最も長い歴史をもつ判例実務誌
抵当権設定登記および同登記より順位の劣後する所有権移転請求権保全の仮登記がなされた不動産に対し旧国税徴収法による滞納処分の例による公売処分がなされた場合と右所有権移転請求権の消長
抵当権設定登記後に当該不動産について所有権移転請求権保全の仮登記を経由した者と、その後に登記された抵当権の実行による競落人との優劣
所有権保存登記およびその後順次経由された所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟において一部の被告に敗訴した場合におけるその余の被告に対する請求についての訴の利益の有無
1 身体傷害に基づく損害賠償(治療費)請求訴訟についての既判力の客観的範囲 2 身体傷害に基づく損害賠償(治療費)債権についての消滅時効の起算点
1 占領地の私有財産没収禁止の原則は国際法上の強行法規か 2 降伏文書と連合国総司令部の昭和23年3月1日付日本政府宛覚書「解散団体所属財産の処分に関する件」との関係
1 昭和25年東京都条例第44号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例第5条の合憲性 2 右条例第1条の改正と刑の廃止の有無
1 執行吏が債権者たる会社の職員を補助者に使用することは、執行吏執行等手続規則第14条に違反するか 2 刑法第95条第1項にいう暴行脅迫の程度およびその客体
1 国家公務員法98条5項の争議行為 2 同法110条1項17号の「あおり」行為 3 右「あおり」行為と共謀共同正犯の成否
1 訴訟費用確定決定に関する手続と狭義の弁論主義の原則の適用の有無 2 弁護士が同一期日に数個の別個の事件の訴訟代理人として出頭した場合、訴訟費用に加えるべき日当の額
1 賃借人のある建物について買取請求権が行使された場合における主文例 2 建物賃借権の主張がないものと認められた事例
商品仲買人が顧客から買付委託を受けた商品につき委託者の指示による決済がないため、東京殻物商品取引所受託契約準則に基づき手仕舞取引をした場合に、右取引について委託手数料を請求しうるか(積極)
建物を代物弁済に供したのち債務者またはこれに準ずる者が建物敷地の所有権を取得して建物収去土地明渡を求めることと信義則の適用
1 有体動産仮差押執行として標目票貼付の方法が不適当とされた事例 2 第三者所有の動産に対し強制執行をした執行債権者(会社の代表者)と執行吏の共同不法行為が認められた事例
宗教法人法第23条及び売主たる寺院の寺則に反する寺院の境内地の売買契約につき、寺院において、その無効を主張することが信義則に反し許されないとした事例
1 雨天で濡れた路面を走行する自動車が停車する際の運転手の注意義務 2 自動車の破損による積極的損害の他に、代替新車購入までの逸失利益の賠償を認めた事例
1 事故のため左下腿部を切断した児童(10才)の逸失利益を算定した事例 2 右児童の慰藉料額 3 大衆食堂経営者の事故による収益減の算定につき、事故後の同業者の出現を考慮した事例
1 法人が、その代表者に対して、無利息で金員を貸与した場合に、その貸与額に対する年1割の利息相当額を役員に支給した認定賞与と認めてこれを法人の益金に加算し、法人税の課税標準所得とすることと租税法律主義、罪刑法定主義(理由3) 2 法人税の対象たる所得は、請求権の発生をもって足るか(理由4) 3 法人税逋脱罪の犯意(理由5) 4 青色申告の承認が取消された結果、所得となった分について、法人税逋脱罪が成立するか(理由5)
1 労働組合の組合員に対するいわゆる動員費の支給と供与罪の成否 2 法定外文書の頒布罪が成立する事例 3 労働組合の組合員のいわゆる点検活動と戸別訪問の成否
1 相続人の一部に異議がある以上、遺産の範囲を確定せずに相続人間で異議のない一部遺産についてのみ遺産分割することは特段の事情なきかぎり許されない 2 遺産より生じた不動産賃貸料(管理費用を差引いたもの)も遺産分割審判の対象とすべきである 3 原審が相続人間の対立感情融和のためにとった共有形態による分割は、むしろ適切ではなく、換価分割又は単独所有債務負担の方法による分割の方が紛争のより抜本的解決になるとして原審判を取消し差戻した事例
1 相続人の1人が遺産たる不動産に設定された被相続人の抵当債務を弁済し、更に被相続人および他の共同相続人の扶養と被相続人の葬式費用の負担にあたった等の事情は、遺産分割にあたり考慮すべきではない。 2 家事審判規則第109条により現物分割を受けた相続人が他の相続人に対して負担する債務につき、一定期間支払の猶予を受けたりすることは、相続人間の公平を害し、相続分に応じてなすべきものとする遺産分割の本旨に反する。
婚姻費用の分担額を定めるに際し、分担義務者が個人会社の代表取締役でその収入を明確にすることが不可能の場合には、必ずしもこれを確定することを要せず、相当程度幅のある認定をもって足りる
親権者である父が稼働能力なく、生活保護を受けている状態の下の未成年者から、母方祖父に対してなされた扶養請求を、祖父に扶養能力の不足していること等を考慮の上、祖父孫間の愛情による将来の援助に期待すべきものとして却下した事例
法人も包括受遺者としての能力を有するから、全遺産が被相続人の設立した株式会社に遺贈された以上、分割すべき遺産がないこととなり、相続人からなされた遺産分割の申立は却下のほかない。