最も長い歴史をもつ判例実務誌
借地上の建物に通常の修繕の域をこえた大修繕がされた場合に借地契約が修繕前の建物が朽廃すべかりし時期に終了するものとされた事例
1 記名株式を目的とする質権の設定の要件 2 親権の共同行使に違反して親権者の父または母が単独でした未成年の子の財産についての処分行為の効力
1 土地賃借権の無断譲受人が地上建物に増築等の工事をした場合と建物買取請求権 2 所有者の異なる数筆の土地に跨って存在する建物と建物買取請求権
1 株主は他の株主に対する招集手続のかしを理由として株主総会決議取消の訴を提起できるか 2 株主総会の決議を取り消すことが不適当な場合と請求棄却の要否
1 財前金利なる侯補者がある場合における「だいぜんまさかつ」と記載された投票の効力 2 前項の場合における「ざ」の字の記載のみが判明する投票および「ダイ」とのみ記載された投票の効力 3 第一項の場合における「大提金利」と記載された投票の効力
1 株主総会決議の不存在確認請求と無効確認請求との関係 2 退職役員に対する慰労金の支給につき株主総会決議の要否 3 株主総会決議取消訴訟で出訴期間経過後における取消事由追加主張の許否 4 株主総会の決議方法に法令違反と著しい不公正のあるとされた事例
1 不動産の二重譲渡において、一方の譲受人が登記を具備した場合、他方の譲受人は譲渡人に対する関係においても所有権を喪失する 2 右の場合、登記を有しない譲受人は譲渡人に対し所有権移転登記請求権を有するか
1 工場の操業によって発する騒音が違法と認定される基準 2 人格権または所有権の侵害にもとづく防害排除ないし予防請求権の発生行使の要件
1 使用者は、従業員の解雇等を経営協議会において労働組合の同意を得た場合に限り実施する旨の労働協約に違反する解雇の効力 2 労働契約の本旨に従った労務の提供があると認められた事例
1 アカハタ配布行為が労働組合の正当な行為とみられなかった事例 2 事業場内における政治行動を禁止する就業規則の効力
1 爆発物取締罰則第1条にいう「人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ」の意義 2 刑訴法第212条第2項第4号にいう「罪を行い終ってから間がないとき」および「誰何されて逃走しようとするとき」にあたるとされた事例
1 労働安全衛生規則第108条の4第1項第3号にいう「当該作業に関係がある労働者」の意義 2 右規則第121条第1項にいう危害防止の方法を講じたことに当らない事例
1 暴力行為等処罰二関スル法律第1条ノ2第1項にいう「刀剣類」の意義 2 同項にいう「刀剣類」にあたらないとされた事例
権利能力なき社団の代表者個人名義で登記されている不動産につき、交替した新代表者は旧代表者に対し、個人名義による所有権移転登記を求めることができるか
知事の許可を得ないで農地の売買をしたが、その後登記官の職権により地目に変換されたときはこのとき以降所有権移転の効力を生ずる
1 児童が付近を歩行中、道路を左折する車の運転者の注意義務 2 9才の児童の過失につき5割の過失相殺がされた事例 3 9才の児童の逸失利益を、中学卒の平均現金給与額を基礎として算定した事例
1 逸失利益の損害は労働能力の抽象的価値自体の喪失による損害ではない 2 内縁の夫の運転する車に同乗した内縁の妻の損害の算定につき、夫の過失をしんしゃくした事例
1 主張どおり労働能力の50%の減退を認めた事例 2 18才の女性の就労可能年数を10年とすべきだとする主張を排斥した事例 3 風呂設置費の半額を損害として認めた事例 4 子の傷害につき、両親に慰藉料を認めた事例
1 物品税賦課決定等の取消を求める訴のけいぞく中右決定の更正決定等がなされたためこれに対する出訴期間経過後に、右訴を更正決定等取消の訴に変更した場合、出訴期間を遵守したと認められた事例 2 貴金属の右物に対する物品税の課税は二重課税にならない
労働組合のなした除名が無効であればこの除名に基いて使用者が当該労働者に対してなしたユニオンショップ条項による解雇も無効である
拘束者と請求者間の婚外子を拘束している認知しない父に対し親権者たる母が人身保護法により被拘束者の釈放と引渡を請求し認容された事例
別件の起訴状が送達されないままに該事件の証拠調等の公判手続が進行したのちに右起訴状の送達、公判手続の更新等が行なわれた場合において前記送達前に行なわれた法令違反の判決に及ぼす影響
職業安定法32条1項にいわゆる有料の職業紹介事項を行うとともに労働基準法6条所定の「業として他人の就業に介入して利益を得た」場合にあたると認定した事例
法廷において暴言を発したり喧騒を極めたりして、裁判所の職務の執行を妨害し、または、裁判の威信を著しく害したため、被告人らを監置処分に付した事例
自己の保管する他人の物件を第三者に担保に供した後、再度、別途債務のため同一人に担保に供する行為が不可罰的事後行為に該るとされた事例
交通事故による休業補償金の請求をめぐる交渉が権利行使として相当と認められる範囲を逸脱していないとして、恐喝未遂罪の成立を否定した事例
高層ビル建築設計者たる被告人がビル外装面の構造設計につき過失があるとして起訴された事案につき、設計当時の建築業界の平均的技術水準に照らし予見義務が認められないとして無罪とした事例
1 買戻期限を5年以上も経過してなされた買戻の意思表示は買戻の効果を生じないから買主たる不在者の代理人がこれに応ずる旨の意思表示をすることは、あらたな譲渡契約を締結することになり、無権代理行為となる。 2 また、右代理人が不在者の財産管理人となって、自分のなした右無権代理行為を追認するために、家裁に権限踰越の許可を求めることは、民法108条の趣旨よりして許されない。
1 養子縁組無効確認の訴を提起し得る第三者は、その確認によって相続、扶養その他の身体的権利義務に直接影響を受ける者または特定の権利を取得しもしくは義務を免れる者に限られると解すべきである 2 後見人は後見人たる地位にあるというだけで、被後見人(禁治産者)の養子縁組無効確認の訴を提起することはできない
夫の側に妻との同居を拒否する正当事由が認められないとして、諸般の事情を考慮した上、夫に対し妻の住居において同居することを命じた事例
亡母の後えいたることをあらわす者がないので、その姓に改氏したいとの申立を、やむを得ない事由があるとして、改氏許可の審判をした事例
申立人が国籍を朝鮮人として外国人登録をしているのは誤りであり、国籍法第2条第4号にいわゆる「日本で生れた場合において父母がともに知れないとき」に該当するとして、就籍を許可した事例
1 子の申立にかかる嫡出子否認調停事件につき、23条審判をした事例 2 民法第777条の「夫が子の出生を知った時」とは、単に夫が妻の出産事実を知るのみならず、それが嫡出推定をうける関係にあることを知った時を意味すると解すべきである
日本在住の米国人間の養子縁組につき、米国法上の養子決定はわが国の家庭裁判所の許可をもって代えうるとして米国法を適用して許可審判をした事例
中華民国人親子間の利益相反にともなう特別代理人の選任申立につき、中華民国法には右の特別代理人を選任すべき規定はなく、むしろ他の規定から総合すると、法定代理人である父母はかかる場合でも未成者年のために適法な代理行為ができるから、特別代理人の選任は不要であるとして申立を却下した事例
離婚後親権者たる父(韓国人)が韓国にいて、その子(韓国人)に対して現実に親権を行使できない事案につき、韓国民法第932条の法定後見人の規定は、親権者の死亡した場合の規定であるから、本件には適用がないとして、法例第23条第2項により日本法を適用し母を後見人に選任した事例
協議離婚後母(無国籍者)から2人の子(中華民国人)の後見人選任の申立がなされた事案につき、協議離婚後の子の監護について別段の約定があると認定し、中華民国法第1051条により当該子の監護(親権)は申立人たる母が行使すべきであるとして、その申立を却下した事例
借地非訟事件に関する決定5件(その1)1 土地賃貸人が自ら建物および借地権の譲渡を受ける場合の対価と、これを第三者に譲渡すべき場合の対価との間に差異を認めるべきか 2 土地賃貸人が自ら建物および借地権の譲渡を受くべき旨の申立が認容された事例 (その2)1 譲渡の対象となる建物所有権が借地権者の単独所有でない場合と借地法9条ノ2第1項の許可申立適格 2 建物の譲渡に伴なう土地賃借権の譲渡が許可された事例 (その3) 増改築の承諾に代わる許可の申立が不適法として却下された事例 (その4) 附近の土地の利用状況の変化、準防火地域の指定、その他の客観的事情の変更を理由に借地条件を変更した事例 (その5)1 附近の土地の利用状況の変化等により借地条件を変更した 2 借地人が防火地域の指定された土地であることを知らずに非堅固建物所有を目的とする借地権の設定をした後、堅固建物所有を目的とする借地条件変更の申立ができるか
1 停止条件付代物弁済契約または代物弁済予約の形式を採った債権担保契約と債権者の清算義務 2 右契約上の権利者が目的不動産を債務者の所有物として差し押えた他の債権者に対して行使しうる権利の限度
検察官申請の証人の主尋問終了後反対尋問前に、刑訴法第300条の要件該当性の判断のため、刑訴規則第192条により、検察官に対し当該証人の検察官に対する供述調書の提示を命じた事例
数個の罪の中間に確定裁判があるため同時に2個以上の刑に処する場合に、全部の刑について初度の執行猶予を言い渡すための宣告刑の刑期