判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.1452


  • 大阪民事実務研究会
    不貞慰謝料請求事件における過失の認定について

    林田敏幸   

    第1 はじめに
    第2 不法行為における過失の構造
     1 過失の本質
     2 過失の判断基準
     3 注意義務を決定する基準
     4 予見可能性
     5 過失の判断基準時
    第3 不貞慰謝料請求をめぐる判例・学説の概観
     1 学説
     2 判例
    第4  不貞慰謝料請求事件における過失判断(裁判例の分析・検討)
     1 検討の対象
     2 予見の対象
     3 過失の存否が問題となる場合
     4 相手方に配偶者がいないと誤信した場合
     5 相手方に配偶者がいることは認識していたもののすでに婚姻関係が破綻していると誤信していた場合
    第5 おわりに

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:5
  • 犯罪捜査のための通信傍受に関する規則の概要

    内山香奈   

    はじめに
    第1 傍受令状請求書の記載事項(3条)
     1 第1項5号
     2 第1項11号
     3 第1項12号
    第2 資料の提供・法第4条等(4条)
    第3 傍受令状の記載事項(5条)
    第4 記録媒体の封印の方法(8条)
    第5 傍受の原記録の提出(9条)
    第6 傍受の実施の状況を記載した書面等の記載事項(11条)
     1 第2項
     2 第3項
     3 第4項
    第7 その他の形式的な改正

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:26
  • 最高裁第二小法廷平30.4.18決定

    株券が発行されていない株式(振替株式を除く。)に対する強制執行の手続において配当表記載の債権者の配当額に相当する金銭が供託され,その供託金の支払委託がされるまでに債務者が破産手続開始の決定を受けた場合における破産法42条2項本文の適用の有無

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:30
  • 最高裁第三小法廷平29.12.19決定

    賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において,当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に,当該賃借人が上記吸収分割がされたことを理由に上記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することが信義則に反し許されないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:35
  • 最高裁第三小法平29.12.12判決

    1 日本国外で合意されたテレビ用ブラウン管の販売価格に係るカルテルを行った事業者に対し,我が国の独占禁止法の課徴金納付命令に関する規定の適用があるとされた事例
    2 日本国外で合意された販売価格に係るカルテルの対象であるテレビ用ブラウン管が外国法人に販売され日本国外で引渡しがされた場合において,当該ブラウン管の売上額が独占禁止法7条の2第1項所定の当該商品の売上額に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:40
  • 最高裁第一小法廷平29.12.7判決

    自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ,売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後,購入者の破産手続が開始した場合において,保証人が留保所有権を別除権として行使することの可否

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:51
  • 最高裁大法廷平29.11.29判決

    強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:57
  • 最高裁第二小法廷平29.3.27決定

    参考人として警察官に対して犯人との間の口裏合わせに基づいた虚偽の供述をする行為が刑法(平成28年法律第54号による改正前のもの)103条にいう「隠避させた」に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:62
  • 最高裁第三小法廷平28.12.9判決

    郵便物の輸出入の簡易手続として税関職員が無令状で行った検査等について,関税法(平成24年法律第30号による改正前のもの)76条,関税法(平成23年法律第7号による改正前のもの)105条1項1号,3号によって許容されていると解することが憲法35条の法意に反しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:67
  • 最高裁第一小法廷平28.6.21決定

    1 児童福祉法34条1項6号にいう「淫行」の意義
    2 児童福祉法34条1項6号にいう「させる行為」に当たるか否かの判断方法

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:72
  • 福岡高裁平29.7.12決定

    夫である抗告人が,妻である相手方に婚姻費用の減額を求めた事案において,抗告審で,抗告人による婚姻費用の支払を定めた前回審判後,相手方が給与収入を得るようになったことは婚姻費用を減額すべき事情の変更であるとして減額を認めた原審を相当とした上,原審の申立て時期に遡って婚姻費用を減額するため,同時期以降,抗告人が前件審判に従って支払った婚姻費用の過払部分につき,相手方に対し,同人の生活に配慮して分割支払による精算を命じた事例

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:76
  • 知的財産高裁平30.1.15判決

    1 日本法人が保有していた情報の使用又は開示が日本国内において行われた場合,情報の使用及び開示の差止め等の請求は,結果発生地である日本法が準拠法になる
    2 不競法2条1項8号所定の「重大な過失」とは,取引上要求される注意義務を尽くせば,容易に不正開示行為等が判明するにもかかわらず,その義務に違反する場合をいう

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:80
  • 東京地裁平29.12.7判決

    1 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成25年法律第83号による改正前のもの)3条1項により指定された特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシー事業)に係る経営許可の申請について,収支計画上の営業収入が当該申請に係る営業区域で当該運輸開始後に新たに発生する輸送需要によるものであることが明らかであるものに限り許可することを内容とする「特定地域の指定及び特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化の推進のために監督上必要となる措置の実施について」(平成21年9月30日付け関東運輸局長ほか公示)の法適合性
    2 一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシー事業)の経営許可申請却下処分の取消しの訴えに併合された同許可の義務付けの訴えに係る本案要件の有無の判断の前提となる法令及び事実関係

    引用形式で表示 総ページ数:43 開始ページ位置:88
  • 大阪地裁平29.12.20判決

    公立小中学校等の教職員の職員団体が分会会議を開催する目的でした学校施設の目的外使用許可申請に対し,労働組合等への便宜供与を禁止した市の条例に基づきこれを不許可とした校長らの処分について,裁量権の逸脱及び濫用はなく適法なものであるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:131
  • 大阪地裁平30.3.30決定

    大阪府の住民が,北朝鮮によるミサイル攻撃を受ける危険を理由として,高浜原発の差止を求めた事例

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:143
  • 大阪地裁平30.3.1判決

    飲食店の店長が過重な労働に従事したことによりうつ病を発症して自殺したことを認め,同店を経営する会社や役員の損害賠償責任を肯定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:24 開始ページ位置:155
  • さいたま地裁熊谷支部平30.2.5判決

    スノーボードでの滑走中の衝突事故について,①コース上方(後方)を滑走していた被告に過失が認められ,②同事故により負傷した原告が,脳脊髄液減少症を発症したと認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:179
  • 福井地裁平29.9.27判決

    廃棄物の最終処分場における産業廃棄物の処分を他人に委託した者が,当該最終処分場における廃棄物の不適正な処理の結果生じる生活環境保全上の支障の除去のために必要な措置を講じた場合に,当該措置に要した費用につき,当該最終処分場における一般廃棄物の処分を他人に委託した者との関係で,事務管理に基づく有益費償還請求権が認められるか否か

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:192
  • 東京地裁平29.7.10判決

    婚姻費用の支払を求める訴えにつき,当事者間で分担額の合意が成立したとは認められないから,家事事件手続法の定めるところに従い家庭裁判所が当事者の資産,収入その他一切の事情を考慮して決定すべきであり,地方裁判所の判決手続で判定することができない事項を対象とする不適法な訴えであるとして,訴えを却下した事例

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:206
  • 東京地裁平29.3.27判決

    1 地方公共団体の担当職員が,住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税の特例が適用されるべき土地について,これを適用せずに評価を行って固定資産税等を賦課したことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとした上で,過失相殺における納税義務者側の過失割合を4割とした事例
    2 課税客体の把握方法として航空写真方式を採用することについての合理性を認めた上で,航空写真の判読により外観上の変化を把握することができ,これを課税客体の異動の可能性の端緒として実地調査を行うことで,用途の変更の事実を捕捉できたのにこれを怠ったとして,同担当職員の過失を肯定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:214
  • 東京地裁平29.3.23判決

    1 下顎智歯の抜歯に際し,歯科医師に,抜歯以外の治療方法の選択肢及び舌の知覚・味覚障害の後遺症が残るリスクがあることに関する説明義務違反が認められた事例
    2 抜歯の際に生じた舌神経の損傷による知覚・味覚障害の後遺障害と上記説明義務違反との間の因果関係が肯定され,休業損害,逸失利益,慰謝料等の損害が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:229
  • 東京地裁平29.1.30判決

    1 都税事務所の職員による固定資産税等の賦課徴収行為について,国賠法1条1項の職務上の注意義務違反を認めた事例
    2 都税事務所の職員の注意義務違反が,納税者の申告等に基づいて把握することが予定されている事情に基づくものではなく,もっぱら担当職員らが行う実地調査により判明する事情に基づくものであるため,納税者に過失があるとはいえないとされた事例
    3 違法な賦課処分がされた場合,その納税通知書の到達により賦課処分の効力は発生するものの,その後,納税者が当該賦課処分に従って納付することで加害行為が終了するといえるので,その時点を除斥期間の起算点とすべきとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:239