最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力 2 員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例
1 第一次仮処分の目的物件が譲渡された場合、右第一次的仮処分と右仮処分申請人を相手とする第二次的仮処分との牴触の有無 2 債権者占有中の物件につき、執行官に保管を命じたうえ、債権者に使用を許す旨の仮処分申請の適否
手形債権者が手形債務者の有する当該手形不渡異議申立預託金返還請求権を転付により取得した場合と、手形交換所の異議申立提供金返還原因たる「紛争解決」の成否
1 下請負人の事故につき元請負会社および元請負人の親会社に運行供用者責任および使用者責任を認めた事例 2 代理監督者責任(消極) 3 後遺症を残す被害者の逸失利益(消極)
1 64才の主婦の逸失利益(消極) 2 死亡事故と墓碑建設費用との相当因果関係(積極) 3 横断禁止場所を横断中の歩行者と自動車との衝突事故における過失割合
自動車事故の被害者の生計費相当額として、仮に毎月4万9000円ずつ6ヶ月間支払うべきことを加害者に命じた仮処分の事例
1 解雇協議約款違反の手続による解雇が無効とされた事例 2 長年勤続者を停年直前、配転の可能性を検討することなく解雇したことが権利濫用とされた事例
事情変更を理由に仮処分決定の取消を求めるにはまず異議手続によるべく、これをしないで直ちに取消を申立てることは不適法であるとされた事例
故障した拳銃が銃砲刀剣類等所持取締法(昭和40年法律第47号による改正前のもの)2条1項にいう「銃砲」にあたるとされた事例 いわゆる「通常の修理」と合法的修理の能否
1 爆発物取締罰則2条にいわゆる「爆発物ヲ使用セントスルノ際発覚シタル者」の法意および右「爆発物ノ使用」の意義 2 前記2条違反にあたる一事例
1 刑訴法502条にいう「執行に関し検察官のした不当な処分」の意義 2 刑訴法442条但書による刑の執行停止の申請に対し検察官がこれを肯認しなかったことが同法502条にいう「執行に関し検察官のした不当な処分」にあたらないとされた事例
任意出頭の被疑者に対する警察官の取扱いが実質的には「逮捕」に相当するとして、右「逮捕」中に司法警察員からなされた通常逮捕状の発付請求は却下すべきであるとした事例
賃借権の譲渡転貸において社会経済上土地利用の実体関係が同一であるにかかわらず借地法9条ノ2の規定をあげて民法612条による解約を有効と認めた事例
従前の土地の一部を賃借している者に対し仮換地の指定はなされたが、本換地の指定がなされなかった場合に、従前の土地の賃借人は本換地された土地を使用する権限を有するか
1 手形交換手続において実在しない銀行支店を支払担当者として記載した手形を交換不適格手形とせず、類似の実在銀行へ回付することの可否 2 右手形が不渡になった場合「取引なし」という不渡事由を付することの当否
1 支払の差止を受けた第三債務者が差押前に取得した債権を自働債権とする相殺は差押債権者に対抗しうるか 2 手形の不渡防止のため支払銀行に予託された予託金返還請求権を受働債権とする相殺の適否
1 単なる同居ではなく転貸に該当するとされた事例 2 無断転貸について背信行為と認めるに足りない特段の事情が存するとされた事例
実質上の個人経営である会社が負担する賃貸人としての債務不履行による損害賠償等の債務につき、右個人と会社に不真正連帯責任があるとされた事例
1 私立学校法人における理事会の瑕疵ある決議の効力と商法の類推適用の有無 2 理事会の瑕疵ある決議が有効と認められた事例
1 都電踏切における都電と4才の幼児との接触事故につき、都電運転士に過失を認めた事例 2 都電運転士の過失を6、4才の幼児の親権者の過失を4とした事例
店舗前の自転車置場にキーをつけたまま駐車していた軽自動二輪車を他人が所有者に無断で運転中発生させた事故につき、所有者の運行供用者責任(消極)
1 ドライブクラブに運行供用者責任を認めた事例 2 入院雑費として、1日300円を認めた事例 3 近親者の傷害につき、慰藉料を認めた事例 4 交通事故による損害賠償につき、示談の成立を認めた事例 5 共同不法行為者の一方との示談の効果
1 附近の土地の利用状況の変化等により借地条件を変更した事例 2 右許可に伴う付随処分として更地価格の8%強に相当する金銭の支払を命じた事例
1 労働組合掲示板に掲載しうる事項を制限し、又は事前に使用者の同意を要する旨の労働協約が、検閲禁止、表現の自由、労使の対等の原則に徴し有効とされた事例 2 組合が右協定に違反して掲示をした場合使用者は組合に対してのみ撤去を求めうべく、組合がこれに従わないからとて掲示責任者たる組合員に撤去を命じ又はその個人の責任を追及できないとされた事例
「滑り止片付靴底」に関する実用新案権の権利範囲確認審判の審決取消訴訟において、土踏まず部の滑り止片の歯の高さの相違が権利範囲に属するかどうかの基準にはならないとされた事例
「テレビカメラ付シュノーケルを有する潜水艦船」に関する発明について、二つの引用例から容易に考えられるとした審決を是認した事例
「多段式自動挽割法」に関する特許願拒絶査定不服審判において、不足手数料の追納を命じた補正命令が原告に了知されたことが認められないとして審判請求書却下決定が取消された事例
「布サック付傘」に関する実用新案登録出願について、この種物品の考案においては、その具体的な構成・効果上の差異は、必ずしも技術的に顕著又は高度なものでなくともよいとして、拒絶相当とした審決を取消した事例
時計等を指定商品とする「オメガ」という既登録商標の存在を理由として、ライター等を指定商品とする「オメガ」の商標の登録を無効とするのを相当とした事例
「少くとも2個の切刃を有する乾式髯剃機の改良」に関する特許願について、拒絶相当かどうかの判断は、拒絶の理由とされた引例がどういう物の写真であるかの点ではなく、当業者がその記載により容易に実施できる程度のものと認めうるかどうかによって決められるべきである
「劣質原油の蒸溜方法」に関する特許権について旧法下の存続期間延長出願不許可の処分に対し、延長しうる最長期間である10年を経過したときはその取消を求める訴は却下されるべきである
1 養子縁組無効確認の訴についてなした移送の決定は、亡養親の普通裁判籍を有した地についての判断を誤り、ひいて専属管轄の規定に違背した違法があるとして原決定を取消した事例 2 右の場合において、管轄裁判所へ移送しなかった事例
民法11条の規定する心身障害者のうち、聾者・唖者・盲者のごときは、単にそれに該当するというだけで当然に準禁治産者として取扱うことを要すると解すべき根拠に乏しいとして、申立を却下した事例
財産分与の制度は、離婚に際して夫婦の実質的な共有財産の清算処理をなすことが中核であるところ、本件においては、離婚に至った原因を当事者の一方に帰することができず、かつ、婚姻の継続期間も僅か1年半にすぎず、また、分与の対象となるべき財産はないとして財産分与の請求を却下した事例
父が認知し親権者となっている婚外子からの父の氏への変更許可事件において、父の妻や摘出子の感情上の利益の立場を重くみる必要があるとして右申立を却下した事例
親権者を変更する審判に対し即時抗告をなしうる「親権を行なう者」とは、現に親権者として親権を行なっている者を指し、変更審判により将来親権者として親権を行なう者と定められた者を包含しない。
遺言による推定相続人廃除の申立について、当該相続人の浪費・遊興・犯罪行為・女性関係等は、相続的共同関係を破壊するに足りる著しい非行に該るとして、右申立を認容した事例
1 遺産分割事件の抗告審において、相手方が相続した借受金債務を、右家屋を取得せしめた抗告人に引受けさせ、抗告人の相手方に対する債務負担額から右引受債務額を控除してその支払いを命じた事例 2 相続不動産全部の固定資産税と家屋の火災保険料、通常の修理費をその占有者である相続人が単独で負担すべきものとされた事例
1 祖先の祭祀を主宰するものと指定された者は、死者の遺言のうち系譜、祭具、墳墓のように祭祀に関するものの所有権を承継することがあるだけでそれ以上の法律上の効果がないものと解する。 2 受遺者が偶々祭祀を主宰する者に指定されたからといってこれを負担付遺贈を受けた者とすることはできない。 3 葬式費用の負担者については、その地方または死者の属する親族団体における慣習若しくは条理に従って決せられるべきであって、祭祀を主宰する者と必ずしも一致するものではない。
「猿橋」という氏を呼称することには、一般的に社会生活上申立人ら主張のような不利益が考えられなくはないとして氏の変更を許可した事例
保護者である父母に対し、町役場・警察・児童委員ら関係機関が子の監護について再三注意指導したにもかかわらず、母の外泊と、父の飲酒虐待が繰り返されるとしてなされた、児童福祉法28条1項1号の申請を承認した事例
父の認知のある婚外子たる韓国人子からの日本人女に対する母子関係存在確認申立事件において、婚外母子関係成立に関する準拠法は法例17条の類推により子の出生当時の母の本国法であるとして、日本法を適用した事例
1 保安林指定解除処分が地元住民に回復し難い損害を与え、その効力を停止する緊急の必要があるとされた事例 2 保安林指定解除処分の取消訴訟における地元住民の原告適格 3 保安林指定解除処分に関する聴聞会手続に関する瑕疵と処分の効力 4 自衛隊の違憲性 5 防衛の整備計画の完遂の支障と行政事件訴訟法25条3項の「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」