最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 民法715条の「事業の執行につき」にあたらないとされた事例 2 夫の負傷に際し妻が付添った場合、その付添費を夫が請求できるとした事例
1 土地区画整理による替費地(保留地)処分の性質 2 替費地たるべき土地を、換地処分の公告日以前に譲渡した場合の効力 3 右譲渡がなされた場合における対抗力
1 酒気を帯びた被用者の無断運転する車に同乗して負傷した者の請求に対し、使用者の運行供用者責任を認めた事例 2 右同乗者の過失を認め、2割の過失相殺をした事例
1 労働組合の規約上緊急を要する場合には組合大会開催につき2週間の招集期間を要しないと定められているとき、これに該当しないとされた事例 2 労働組合の組合員及び中央執行委員は右組合が上部団体に加盟していることの確認を求める法律上の利益を有するか
いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為が刑法第260条の建造物損壊および同法第261条の器物損壊に該当するとされた事例
所在不明を理由に刑事訴訟法第321条第1項第2号により証拠調べが行われた供述調書は、後に至ってその所在が判明し証人尋問が行われた場合、その証拠能力を失うか
不動産強制競売事件手続における競落許可決定言渡後、強制執行停止決定正本が提出された場合における抗告裁判所のなすべき裁判
代物弁済予約完結権を有する債権者が、その権利行使にあたり一方的に目的物件を評価し、、その評価額をもって債権の一部に充当することの適否
妻が夫名義で賦課された所得税および夫婦の居住する家屋の固定資産税を納付するための資金を抵当権等を設定して借受ける行為は日常の家事に関する行為か(積極)
相続により土地の共有持分の過半数を取得した者が右土地を使用する他の共同相続人の遺族に対してした土地の管理方法の変更ないし使用貸借契約の解約を理由とする明渡請求を失当とした事例
原、被告の戸籍上の父母がともに死亡し、被告の実父母も不詳の場合に身分関係をただす手段がないとして姉弟関係の不存在確認を認めた例
1 代物弁済予約の目的物件の価額、代物弁済額について合意がなされていない場合における右予約の効力(消極) 2 右の場合においてなされた予約を原因とする仮登記の効力(積極)
1 社員の一部の同意による合資会社の継続の要件 2 相手方に代表権がないことを知りながら、会社に効果を及ぼす意思でその者との間に和解契約を締結した第三者は、代表権のけん欠による和解の無効を主張できるか(消極) 3 事実上および登記簿上会社の代表者とされている者の代表権の存否に関する紛争につきその者を真正な代表者と認めて会社との間に成立した和解の効力
信号機が黄色点滅と赤色点滅とを現示している交差点は、道路交通法35条1項にいう「交通整理の行われていない交差点」にあたる
増改築制限の特約の存否不明と改築許可申立 2 裁判確定の日から6カ月以内に20万円を支払うことを条件として改築許可申立を認容した事例
1 借地契約当時既に目的土地について防火地域の指定がなされていたが、その後の附近の土地の利用状況の変化を理由として、借地条件を変更した事例 2 借地人に財産上の給付として更地価額の1割の支払を命じた事例
1 増改築許可の申立が建築基準法に違反しない限度で認容された事例 2 許可に伴う付随処分として借地条件(地代増額)の変更をした事例
更生会社に対し債務を負担する者に対し、その者が将来取得すべき更生会社に対する債権につき譲渡又は質入れを禁止する旨の保全処分申請の許否(消極)
会社から交付をうけた商法293条の5による計算書類附属明細書謄本の記載が不充分である場合と、株主からの右充足謄本下付請求の許否
生活保護法による保護基準額を基礎として夫の負担する婚姻費用分担額を算出の上、さらにその額を妻の申立の範囲にとどめた事例
1 義務者の資力が必ずしも明確に把握できない場合の婚姻費用分担額算定の事例 2 すでに成人に達し現在医科大学に在学中の長男の学費が、その進学について相手方(夫)の諒承を得ており、かつ相手方の資力に照らしてその就学が当然と認められる場合には、婚姻費用に含まれるとした事例
別居の原因となった現に夫と同棲中の他女及びその間の子の生活費を夫の生活費として算入の上、労研方式により、夫が別居中の妻子に対して負担する婚姻費用分担額を定めた事例
総理府統計局「昭和38年家計調査年報」と労働科学研究所「総合消費単位」を参考とし、かつ婚姻継続中の妻の勤労能力を不問にすべきであるとして、婚姻費用分担額を定めた事例
離婚後3年以内に提起された贈与の不存在等を理由とする所有権移転登記抹消請求の訴は、財産分与の請求とは全く異なるものであるから、右訴の提起をもって財産分与請求権の行使と解することはできないとして、右請求棄却判決確定後しかも離婚後2年を経過した後に申立てられた財産分与請求を却下した事例
親権者たる父の家に寄りつかず、現在母方祖母の許でやや落ついた生活を送っている非行歴のある事件本人の親権者を、右祖母に最も協力できる地位にある母親に変更した事例
子の未成熟時代にその扶養義務を十分に履行しなかった事情は、親が子に対し扶養請求をしたとき、相当程度考慮すべきであるとした事例
現物分割は著しく困難であるのみならず、もし現物分割をすればその価額が著しく減損するとして、遺産分割審判において競売を命じその換価金の分配を命じた事例
民法958条の3にいわゆる特別縁故者のうち内縁関係および事実上の養親子関係にあった者は、被相続人の遺言無効確認訴訟の当事者適格を有する
相続財産たる農地が周囲の環境からすでに住宅地区と化しているものと認められる場合に、農地法5条による知事の許可を条件として、農地を保有しない特別縁故者たる被相続人の叔母に与えた事例
相続財産中共有物件に対する被相続人の持分は、相続人の不存在確定により被相続人の死亡時に遡及して当然に他の共有者の所有に帰属するから、その部分は相続財産処分の対象とならない
1 日本に居住する米国人(カリフォルニア州)夫婦と米国人(イリノイ州)未成年者との養子縁組につき、わが国に裁判権を認め、かつ準拠法として本国法である米国法を適用し、これを許可した事例 2 右審判にあたり、養子の姓につき、縁組の効力の準拠法である米国法(カリフォルニア州)により姓の変更についての裁判をした事例
日本において日本人女が中国人男と結婚披露をおこない、その旨を中華民国駐日代表団に届け出ているので中華民国法上有効な婚姻が成立しているとして、婚姻当時の旧国籍法により国籍喪失届が受理され、戸籍から除籍されている事案につき、挙行地法たる日本法によれば、まだ有効な婚姻が成立しておらず、前記の国籍喪失届に基づく一連の戸籍の処理は錯誤によるものであるとして、右戸籍の訂正を許可した事例
児童福祉法34条1項7号の「刑罰法令」には、殺人、傷害など児童を直接の被害者とする犯罪に対する刑罰法令に限らず、広く風俗営業取締法4条の3等も含まれる
児童福祉法34条1項6号の「児童に淫行させる行為」とは、児童をして他人を相手として不正な性交をさせることであり、自らその相手方となって児童と性交した場合を含まない
実在人の氏名、生年月日、本籍、住所が詐称された場合には、調査、審判の対象は、被詐称者であるとして、被詐称者に対し非行なしとして審判不開始にした事例
公職選挙法(昭和37年法律第112号による改正前のもの)第221条第3項の「選挙運動を総括主宰した者」の意義と右にいう選挙運動の時期
1 公共企業体等労働関係法第17条違反の争議行為(てこ扱所への立入り)が正当な争議行為とされた事例 2 鉄道公安職員のピケ排除行為が適法な職務行為といえないとされた事例
1 凶器準備集合罪が成立した場合には、その目的とした加害行為実行の段階に進展してもなお同罪は継続しているか 2 刑法第208条の2の「共同加害の目的」