最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
1 知財高裁における国際交流
2 国際知財司法シンポジウム2018の概略
3 プログラムの概要
4 日本の特許制度
5 模擬裁判の内容と目的
6 国際シンポジウムの意義
7 シンポジウムへの参加申込み
[目次]
第1 今回取り扱う2件の事件について
第2 大分地裁事件の概要
第3 大分地裁事件の検討
1 死因,法医学鑑定の位置づけ
2 認定論の若干の整理
3 本件における争点整理について
第4 小倉支部事件の概要
第5 小倉支部事件の検討
1 当事者間に争いがない部分の立証について
2 専門家証言と客観的事実との整合性について
1 内閣官房報償費の支出に関する報償費支払明細書に記録された調査情報対策費及び活動関係費の各支払年月日,支払金額等を示す情報が,情報公開法5条3号又は6号所定の不開示情報に該当するとされた事例
2 内閣官房報償費の支出に関する政策推進費受払簿,出納管理簿及び報償費支払明細書に記録された政策推進費の繰入れの時期及び金額,一定期間における政策推進費又は内閣官房報償費全体の支払合計額等を示す情報が,情報公開法5条3号又は6号所定の不開示情報に該当しないとされた事例
1 国境を越えて日本への連れ去りをされた子の釈放を求める人身保護請求において,意思能力のある子に対する監護が人身保護法及び同規則にいう拘束に当たるとされた事例
2 国境を越えて日本への連れ去りをされた子の釈放を求める人身保護請求において,拘束者が国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づく子の返還を命ずる終局決定に従わないまま子を監護することにより拘束している場合における,拘束の顕著な違法性
改良住宅の入居者が死亡した場合の使用権の承継について定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項と住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条
高速道路の巡回,管制,取締等交通管理業務を行うことを主な事業内容とする会社に勤務し巡回等の業務に従事していた労働者が自殺したことについて,上記労働者は,その上司からひどい嫌がらせ,いじめを受けたことによる強い心理的負荷により自殺直前頃うつ病を発症し,うつ病が原因となって自殺をしたものであり,上記労働者の死亡は,労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たるとした事例
共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権をいずれも遺産分割の対象とした上で,遺産のすべてを相続人の1人に取得させた事例(同預貯金債権の遺産分割対象性に関する最高裁大法廷決定の差戻審決定)
成年後見人である司法書士が預かり保管中の成年被後見人の預金等から金員を払い戻して着服する横領行為をしたところ,成年被後見人の相続人の一人である原告が,家庭裁判所の後見監督等に違法があるとして,国家賠償法1条1項に基づき,横領行為による損害額等の支払を求めた事案について,裁判官による成年後見人の後見事務の監督につき職務上の義務違反があるとして国家賠償法上の損害賠償責任が肯認されるためには,裁判官が違法若しくは不当な目的をもって権限を行使し,又は裁判官の権限の行使の方法が甚だしく不当であるなど,裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使し,又は行使しなかったものと認め得るような特別な事情があることを必要とすると解するのが相当であるところ,本事案においてはこのような事情が認められないとして,原告の請求を棄却した事例
相手方による不法な留置の開始がハーグ条約実施法施行後であると認定した上,同法28条1項3号の返還拒否事由の主張等を排斥して,子の常居所地国(カナダ)への返還を命じた事例
ハーグ条約実施法28条1項4号及び5号の返還拒否事由の主張を排斥し,子の常居所地国(アメリカ合衆国)への返還を命じた事例
窃盗保護事件により少年を第1種少年院に送致した決定に対する抗告審において,非行の内容,前歴関係,生活状況や保護者の監護状況などに鑑みると,試験観察に付すなどして在宅処遇と施設内処遇の優劣を検討する余地があるとして,直ちに第1種少年院に送致した原決定を処分の著しい不当を理由に取り消して差し戻した事例
労作性狭心症を申請疾病とする原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定申請に対する却下処分が違法であるとして取り消された事例
県職員に対して知事がした懲戒処分に係る審査請求の審理手続に関し,申立てから約34年を経た後においても,申立人において審査請求を取り下げる意向がないことが明らかになっていたにもかかわらず,更にその約5年後に至って審理を開始したなどの事情の下においては,裁決行政庁が,知事から提出された答弁書等に係る主張を時機に遅れた主張として排斥しなかったことは裁量を超えるものであり,このような審理に基づいてされた裁決には固有の瑕疵があるとされた事例
1 生活保護法10条本文にいう「世帯」の同一性を認めた事例
2 同条ただし書にいう「これによりがたいとき」に当たらないとされた事例
1 国土交通大臣等には,保障契約の真正性を契約書により判断すると共に,保険金の支払条件,保険金額,保険会社による支払が担保されているかなど,油賠法の要件に適合するか否かについて形式的に審査する権限しか与えられておらず,それを超えて保障契約の有効性について審査すべき油賠法上の権限は与えられていないと言わざるを得ない。したがって,国土交通大臣等には保障契約の有効性について審査すべき油賠法上の義務もない
2 申請者に対して保険者が保険料を受領したことが確認できる書面の提出を求めることは,油賠法及び油賠規則上に根拠のない相手方の任意の同意・協力を要請する事実上の行為であり,当該書面の提出を求めるか否かは,原則として,行政機関の公益的見地に立った政治的,技術的裁量に委ねられているということになる。したがって,これを怠ったからといって,原則として職務上の義務違反として違法となることはないというべきである
コンビニエンスストアのフランチャイザーがフランチャイジーの既存店舗と商圏の重なる場所に経営戦略の一環として新規出店したこと(いわゆるドミナント出店)が本件の事実関係の下では当該フランチャイジーに対する関係で債務不履行にも不法行為にも当たらないと判断された事例
マンションの底地の賃貸人が,建築確認において敷地の一部とされた隣地部分を第三者に売却したことが,マンションの区分所有者が当該隣地を敷地として利用することに協力すべき信義則上の義務に違反するとして,不法行為に基づく慰謝料請求を認めた事例
不動産の所有権移転登記手続を委任された司法書士について,売主の本人確認を怠った職務上の注意義務違反は認められないとされた事例
会社の取締役の行為につき,重要な財産の処分ないし譲受け(会社法362条4項1号)該当性,利益相反取引(同法356条1項2号)該当性等が問題になった事例