最も長い歴史をもつ判例実務誌
第1 はじめに
第2 準共有株式の権利行使をめぐる問題の全体像及び平成27年最判以前の議論の状況
1 権利行使者の指定・解任の方法に関する問題
2 権利行使者の指定及び通知がされた場合における権利行使の方法に関する問題
3 権利行使者の指定及び通知がされなかった場合における権利行使の方法に関する問題
第3 平成27年最判
1 事案の概要
2 裁判所の判断
3 検討
第4 平成27年最判によってもなお残された問題
1 権利行使者の指定に当たっての協議の要否
2 権利行使者の解任方法
3 平成27年最判と昭和53年最判との関係
第5 おわりに
はじめに
Ⅰ 嫡出否認の訴えにかかる現行制度の問題点
1 現行制度の基本構造
2 訴え提起権者の範囲拡張の必要
Ⅱ 父子関係不存在確認の訴えを受けた裁判所の正しい対応
1 嫡出推定が成立している場合
2 嫡出推定が排除される場合
Ⅲ 合意に相当する審判の制度の否認
1 序説―嫡出否認制度回避の実務慣行
2 制度の恣意的構造
3 制度の違憲性―その一
4 制度の違憲性―その二
大阪府工業用水道事業供給条例(昭和37年大阪府条例第4号)23条,同条例施行規程(同年大阪府営水道企業管理規程第1号)21条の規定により工業用水道の使用を廃止した者が納付しなければならないとされる負担金の地方自治法224条,228条1項にいう「分担金」該当性
訴訟費用のうち一定割合を受救助者の負担とし,その余を相手方当事者の負担とする旨の裁判が確定した後,訴訟費用の負担の額を定める処分を求める申立てがされる前に,裁判所が受救助者に猶予した費用につき当該相手方当事者に対して民訴法85条前段の費用の取立てをすることができる額を定める場合において,その額につき,受救助者に猶予した費用に上記裁判で定められた当該相手方当事者の負担割合を乗じた額とすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
1 遺留分減殺請求において,被代襲者が生前に受けた特別受益が,被代襲者の死亡後に代襲相続人となった者らの特別受益に当たるとされた事例
2 推定相続人でない者が被相続人から贈与を受けた後に,被代襲者の死亡によって代襲相続人としての地位を取得した場合には,特段の事情がない限り代襲相続人の特別受益には当たらないものの,上記贈与が実質的には被代襲者への遺産の前渡しとも評価しうる特段の事情があるとして,特別受益に当たるとされた事例
ゴルフ会員権の売買契約が売主の錯誤により無効であり,売主には当該錯誤について重大な過失があるが,買主も当該錯誤について共通の錯誤に陥っていたことから,売主が当該錯誤を主張できるとされた事例
心斎橋通り魔事件
覚せい剤精神病にり患し,「刺せ刺せ」などの幻聴があった被告人が白昼の繁華街において無差別に2名の通行人を包丁で突き刺すなどして殺害した殺人等被告事件につき,被告人に完全責任能力を認めて死刑を言い渡した一審判決に対し,弁護人が,_xDC85__xDC40_裁判員法の憲法違反等を理由とする訴訟手続の法令違反, _xDC85__xDC41_被告人に完全責任能力を認めた点に関する事実の誤認及び_xDC85__xDC42_量刑不当を主張した控訴審において,一審判決が量刑不当を理由に破棄され,被告人に対し無期懲役刑が言い渡された事例
事業者の供給する商品に係る表示が不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの。以下同じ。)4条2項により同条1項1号に規定する実際のものよりも著しく優良であると示す表示等とみなされるとして同法6条に基づいてされた措置命令の取消訴訟においては,同法4条2項に基づいて当該事業者が当該商品に係る表示の根拠として提出した資料が同項に規定する当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料に該当するか否かが審理の対象となる
2 不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの)4条2項に基づいて事業者がその供給する商品に係る表示の根拠として提出した資料が,同項に規定する当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料に該当しないとされた事例
3 事業者の供給する商品に係る表示が不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの。以下同じ。)4条2項により同条1項1号に規定する実際のものよりも著しく優良であると示す表示等とみなされるとして同法6条に基づいてされた措置命令が適法とされた事例
歯科医師である顧客に対して行われた証券会社従業員の信用取引についての勧誘が適合性原則を逸脱した違法なものであったとはいえないとされた事例
2 証券会社従業員の勧誘により行われた信用取引が,実質一任売買であったとはいえないものの,社会的相当性を著しく逸脱した過当取引に当たるとされた事例(過失相殺6割)
化学物質過敏症に罹患している旨説明していたにもかかわらず,事前通告せずにシロアリ駆除の薬剤を散布した従業員の行為に過失があるとされた事例
土地所有者に成りすました人物に対し,土地の売買代金の一部を支払ったとする原告が,同契約を仲介した仲介業者,所有権移転登記申請を行った司法書士及び委任状を認証した公証人に注意義務違反があったと主張したが,いずれも認められなかった事例
いわゆる危険ドラッグの影響により,正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し,正常な運転が困難な状態に陥って被害者を死傷させたとして,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条1項の危険運転致死傷罪の成立が認められた事例