最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 選挙の取締および罰則の規定違反は公職選挙法第205条第1項の「選挙の規定に違反する」ことに該当するか 2 選挙の取締ないし罰則規定違反の著しいときは、公職選挙法第205条第1項の「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合」に該当するか 3 公職選挙法第6条違反は選挙の無効原因となるか 4 公職選挙に際し違反選挙運動ないし妨害とみられる行為があったが、選挙無効の原因に該らないとされた事例
外国為替管理令第19条第1項第2項に該当する者が支払手段等の輸出入にあたって同令第20条の税関の確認を受けないことと外国為替及び外国貿易管理法第45条第70条第18号違反罪の成否
1 明治33年法律第52号(法人二於テ租税二関シ事犯アリタル場合二関スル法律)第2条と旧刑事訴訟法(大正11年法律75号)第36条第1項及び刑事訴訟法第27条第1項との関係 2 未成年者飲酒禁止法第4条第2項のいわゆる転嫁罰規定の法意 3 未成年者飲酒禁止法第4条第2項により営業者を処罰する有罪判決中に、営業者に過失ある旨を判示することの要否 4 未成年者飲酒禁止法第4条第2項にいう営業者が法人である場合、明治33年法律第52号第1条を準用することの要否
1 不動産賃借権は民法163条にいう「所有権以外の財産権」として、取得時効の対象となる 2 右賃借権の時効取得の要件
賃借人が賃借地を第三者に無断転貸し、転借人が右土地に建物を建築所有している場合、賃貸人はその明渡しを求めるためには、誰に対しどのような訴を提起すべきか
1 宗教団体法による寺院が民法602条所定の存続期間を超える土地賃貸借契約を締結しながら、同法10条1項所定の認可を得なかった場合と、民法130条の類推適用の有無 2 右契約は宗教法人令ないし宗教法人法の施行によって有効となるか
借地の賃料が借地人の営業における毎月の売上額の一定割合と定められている場合について、賃貸人の賃料増額請求を失当と認めた事例
「会社の承認を得ないで在籍のまま他に雇入れられたとき」懲戒解雇する旨の就業規則あるにもかかわらず、二重雇傭者の解雇を無効とした事例
被告人が法人であるとき、既にその代表者の資格を失った者が弁護人を選任し、裁判所がその代表者でない者を召喚して公判手続がなされた場合の訴訟手続の違背が破棄事由となった事例
塩酸ジアセチルモルヒネを含有する麻薬を譲渡したとの訴因につき、譲渡物件が右麻薬であったと認めるに足りる確証はないとされた一事例
1 満18才に達しないトルコ娘に接客行為をさせることを児童福祉法にいう児童の心身に有害な影響を与える行為であると認めた事例 2 トルコ風呂の経営者とトルコ娘との間に使用従属及び賃金支払関係があり、かつ、トルコ風呂の事業を接客業に該当するものと認めて労働基準法の適用を肯定した事例
自動車の運転状況を認定するうえで、自動車備付の運行記録計(通称タコグラフ又はタコメーター)が示した記録およびその解析結果の証拠価値につき判断を加えた一事例
家庭裁判所が家庭裁判所調査官をして申立人につき申立の実情及び事件についての希望意見等を調査せしめ、その結果に基づいて審判している場合は、家庭裁判所が申立人を審問しないで審判したからといって必ずしも不当であるとはいえない。
認知は、認知者と被認知者との間に父子の血縁関係が存在しないときは無効であるから、認知者はこれを知っていたか否かにかかわりなく民法第786条にいう利害関係人としてその無効を主張することができる。
別居の責任の大半が妻にある場合は、妻自身の生活費を夫が分担する義務はないが、子の生活費については夫婦間の事情如何にかかわらず、親である夫に婚姻費用としての分担義務がある。
婚姻費用分担義務は請求によって生ずるのではなく、身分関係の発生と同時に生ずるものであるから申立時以前の分についても支払いの義務がある
家庭裁判所に対して財産分与の申立があった場合には、特に慰藉料請求を除外する意思が明白でない限り慰藉料と財産分与とを併せ支払いを命ずべきであるが、慰藉料については既判力なく別に訴訟の対象となり得るものであるから、その範囲を明確にするため審判の理由中で慰藉料額と財産分与額とを区別して判示する必要がある。
子が幼児であって父母が離婚後互いに自己が親権者になることを望んで譲らない場合には、特段の事情のない限り母を親権者と定め監護養育させる方が子の福祉に適合するものである。
カナダ在住のカナダ人夫婦が日本人未成年者を養子とするにつき、法例第29条の反致が成立するとして日本法を適用して許可審判した事例
少年院法第11条第2項の「在院者の犯罪的傾向がまだ矯正されていないため少年院から退院させるに不適当である」とは、出院後帰住先に帰った場合の予後をも考慮して判定すべきである。
新潟県青少年保護育成条例第9条の「みだらな性行為」とは、行為の倫理性もしくは、反道徳性によって定めなければならず、人格的な交流を前提とする性交渉にまで概念を拡張することは妥当でないとした事例
家庭裁判所は、少年の14歳未満のときになした触法行為についても、審判時に14歳を超えていれば、都道府県知事等の送致がなくても審判権を有するとした事例