最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 内容検査不適当物については品物違の責任を負わない旨の倉庫証券約款の効力 2 封印された木箱入り緑茶が右約款の内容検査不適当物にあたるとされた事例
1 臨時工雇入契約につき期間の定めがないと認むべき事例 2 本工の労働協約の一般的拘束力は臨時工に及ぶか 3 臨時工の本工採用に当り実施したクレペリン検査及び面接試験の効果について判断した事例
1 労基法第24条第1項但書にいう「書面による」との趣旨 2 労働協約中の賃金控除に関する条項が労基法第24条第1項但書にいう協定と認められない事例 3 部分スト不参加者の賃金請求権の存否
1 公職選挙法第225条第3号の「特殊の利害関係を利用した」ことにあたる事実の判示として不備はないとされた事例 2 公職選挙法第225条第1号の「威力」と同条第3号の「威迫」との相違
夜間沿線に火災の発生したことを知った専用軌道を有する電車の運転士が警手不在の踏切を通過する場合に徐行すべき注意義務があるとされた事例
1 早稲田大学第2号館に入った行為が建造物侵入罪を構成するとした事例 2 違憲の主張は刑事訴訟法第335条第2項の法律上犯罪の成立を妨げる理由となる事実か
1個の判決により併合罪の関係にない数罪について各別に刑の言渡をした有罪判決に対し被告人より全部につき控訴のあった場合において、その一部について原判決破棄の理由があり、その余の部分について控訴の理由がない場合の控訴審の措置
会社のロック・アウトに対抗する斗争に当該会社の従業員が所属する産業別単一組織の労働組合の組合員が第三者として参加できるか
1 包装用紙箱に他人の真正の登録商標を印刷表示し、その商品を詰めて販売目的で所持する行為に対する適条 2 商品を収容する容器たる段ボール箱と商標法にいう「商品の包装」 3 同一人が正当な理由なく他人の登録商標を指定商品の包装に付し、かつ、譲渡のため所持する場合の罪数 4 訴因変更に関する釈明権行使不充分の事例 5 訴因変更を必要とした事例
青色、黄色、赤色に順次点滅し、青色の灯火が黄色に変る前2秒間人がウインクするように7回にわたって減光する信号機の適否
1 拳銃及び拳銃用実包購入の斡旋行為が銃砲刀剣類等所持取締法(昭和40年法律第47号による改正前のもの)第31条第1号の罪(拳銃所持罪)及び火薬類取締法第59条第2号の罪(拳銃用実包所持罪)の各幇助罪にあたるとした事例 2 1回の斡旋行為により3名の者に拳銃及び拳銃用実包の所持を容易ならしめた場合の拳銃所持幇助罪及び拳銃用実包所持幇助罪の罪数
銃砲刀剣類等所持取締法(昭和40年法律第47号による改正前のもの)第4条による猟銃所持の許可を受けた者が、右許可にかかる用途に供する場合でないのに、右許可を有しない者と共謀して、右猟銃を所持した場合における各共謀者の罪責
1 土地の管理を委任された者と管理のための法律行為をなす代理権 2 土地の賃貸と民法第103条第2号の利用を目的とする行為
1 供託官吏が供託物の還付請求につき形式的審査権限を有するにとどまるとされた事例 2 宅地建物取引業法第2条第1号にいう宅地には農地は含まれないとされた事例
継続的取引において残存債務額に争がある場合に債権者からの残存債務の請求に対し個々の取引を特定しないで一部支払がなされたときは、右支払が残債務全額を納得してなされたものでなくても残債務全額に対する内入とする趣旨で支払をなしたものであって、残債務全額の承認をしたと認めるべきである
同一所有権者に属する土地およびその地上の建物のうち建物のみにつき、代物弁済の予約が締結され、予約完結権行使によってその所有権が移転した場合と建物敷地の使用関係
不動産を買い受けその引渡しを受けた第一の買主が所有権移転登記を経由しないうち、第二の買主が所有権移転登記を経由した場合、第一の買主の取得時効の起算点はいつか
民法上の社団法人である旅客自動車協会の社員総会で、運転者の引抜きをした社員は元の雇主に対し一定の金銭を支払うべき旨を決議した場合の効力
1 民法第718条による損害賠償責任を認めた事例 2 子の受傷につき両親の慰藉料請求を棄却した事例 3 親権者の過失と民法第722条第2項の適用
無国籍であり、かつ、現在の住所地も居所地も判明しない父に対する認知請求の訴における父についての準拠法は条理とした事例
借地法10条による買取請求の場合、他に賃貸し、その賃料によって収益することを目的とする建物の時価はどのように算定するのが正当であるか
所有権を同一人とする二重の保存登記がなされた不動産を買受け、後の保存登記による所有権移転登記を受けた買主は前の保存登記による所有権移転登記を求める利益がある
債務者が確実な弁済資金の調達方法を講じたうえ、債権者に対し、たまたまその手中に存した右調達のための担保とすべき不動産の権利証の交付を求めたことが適法な弁済提供に当たると認めた事例
国電車輌内ですべって関節を捻挫した乗客の商法590条に基づく損害賠償請求につき、国鉄公社が「運送ニ関シ注意ヲ怠ラザリシコト」の証明責任を果さなかったとして、(過失相殺の上)請求を一部認容した事例
1 18才の子が原付自転車で惹起した事故につき、親の損害賠償責任を認めた事例 2 被害者の労働能力が少くとも80パーセント失われたものと認定された事例 3 歩行者たる被害者が横断歩道でない場所を通って道路(国道)を横断しようとした過失による過失相殺の程度 4 傷害被害者の妻に95万円の慰藉料を認めた事例
1 自動車の所有者たることとその運行供用者たる地位との関係 2 夫運転の自動車に同乗中衝突事故で死亡した妻の近親者からの損害賠償請求において夫の過失をもって過失相殺することの可否
白地手形であるか無効な手形であるかの判定 2 約束手形の振出人欄に署名捺印して他人に交付したが、手形債務を負担する意思があったと認められなかった事例
1 使用者が解雇の予告、予告手当の支払をしないので解雇通告をした場合に即時解雇を固執する趣旨でないときは労働者は予告手当または予告後30日分の賃金を請求し得る 2 労働基準監督署に予告手当の支払請求手続をしたことが解雇の承認と認められた事例 3 労働基準法114条の付加金支払義務は違反によって当然に発生するものではないとされた事例
1 労働委員会が救済命令において使用者に支払を命じる給与相当額の意義 2 使用者は労働委員会の審査中、労働者に中間収入ありと主張せず、救済命令取消訴訟においてはじめてこれを主張することができるか
1 労働組合の掲示板に掲示しうる文書の範囲 2 右掲示板に適法に掲示された文書の撤去命令に反抗したことを理由とする解雇の効力
別居の原因が夫の妻に対する虐待や遺棄に基づくものではないとして、「夫婦関係が破綻している場合の同居申立は却下すべきである」とした原審判を取り消したうえ同居を命じた事例
民法第30条第1項にいう利害関係人とは、失踪宣告を求めるについて重大な法律上の利害関係を有する者を指称するものであって、不在者の財産に関する賃借人程度は、右の利害関係人に含まれない。
夫婦関係が破綻に陥り差し当り到底円満な共同生活の回復を期待し得ない場合には、夫婦のどちらも他方よりの同居請求を拒否するについて正当な理由がある。
解決の余地ありとして夫に同居を命じ、かつ別居中夫は妻の生活費の不足分を支払う義務ありとした上、同居に関し家庭裁判所調査官による調整を受け得るものとした事例
家事審制規則第72条第1項によって準用される同規則第54条は単なる訓示規定ではないが、同規則第24条のように絶対的な効力規定でもなく、右両者の中間に位する一種の相対的効力規定であるとみるべきである。
事実上離婚していた女と他男との間に出生した子につき、その出生届前に民法第772条の推定をうける戸籍上の夫との間の親子関係不存在確認の第23条審判をした事例
夫婦別居後1年10ケ月経過して生れた子につき事実上離婚状態にあり、夫婦としての同棲交渉が欠如していることが外観的に明瞭である場合には、民法第772条にいう摘出推定をうけないとして家事審判法第23条により認知審判をした事例
いずれも事実上離婚状態にある男女が同棲して出生した子につき(その後両者婚姻)右男が先妻との間の摘出子として出生届をしている場合、戸籍上親子として記載のない右女の先夫と子との父子関係不存在確認審判とした事例
家事審判法第23条の審判手続において、当事者間に合意が成立しない場合に、当事者間において身分関係が明らかでありかつその原因事実について争のないときは、法第24条の審判手続に移行して審判を行い得るものと解し審判をした事例
米国人(ミズリー州)父母が子に代わって子の財産の処分行為をなす場合は、準拠法たる米国ミズリー州法によれば後見人を選任して行わせる場合にあたるが、わが家庭裁判所はかかる後見人を選任する権限はなく、この場合は日本法上の特別代理人を選任して行わせる場合に類似するとして特別代理人を選任した事例
米国人(オクラホマ州)夫と婚姻中の日本人妻が夫帰米し事実上の離婚状態にある間に日本において他男(日本人)との間に生んだ子につき、摘出推定をうけない子と認定した上認知の審判をした事例
労働基準法に違反した結果雇用の本質を害するに至った場合、または当該雇用関係の内容が常に労働基準法に違反しなければ実現できないような場合には、一応有効な雇用関係があると認められる場合でも、児童福祉法第34条第1項第9号にいう正当な雇用関係の正当性を欠くものと解すべきである。
収容継続申請事件について、精神衛生法上の強制入院措置により専門的医療保護機関の手にゆだねるのが必要不可欠であるとして、右申請を棄却した事例
私立大学の学生の行動が当該大学の教育方針と相容れないもので大学の秩序を乱し学生の本分に反するとしてなされた退学処分を有効とし、私立大学生としての身分確認請求を棄却した事例