最も長い歴史をもつ判例実務誌
自動車運送事業の営業名義を貸与した者が名義借受人の雇傭する運転手のした自動車事故につき被害者に損害賠償責任があるとされた事例
1 債権者からの差押を免れるためにした不動産の仮装売買が不法原因給付にあたらないとされた事例 2 代表取締役の欠けている株式会社の訴提起と民訴法第58条、第56条の類推適用
1 会社に自己保有の自動車を提供した取締役の運行供用者責任を認めた事例 2 被用者が出向先で起した事故につき、出向元の使用者責任を認めた事例
1 将来の治療費の履行期 2 損害賠償請求の総額の範囲内で個々の財産的損害について当事者の主張を超えた額を認容することができるか
1 大阪府公衆浴場法施行条例(昭和25年条例第85号)第2条第3号は公衆浴場法第2条第3項、地方自治法第14条第1項によって認められた条例制定権の範囲を超えるか 2 公衆浴場法(昭和39年法律第121号による改正前のもの)第2条、前記条例および大阪府浴場審議会規則(昭和26年規則第18号)は憲法第22条に違反するか
1 公職選挙法第221条第1項第1号の供与等を共謀した者の間における金銭又は物品の授受と同条項第5号の交付又は受交付の罪の成否 2 右共謀にかかる供与等が行なわれた場合における供与等の罪と交付又は受交付の罪との関係 3 前記共謀にかかる供与等が共謀者間で授受された金銭又は物品の一部について行なわれた場合における供与等の罪と交付又は受交付の罪との関係
1 家政婦の有料紹介業を営んでいる者と、同人の紹介により家政婦を雇入れた者との間には、準委任契約が成立する 2 右の場合における紹介業者の負担する債務
土地の賃借権の譲渡契約が行われ地主がこれを承諾した場合、地主と譲渡人との間の賃貸借関係が、地主と譲受人との間に移転する時期
昭和37年法律第44号による改正前の所得税法の下において、課税年度経過後に貸倒れが生じた場合、納付済みの税金を不当利得として返還請求しうるか(徴税における発生主義と不当利得)
1 特定の土地につき「地上物を収去してその土地を明け渡す」旨の調停調書は、調停成立当時の全地上物の収去義務を表示したものである。 2 右調停調書にもとづく収去命令においては、収去すべき目的物を具体的に明示することを要する
1 道路左側に停車中の自動車の右側ドアを開扉する際の運転者の注意義務 2 右自動車の右脇を通過しようとする自転車を追い抜こうとする自動車運転者の注意義務
1 夫と他女間の子を養育して来た妻は、その子の事故死によって扶養請求権喪失の損害賠償を請求できるか(消極) 2 右の場合の妻の慰藉料請求(積極) 3 業務命令に違反して、同乗の助手に事故車の運転を委ねた運転者が、自賠法3条の「他人」にあたるとされた事例
農地買収取消訴訟と目的物占有者の取得時効の関係 民法160条の類推適用により右取消訴訟の判決確定後6ケ月間は時効が完成しない
1 交通事故(業務上過失致死)の事実を間接証拠により推断した事例 2 右被告人に対し禁錮刑の執行を猶予するを相当と認めた事例
近隣に呼称が同一で、字画も大部分類似した者が居住して、社会生活上支障をきたしている場合には、近隣と同姓同名の者がいる場合と同様、名の変更を許可すべき正当の事由がある
離婚に伴う財産分与審判において、夫の側の特別事情を考慮してその支払いにつき始期を1年4カ月先、分割の期限を60カ月にした事例
財産分与制度は、一般に夫婦関係解消に伴う慰藉料、解消後の扶養および夫婦関係継続中に取得した財産の清算等の内容を有し、専ら夫婦間の対内的関係を律するものとして考えられているから、夫婦関係の実体のある限り、たとえ内縁であっても財産分与を認めるのが相当である。
遺産たる土地と家屋のうち、土地が県の用地買収の対象となった場合には、遺産として相続の対象となるものは、右家屋と土地買収代金とであり、家屋等移転補償費(家屋の時価の約3倍)は、本件遺産分割により当該家屋を取得した相続人の所有となる
1 遺産分割審判事件において、相続債権者(金銭債権)は補助参加ならばともかく当事者として参加する余地はない。2 遺産分割審判は最も妥当な分割方法を裁量によつて定めるを主眼とし、結局最終的には民事訴訟により確定さるべき相続財産の範囲・特別受益の問題は、当事者弁論主義(任意処分主義)の理論に則り処理すべきものと解する。3 共同相続人の1人が立替えた共益費用、不当に処分した相続財産の評価額は、遺産分割手続において調整するを相当とする4、債務負担につき何らの保障なき分割方法は均分相続の精神に違背するので、遺産分割における債務負担は、即時に給付しうる範囲の金銭給付の調整に止めるべきであるとした事例
遺言により指定された遺言執行者が終始その就職を拒否し続けていることが明らかな場合には、民法第1010条にいわゆる「遺言執行者がないとき」に該当するものというべく、家庭裁判所は、右指定された遺言執行者を解任するまでもなく、利害関係人の請求によって直ちに遺言執行者を選任し得る
精神分裂病で入院中の夫を相手としてなされた離婚調停事件において、相手方が同病院でなした申立人との離婚ならびに相手方宅に保管中の申立人所有物件の返還に同意する旨の意思表示が真意に基づくものであると認めたうえ、家事審判法第24条により離婚にあわせて右物件の返還を命ずる審判をした事例
妻(中国人)が婚姻前に生んだ子と婚姻後事実上の離婚状態にある時に生んだ子とにつき、戸籍上の父子関係不存在の確認の審判をした事例
養子となるべき米国人未成年者(オハイオ州)は日本に住所を有しないが、養親たるべき米国人夫婦(フロリダ州)は、軍属として日本に居住する場合に、右夫婦の住所は日本にありと認定して日本に裁判管轄権を認め、かつ、準拠法上反致と認めた事例
度重なる反則事故で、約10年10カ月の少年院生活をしている本人に対し、犯罪的傾向はいまだ矯正されたとは認め難いとして約8カ月間の収容継続をした事例