最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 債権但保のための代物弁済予約上の権利は法定代位の目的となるか 2 第三者の取得後に弁済をする保証人と民法501条所定の代位の附記登記の要否
1 期間の定めのない根抵当権を設定した物上保証人は当該根抵当権設定契約を解約告知することができるか 2 期間の定めのない根抵当権を設定した物上保証人が当該根抵当権設定契約を解約告知することができる正当事由があるとされた事例
1 児童が道路上で遊ぶことについて親権者に監督上の過失がないとされた事例 2 子が重傷を受けた場合の父母の精神的苦痛について慰藉料請求が認められた事例
中小企業等協同組合法の「従たる事務所」として登記されていることから、直ちに当該事務所が同法にいう「従たる事務所」に当るとすることはできない。
1 受刑者の刑務所長に対する糧食給与行為の取消訴訟の適否 2 監獄法34条の意義 3 同法施行規則94条1項(改正前)は憲法25条1項、監獄法34条に違反するか 4 大阪刑務所長の給与した4等食糧食の適法性
日により使用した場所を異にし、使用した屋台の大きさも異なる場合における許可を受けないで道路で場所を移動しない屋台店営業をした罪の罪数
簡易公判手続を取り消して審理すべき事件について、これを取り消さない違法があっても判決に影響を及ぼすことの明らかと認められないとした事例
1 慣行上非農地証明書を発行する権限を有する農業委員会長が虚偽の非農地証明書を発行した場合における虚偽公文書作成罪の成否 2 不動産の表示に関する登記につき登記官吏が実質的審査権(自由裁量権)を有することと、公正証書原本不実記載罪の成否との関係
司法警察員あるいは検察官が被疑者取調中に発した言葉を利益の約束とみて、その影響下に作成された検察官調書の特信性に疑があるとし、その証拠能力を否定した事例
1 道路交通法違反現認報告書の証拠能力(その一部である現場略図と自動式速度測定器により作成されたテープは刑訴法第321条第3項所定の書証としての証拠能力を有する。) 2 被告人の司法警察員に対する供述調書を任意性に疑いありとし、その証拠能力を否定した一事例
1 職業安定法63条2号は憲法第31条に違反しない。 2 トルコ風呂におけるいわゆるスペシャル・サービスの業務は、職業安定法第63条第2号にいう「公衆道徳上有害な業務」に当るが、「公衆衛生上有害な業務」には当らない。
刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法に基いてなされた公告の表示と、現実に押収され没収の対象となっている物件とが、部分的に相違している場合に、全体として公告を有効とし、全対象物件の没収を認めた事例
警察官の行為が任意捜査の限界をこえた違法なものであるとし、これに対し、傷害を与えた行為につき過剰防衛の成立を認めた一事例
窃盗犯人が逮捕を免れるため包丁を突き出して家人を脅迫した行為について、当時の具体的状況を検討したうえ、準強盗罪の成立を否定した一事例
酩酊運転の訴因につき、道路交通法第117条の2第1号所定の「酒に酔い」(アルコールの影響により車両等の正常な運転ができないおそれがある状態にあることをいう。)車両等を運転したことを認めるに足る証拠はないとして無罪とした事例
公的扶助の補足性(私的扶養優先)の原則は、被扶養者の要扶養状態の判断に当り、同人が現に受けている生活保護法に基づく給付を考慮に入れることまで禁ずる趣旨ではない。
1 形見分けを受けることが民法第921条1号の相続財産の処分に当らないと認めた事例 2 相続人が第三者との間で結んだ被相続人の債権債務関係の処理の委任契約が公序良俗に反すると認めた事例
相続財産分与の請求が民法第958条の3第2項に違反し、相続人捜索の公告期間了前になされたとしても、相続権を主張する者なく期間が満了した場合には、適法な申立があったものと扱うべきである
韓国人未成年者の母の兄からの後見人選任申立につき、韓国法上先順位の法定後見人が韓国に居住するなどで有効に後見をつくせない場合には、傍系血族中の先順位者である申立人が法定後見人となるとして、その申立を却下した事例
親権者でない親の未成熟子に対する面接交渉権は、一方の親の親権および監護権の行使との関係で制約を受けることは当然であるとして、親権者である実父と継母の許で平和に過している未成熟子に対する定期的な面接を実母に認めた原審判を取り消し、その申立を却下した事例
重婚的内縁関係に入った者でも法律婚が事実上離婚状態にあることを認識したうえでなされ、その内縁関係に夫婦共同生活体の実体がある限り内縁解除につき責任のない者は財産分与の請求ができる。 2 内縁の成立継続は私法秩序の理想から望ましくないものであるから、すでに内縁関係が解除し、ないしは解消に瀕しているという客観的状況に関係なく、いつでも内縁の解消を求めて財産分与の請求ができる。
漸く3才に達したにすぎない幼児の養育にとって最も必要なものは母親の愛情としつけであるとして、父母離婚後、父の許で養育されてきた子の親権者を母親と定めた原審判を相当とした事例
戸籍法第113条による戸籍訂正の許可は、訂正事項が軽微で親族法上の身分関係に重要な影響を及ぼさない場合か、また戸籍の記載自体から記載事項が法律上許されないことの明確な場合に限り許さるべきである。
1 相続財産管理人選任審判後相続人があることが判明し、同人が相続を承認している場合は、選任審判を取消すべきでなく、家事審判規則第118条、第37条により選任を取消すべきである。前者に対しては違式の審判としてその実質的名宛人が即時抗告をすることができる。 2 英国人が日本人で財産を残して死亡した場合の相続に関する準拠法
離婚の点で意見の一致はあるが、子の親権者について協議が調わない場合に、離婚につき調停を成立させ親権者について別に指定審判をした事例
伯叔父母その他の親族であっても単に親族としての通常の交際をしていたにすぎない者は、民法第958条の3にいわゆる被相続人と特別の縁故があった者に該当しない
不当に少年の自由を拘束することにならない限り、収容継続決定をするにあたり、仮退院後の保護観察期間をも含めて収容期間を定めることは許される
1 過払賃金の事後の賃金からの控除と労働基準法第24条第1項 2 同項但書の「法令に別段の定がある場合」の解釈 3 本訴の相殺の抗弁の自働債権を反訴で訴求することの許否 4 反訴の適法要件としての牽連性