最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 市長と約束手形振出権限の有無 2 市長がその権限をこえて約束手形を振り出した場合において当該振出行為を民法第44条第1項にいう職務を行なうについてされたものと認めた事例
1 手形債権の原因債権を自動債権とする相殺と手形交付の要否 2 手形債権の原因債権を自動債権とする訴訟上の相殺と手形交付の要否
1 特別権力関係における自律権と司法救済 2 地方公務員に対する分限処分と処分権者の裁量権の範囲 3 地方公務員法第28条第1項第3号にいう「その職に必要な適格性を欠く場合」の意義 4 勤務評定書提出遅延などを理由とする公立小学校長に対する分限降任処分が違法であるとされた事例
1 起訴後余罪について捜査の必要がある場合、検察官等は刑訴法第39条第3項の指定権を行使できるか 2 検察官等が右の権限があるものと誤解して刑訴法第39条第1項の接見を拒否したとき、不服のある者は準抗告を申し立てることができるか
1 指定商品を「コニヤック」として登録されている商標を和製の「ブランデー」に使用する行為の擬律 2 商標法第78条違反罪の罪数
1 警察の警備情報収集活動と大学自治との関係 2 3 大学の学生が警察官の右活動について釈明を求めるため、これを大学構内に連行しようとした暴力行為の可罰性の有無
亡母が自己の名において土地賃貸借契約を締結し、右土地所有者である子が積極的に賃貸人として行動した場合には、民法116条が類推適用される
1 建物収去土地明渡の確定判決は、土地賃貸借の終了を請求原因とするものであっても、原告が右土地の所有者であるときは、弁論終結後の地上建物取得者に効力が及ぶ 2 建物収去土地明渡の強制執行が権利乱用にあたるとした事例
1 ハイヤー後部トランクに積込まれた来客の手荷物運送の契約の性質(託送手荷物か、携帯手荷物か) 2 ハイヤー運転者が乗客の手荷物を後部トランクに積込む場合の注意義務
1 本人死亡後になされた死者名義の保存登記と相続人のまつ消登記義務 2 1個の申請に基づく共有登記中、一部の持分権者に関する部分が真実に反する場合と右部分の登記の効力の有無(消極)
裁判上の和解により期間の定めある建物賃貸借がなされ、右調書に「契約解除の場合は、賃借人は賃貸人に目的建物を明渡す。」旨の条項が記載されていても、右条項は、該賃貸借更新後の賃貸借の契約解除によっては建物明渡の債務名義たりえない。
1 「運転者にある程度の過失があった」旨の陳述の撤回が自白の撤回にあたらないとされた事例 2 追突を避け得ない場合でも、追突による被害の程度との関係で、自賠法3条但書に規定する運転者の無過失の証明がないとされた事例
所定の用紙様式によらず、また表題も誤ってはいるが、住民登録法上の届出と解しうる届出書を受理せず返戻することは、抗告訴訟の対象たる行政行為か
進路前方に工事用バリケードが設けられてあり、他の自動車が自車の直近右側を追越そうとしている場合において、自車の直近左側を進行中の原動機付自転車を追抜こうとする自動車運転者の注意義務
1 火薬類取締法17条1項にいう火薬類の譲り渡しの意義 2 下請工事に使用する火薬類の譲受ならびに消費許可を元請業者名義をもって受ける場合の元請業者の責任
犯人が被害者を2階事務所に連れ込み暴行脅迫を加え、被害者をしてその危害から身を守るために2階の窓から地上に飛び降りるに至らしめ、その衝撃により傷害を負わせた場合に傷害罪の成立を認めた事例
1 大学のクラブ活動において、新人練成のために許される有形力行使の限度 2 クラブの慣行となっていたため、許されるものと考えて、いわゆるシゴキ行為をした者の責任
右折中の貨物自動車の左側後部を対向してきていた第二種原動機付自転車の前部に衝突させたが、貨物自動車の運転手に過失が無いとして無罪を言渡された事例
遺産分割にあたっては、相続人の生活維持に支障をきたさぬよう配慮すべきであるが、遺産の総量その他一切の事情を考慮してなす遺産分割の性質から、それが困難になる場合があっても止むを得ない。
1 認知請求訴訟係属中、その判決確定前に、婚外子から父に対してなされた扶養請求事件において、家庭裁判所が右認知請求を正当と判断した上、父の負担すべき扶養料を定めた事例 2 申立以前の過去の扶養料は、損害賠償もしくは不当利得として請求すべく、また将来の扶養料はその終期を定めないのが相当である。
老齢の親に対する成熟子の扶養料算定にあたり、過去高等教育まで授けられた事情等を参酌して、所謂生活保持義務の範囲でこれを定めた事例
1 現行法における遺産分割制度は清算的要素を含まないから、費消された遺産に属する現金、保有米その他遺産に関する税金、葬儀費用、居宅改造、修理費等については相続人間で遺産分割審判とは別個に清算すべきである。 2 遺産分割審判において、現に遺産たる建物に居住中の相手方が移住先を準備するに必要な期間に限り、右建物を取得する申立人に対し、そのうちの1室を無償で使用させる義務を課した事例
申立人等が被相続人の親族として、生前よりその母、祖母等を含めた不遇な家族のために協力扶助してきたと主張する事実は、近隣に住む親族としての通常の扶け合いの域を出ず、いまだ民法第958条の3にいう特別縁故者に該当するものとはいえないとした事例
相続財産の全部を現状のままで与えて特別縁故者の生業の資とするのを適当とする場合には、与えられるべく財産を限度として、分与を受ける者に相続財産管理人の報酬金、管理費用を支払わせるのが相当であるとした事例
1 収容継続申請事件に対する抗告申立てを適法と認めた事例 2 犯罪的傾向がそれほど著しくなく、年齢もおおむね20歳でれば、20歳を超えて中等少年院に収容しても少年院法2条の法意に違反しない。