最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 はじめに
2 シンポジウムの概略
3 シンポジウム開催の背景
4 シンポジウムの目的
5 シンポジウムの内容
6 模擬裁判の内容
7 おわりに
[目次]
Ⅰ 問題の所在
1 論点
2 民事訴訟における訴額算定の概要
Ⅱ 住民訴訟の目的と機能
1 民衆訴訟・客観訴訟としての住民訴訟
2 民衆訴訟としての住民訴訟の目的と機能
3 住民訴訟における違法財務行政是正請求権
4 住民訴訟の訴額に関する基本的考え方
Ⅲ 訴額に関する判例及び学説
1 判例
2 学説
Ⅳ 住民訴訟における訴額の算定
1 訴額算定の対象である住民訴訟の「請求」とは
2 論点①―非財産権上の請求であることについて
3 論点②―監査請求個数説
4 財務会計個数説の誤り
Ⅴ 結論
地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち死亡した職員の夫について一定の年齢に達していることを遺族補償年金の受給の要件としている部分と憲法14条1項
戸籍法104条1項所定の日本国籍を留保する旨の届出について同条3項にいう「責めに帰することができない事由」があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
町有地が条例又は議会の議決によらずに適正な対価なくして売却されたとしてその当時の町長に対する損害賠償請求が認容された事例
1 権利能力なき社団たるマンション管理組合とその構成員たる各区分所有者との間のマンション管理に関する法律関係に対し,委任契約に関する民法645条(受任者の報告義務に関する規定)の類推適用が相当とされた事例
2 上記の場合において,各区分所有者は,マンション管理規約に明文の定めがない場合であっても,民法645条に基づき,管理組合に対し,管理組合がマンション管理業務について保管している文書(会計帳簿やその裏付けとなる原資料を含む)の閲覧及び閲覧の際の当該文書の写真撮影を請求する権利を有するとされた事例
日本国内の自国の総領事館において自国の方式により婚姻した外国人からの婚姻届出を受理しなかった日本の区長の処分が違法,不当といえないと判断された事例
1 いわゆる現金送付型の特殊詐欺事案において,受け子につき詐欺の未必的故意を認めた事例
2 いわゆる「騙されたふり作戦」が行われた特殊詐欺事案において,受け子につき詐欺未遂罪の共同正犯の成立を認めた事例
職務質問に伴う所持品検査により発見された覚せい剤及びその現行犯逮捕による身柄拘束中に差し押さえられた尿の各鑑定書について,原判決が違法収集証拠の主張を排斥して証拠能力を認めたのに対し,所持品検査に関する原判決の認定は,証拠を正しく理解しないか評価を誤った不合理なものであり,所持品検査の違法は重大であることなどを理由に,上記各鑑定書の証拠能力を否定して, 原判決を破棄し, 無罪を言い渡した事例
1 健康保険組合がその運営する事業の用に供するために所有する家屋の一部につき,地方税法348条2項11号の4にいう「診療所において直接その用に供する固定資産」及び「政令で定める保健施設において直接その用に供する固定資産」に当たらないとされた事例
2 地方税法348条4項にいう「事務所」の意義
特別区の議会において,本会議における無所属議員の一般質問の時間を年間20分とすること等を内容とする時間制を定める議会運営委員会の申合せがされた場合において,無所属議員が上記時間制に基づき質問を制限する処分の差止め及び質問を制限されない地位にあることの確認を求める訴えが,裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に当たらないとされた事例
租税債務者から買い受けた不動産の代金に係る詐害行為取消請求に基づく価額賠償請求権を被保全債権とする当該不動産及び預金債権の仮差押命令申立てがされた後に,被保全債権の前提となる租税債権の額につき減額更正がされた場合において,当該申立てを担当した職員が仮差押命令を申し立てる被保全債権の範囲を仮に更正がされて減額された場合の租税債権の額に限定せず,当該不動産の評価額を原価法によって算定したことが,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例
同時廃止事案における免責許可決定に対する即時抗告について,即時抗告後に明らかとなった事情を踏まえて再度の考案を行い,免責許可決定を取り消して免責不許可決定をした事例
本訴で交通事故による損害賠償請求訴訟が提起されたのに対し,反訴で,被告が,原告から過大な治療費,施術費を請求され,支払を余儀なくされたとして,損害拡大防止義務違反を理由に損害賠償請求・不当利得返還請求をした事案において,原告が被告に過大な治療費,施術費を支払わせたと認定し,原告の損害拡大防止義務違反を認めた事例
区分所有者の一人が区分所有法25条2項に基づく管理者解任請求訴訟を提起して勝訴した場合における弁護士報酬等の費用の分担
福島第一原子力発電所の事故と近隣病院の入院者の失踪及び死亡との相当因果関係を認め,遺族に対する損害賠償が一部認められた事例
民法859条の3に定める被後見人の居住の用に供する建物に該当しないとして,後見人が被後見人に代わって行った建物の売買行為が無効であるとはいえないとされた事例
出版社である被告1が発行する女性週刊誌の編集長であるAが,被告1の契約カメラマンである被告2が休業中の著名な歌手である原告の自宅で過ごす姿を窓越しに撮影した写真を当該女性週刊誌に掲載したこと及び被告2がその撮影をし,その写真掲載を容認したことが,原告のプライバシー侵害であって,共同不法行為に該当するとして,同被告らに550万円の損害賠償が命じられた事例
相続税対策としてデット・エクイティ・スワップを実施することによって課税を受けるリスクが生ずることについて税理士法人の説明義務違反等が認められた事例
1 火薬類である緊急保安炎筒1本を遠隔操作により電気点火が可能な状態に加工した行為が,火薬類を変形したものとして火薬類の製造(火薬類取締法3条)にあたるとされた事例
2 放射性物質を含有する土砂を入れ放射性物質の存在を示す標識等を付した容器や1に係る緊急保安炎筒等を搭載したドローンと称する小型無人機を遠隔操作し,総理大臣官邸の上空まで飛行させた上,同官邸屋上に落下させ,その13日後にこれを発見した官邸職員らに通常業務と異なる対応を余儀なくさせたことが,威力業務妨害罪にいう威力及び業務妨害にあたるとして同罪の成立を肯定した事例
日本に国籍及び住所を有する男性の原告が,大韓民国に国籍及び住所を有する被告に対し,婚姻の届出は被告に在留資格を取得させる目的でされたもので,原告被告ともに婚姻する意思はなかったとして,婚姻無効確認を求めた事案について,被告が本件訴訟に応訴していること,原告が日本に国籍及び住所を有していること,原告及び被告が最後の共通の住所を日本国内に有していたこと等を考慮し,条理に従い,日本に国際裁判管轄を認めた上で,準拠法について原告の本国法である日本国民法742条1号を適用し,原告の請求を認容した事例