、拒絶相当とした事例
新聞などの商品に関する「宏成」という商標登録出願につき、印刷物に関する「佼成」という既登録商標と称呼を共通するとし、拒絶相当とした事例
1 登録出願の商標と拒絶理由として引用した登録商標とが、ともに変形模様の図形として相近似した外観類似として拒絶さるべきものとした事例 2 拒絶理由として引用された商標が一流メーカーの商標として周知のものであっても登録出願の商標がこれと外観が類似するときは拒絶相当とするのを妨げないとした事例
「合成樹脂板」に関する実用新案登録出願について、融着する合成樹脂層のそれぞれが同質のものとする出願人の主張が排斥され、拒絶相当とした事例
1 「びんのふた」などを指定商品とする「RIP CAP」という商標の登録出願について、この語は「剥ぎ取る構造のふた」を意味する英語であるから、用途表示、品質誤認のおそれの理由によって登録拒絶を相当とした事例 2 外国で商標として登録されてもそのことが拒絶相当の判断を左右する事由にはならないとした事例
「金属性伸縮バンド」に関する実用新案の登録出願について出願前同一構造のバンドが公知になっていたとし、登録拒絶を相当とした事例
「容器閉鎖用の弾性内張り付蓋体」に関する実用新案の登録出願について、考案の構成および作用効果の認定に重大な誤りがある旨の出願人の主張につき、特許庁長官のした自白に基づき拒絶相当とした審決を取り消した事例
1 「LY式法律会計特許事務処理カード」という実用新案の登録出願につき、審判手続中にした訂正が要旨変更に当るとされた事例 2 右出願につきカードの記載欄の具体的表示が物品の型を形成し、新規な機能ありとして拒絶相当とした審決を取り消した事例
1 準禁治産宣告の審判は、右宣告の対象となる者が審判の趣旨を理解する能力を具備することに鑑みれば、右審判の効力を受ける事件本人に告知することを要する。 2 事件本人が記録を閲覧した結果、自己に対し準禁治産宣告審判があったことを確知した場合には、記録閲覧の日をもって審判が事件本人に告知されたと同様にみることができる。
1 民法752条所定の扶助義務は、未成熟子を含む夫婦一体として共同生活に必要な資料を供与し合ういわゆる夫婦間の生活保持義務を定めたものである。 2 夫婦間扶助の申立を婚姻費用分担事件として取扱ったとしても、民法752条、760条は、いずれにしろそれが一方の配偶者に生活資料が不足するとき余裕ある他方がこれを補足するとの関係で現われてくるときには、両者はほぼ同一の機能を果しているものというべきであり、また家事審判は、家庭裁判所が合目的性の理念にもとづき、裁量によって具体的に妥当な結果を確保することを目的としつつ行う処分であることに鑑みると、申立なきに審判したものということはできない。 3 婚姻費用の分担を定めるにあたり、家庭裁判所が、当事者の離婚原因、その有責配偶者が何れであるかは必ずしも確定する必要はない。
民法791条は、亡父母への氏変更につき制限を加えておらず、また戸籍法107条の特例と解し得るから子の氏を亡父母の氏に変更することは許される。
家名存続、祖先の祭祀を主たる目的とし、未成年者を引取り監護養育することを考えない養子縁組は、たとえ未成年者に多少の財産上の利益があるとしても、民法798条が未成年者の養子縁組について家庭裁判所の許可を要すると定め、養親の利益を図ることを排斥し、養子となる者の幸福を期待している趣旨に反する
親権者が再婚後その配偶者と子が養子縁組をしたため実親と養親の共同親権に服している場合においても、他方実親から右両名に対し親権者変更の申立をすることはできる。
1 民法838条1号に定める「未成年者に対し、親権を行う者がないとき」とは、親権者の心身に著しい障害があるため親権を行うことができない状況にある場合もこれにあたると解するのが相当である 2 親権者が心身の障害のため親権を行なうことができない事情にあるかどうかは、関係法規に特段の定めのない限り必ずしも医師の鑑定や禁治産宣告等の手続を要せず、障害の程度が明白な場合には、家庭裁判所の職権調査による自由な認定に委ねてよい
母および未成年者の、長男に対する扶養請求につき、労研方式による申立人らの最低生活費を基準として扶養料の支払いを命じた事例
家業を嫌い家出し、その間申立人の印鑑を盗用し、氏名を冒用し、又は申立人を連帯債務者として借金をしてはそれを浪費する生活を繰返したことにより、申立人の多くの財産を失わしめ、現在もなお家庭を破壊し生計を危くしている場合には、推定相続人廃除の法定事由の一つである著しい非行があったものと認めるのが相当である。
1 外国人間の離婚事件における裁判管轄権について具備することを要する当事者の住所要件は、当事者の本国法上の概念によるべきでなく日本の法制上の概念によるべきである 2 米国国際私法上離婚の準拠法についてはいわゆる法廷地主義をとっているものというべきところ、それは裁判管轄権概念と密接な関係を有する概念であって、日本のように裁判管轄権概念と準拠法概念とに直接関連を持たせない法制のもとでは、日本が法廷地であるからといって反致により直ちに日本法を適用すべきであるとはいえない
戸籍上韓国人夫婦の嫡出子とされているが、実はその韓国人夫を父とし日本人女を母とする婚外子である場合に、実母との間の親子関係存在確認をした事例
事件本人(中国人)が日本における勉学を熱望しているとしても、申立人(日本人)に養子縁組についての熱意がみられず、かつ当事者双方で各々相手方の母国語を充分理解できない状態にあり、当事者間にさして深い情緒的結びつきがあるとも認められない事案においては、養子縁組が未成年者の福祉にそうものとは認められないから申立を却下するのが相当である。
1 国税犯則取締法2条により裁判官がする差押等の強制処分の許可の性質とこの許可自体に対する不服申立の許否 2 国税犯則取締法による国税犯則事件の調査手続の性質と同法2条により収税官吏がした差押処分に対する不服申立方法 3 国税犯則取締法2条により裁判官がした強制処分の許可自体に関する違法の主張方法
1 政治犯罪人不引渡の原則は国際慣習法か 2 退去強制処分が政治犯罪人不引渡の原則に反するとされた事例 3 退去強制処分が逃亡犯罪人引渡法2条1号、2号に反するとされた事例 4 抗告訴訟、執行停止の申立ての時間的余裕を与えないでした退去強制処分と担当公務員の故意過失 5 生命侵害でない場合における近親者の慰藉料請求権(退去強制処分を受けた者の妻子に慰藉料を認めた事例)
1 東京都公安条例の合憲性 2 集団示威運動に対する事前規制の要件 3 東京都公安条例の運用による国会周辺デモの禁止の可否 4 国会周辺のデモ行進の進路を変更した違法な許可条件と公安委員会の故意過失 5 デモ行進の許可に付された違法条件と行進参加者の損害