最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 学費滞納を理由とする除籍については、その旨の意思表示を要するか。 2 学費滞納によリ除籍された学生が、所定期間内に復学願を提出した場合当然学生たる身分を回復するか。
1 国家公務員の懲戒免職処分の処分説明書中処分の事由の記載方法 2 国家公務員の懲戒免職処分取消訴訟において行政庁は処分説明書に記載されていない事実を処分事由として主張できるか
1 連合国最高司令官の最高裁判所に対する解釈指示の効力 2 連合国最高司令官の指示が上位の法規範に違反するか否かの審査権の有無
1 国鉄の事業ないし業務は刑法第233条、第234条にいう業務に含まれるか 2 国鉄の業務と民営鉄道の業務との間の法律上の保護の差異と憲法第14条
土地売買契約の締結後、右土地の地目が変更した場合、買主は売主に対し所有権移転登記手続に併せて地目変更登記手続を求めることができるか。
1 弁護士法第25条第2号の法意 2 通常共同訴訟のうち一の訴に弁護士法第25条第2号違反の存する場合と他の訴訟の運命
途中解約の場合、損耗代金として一定金額を敷金から差引く旨の特約は火災により目的建物焼失による合意解約の場合に適用されるか
1 不動産の所有者から売却の委任を受けた代理人が相手方と通謀して売買を仮装した場合、相手方の買受の意思表示は民法93条の心裡留保か(積極)。 2 右の場合において同条但書の「相手方が表意者ノ真意ヲ知リ又ハ之ヲ知ルコトヲ得ベカリシトキ」との要件の存在しない事例
強制執行の委任を受けた弁護士がその執行にあたって過失により債務者に損害を加えた場合において債権者である本人に使用者責任を認めた事例
仮処分申請人の実用新案権を侵害するトランプの製造販売を、被申請人が中止している場合に、右製造販売禁止の仮処分の必要性が肯定された事例
1 関税定率法4条1項にいう「過税価格」の意義 2 関税法118条2項にいう「価格」の意義 3 外国為替及び外国貿易管理法6条1項1号にいう「非居住者」に当るとした事例
郵便局の集配課員が配達業務に従事中、携行していた現金在中の電信為替書留郵便を領得した行為について、窃盗罪ではなく業務上横領罪の成立を認めた事例
1 被害者を救護し、交通秩序に支障も生じていい場合と報告義務の存否 2 事故を起した自動車運転者から身代わりになることを頼まれた者が警察官に事故を報告した場合と右運転者の報告義務違反罪の成否
公正証書遺言には廃除意思が表明されているが、それは推定相続人の所為に対して被相続人が一時の激情にかられてなされたものであり、いまだに民法第892条所定の廃除原因に該当するとはいえないとした事例
1 精神障害者の保護義務者選任審判に対しては、その実体についての判断の当否を争って不服の申立をすることは許されない。 2 精神障害者の指定及び処遇は、原則として都道府県知事、精神病院長、精神衛生鑑定医等が行政処分としてなすのであるから、これに対する不服の申立は保護義務者選任審判に対する即時抗告をもってなすべきものではない。
親権者たる父の委託によりその妹夫婦が事実上養育監護している子について、母からなされた親権者変更の申立を子の福祉にならないとして却下した事例
一旦は未成年者の親権者を父と定めて離婚したが、その後復縁し再度の婚姻届出前に父が死亡した場合に、後見人を選任することなく、親権者を亡父から母に変更した事例
厚生省児童局発表の「児童養育費調査結果報告」および労働科学研究所発表の計算方式に基づき、離婚後他女と再婚している父親が先妻との間の未成熟子に対して支払う扶養料の額を定めた上その終期を子が18歳に達するまでとした事例
当事者に充分な資力がありながら遺産たる鉱業権の評価費用の予約に応ぜず、国庫で立替支出しても納付に、困難が予想され、かつ審理の経過に徴し当事者に手続遂行の熱意がないことを理由として遺産の一部である鉱業権を除外したうえ、その余の遺産について分割審判をした事例
遺産たる借地権及び建物がそれぞれ借地権返還代償金及び家屋移転補償金に変形し、それらを相続人の1人が横領している場合には、これに対する代償債権が遺産分割の対象となる。
1 相続財産から生じた収益は遺産分割の対象に含まれると解すべきであるが、収益の内容、実体を、調査確定するにつき相当の日時を要し、しかもこれを別途に処理するとしても分割基準の実現に著しい支障が生じない場合には、これを分離して遺産分割をすることが許される。 2 被相続人が妻の実家から金融をうけていたこと、あるいは永年共に農業に従事し、農地など相続財産の維持に協力した労に報いることなどのためになされた妻への生前贈与は、生計の資本として贈与されたものではないから特別受益にはならないとした事例
戸籍上の韓国人間の嫡出親子関係のうち母子関係不存在確認につき、法例第18条の趣旨は婚外親子関係一般の成立の問題に通ずる準則を表現するものであるとして同条を準拠法とした事例
韓国人夫と日本人妻間の婚姻解消後300日以内に出生した子につき、当該子の懐胎期間中夫婦間に同棲交渉が欠如していることが外観上明瞭であるとして嫡出推定を排除し、認知の審判をした事例
1 少年の保護事件においては、親告罪における告訴の有無は、なんら審判ないし保護処分を行なうについて、必要不可欠な条件ではない。 2 反対尋問等を経ない書証等を非行事実認定の用に供した違法があるという附添人の主張に対し、少年の保護事件は刑事事件とその手続面においても同一視されるべきではないとしてこれを排斥した事例
原決定に対し、不服であると抽象的にいうだけでは、抗告申立ての方式に関する規則所定の要件を具備せずかつ抗告趣意書が抗告提起期間徒過後に提出されたとしても、右抗告申立書の不適法を補正するものとは解されないとした事例
赤痢保菌者である少年に対し、少年の居室の措置などを具体的に指示して強制措置を許容し、事件を児童相談所長に送致した事例