最も長い歴史をもつ判例実務誌
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(使用者)が,本訴として,Y(労働者)を相手に,Yに対する未払賃金債務が173万1919円を超えて存在しないことの確認を求め,Yが,反訴として,Xを相手に,未払賃金の支払等を求めるとともに,労働基準法37条所定の割増賃金の未払金(以下「未払割増賃金」と...
〔解 説〕
1 本件は,上告人に雇用され,添乗員として,旅行業を営む会社に派遣され,同社が主催する募集型の企画旅行(旅行業法4条1項4号参照)の添乗業務に従事していた被上告人が,上告人に対し,時間外割増賃金等の支払を求めた事案である。上告人は,上記添乗業務については労働基準法38条の2第1項...
〔解 説〕
1 本件は,普通傷害保険契約の契約者兼被保険者Aが吐物を誤嚥して窒息し,死亡したことについて,保険金受取人であるXらが,保険者であるYに対し,死亡保険金の支払を求める事案である。Aの窒息死が,保険金の支払事由である「急激かつ偶然な外来の事故」,特に,外来の事故によるものであるかが...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Y1とY2との間の訴訟においてY2が行った株式発行を無効とする判決が確定した後,その確定判決の効力を受けるXが,上記確定判決には民訴法338条1項3号の再審事由があると主張して,再審の訴えを提起した事案である。
2 本件の経過の概要
Xが本件再審の訴...
〔解 説〕
1 A社は,産業廃棄物処理などを業として行う株式会社であるところ,Y市の山林約15万m2を8年間かけて埋め立て,跡地を山林に復元する本件埋立事業を計画し,Y市の本件埋立条例に基づき,事前協議を経た上,本件埋立事業の許可申請を行った。これに対し,Y市長は,許可申請書の内容に不備があ...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,東京都港区赤坂に所在する家屋(本件家屋)に係る平成18年度固定資産課税台帳登録価格(平成18年度価格)について,原告が被告に対し,本件家屋の建築当初である平成5年度における評価(再建築費評点数の算出)に誤りがあったため平成18年度価格も不服であるとして審...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xらは,それぞれ外国信託銀行であるA銀行又はB銀行(以下「本件各受託銀行」という。)との間で本件各受託銀行を受託者とする信託契約(以下「本件各信託契約」という。)を締結したところ,本件各受託銀行は,自らがリミテッド・パートナー(以下「LP」という。)となり,C又...
〔解 説〕
1 本件は,大韓民国(以下「韓国」という。)国籍を有する原告らが,靖國神社が行った合祀について,国と靖國神社を被告として訴えを提起した事案である。
原告らは,被告国に対しては,①被告靖國神社が合祀した本件合祀者について,遺族である原告ら(ただし,原告Bを除く。)及び合祀された本...
〔解 説〕
1 本件は,「臭気中和化および液体吸収性廃棄物袋」に関する本願発明について,進歩性がないとした審決の取消しを求めた事案である。
本願発明は,液体不透過性壁から構成され,液状の飲食物廃棄物を含有するための吸収材とこの吸収材に被着された臭気中和組成物を含み,吸収材に隣接して配置され...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,発明の名称を「インターネット情報通信システムを介した画像伝達における色変化情報伝達方法」とする特許出願の拒絶査定不服審判の請求不成立審決に対する取消しを求める事案である。本件審決は,「自己のシステムにおける選択機能を機能させずに」を追加する補正事項(本件...
〔解 説〕
1 本件は,意匠に係る物品を「放電ランプ」とする本意匠及び関連意匠(いずれも放電ランプをランプホルダーに固定するための口金部の部分意匠である。以下,「本件各意匠」という。)の各意匠権を有する原告が,被告が販売する交換用放電ランプ2製品(以下「被告各製品」という。)の口金部の意匠(...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,考案の名称を「化粧品容器用漏れ止め構造」とする実用新案権(以下「本件実用新案権」といい,これに係る実用新案登録を「本件実用新案登録」という。)を有する原告が,被告が製造販売する電動マスカラ(以下「被告製品」という。)が本件実用新案権に係る請求項1ないし6...
〔解 説〕
1 本件は,被告人が,深夜帰宅途中に出会った被害者に対し,その着衣をはぎ取って全裸にするなどのわいせつな行為をし,さらに,その頭部や顔面等を鈍器で多数回殴打して殺害したという強制わいせつ致死,殺人の事実で起訴された事案である。本件においては,犯行目撃供述や自白等の直接証拠がなく,...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,覚せい剤取締法違反(自己使用)の事案であり,主として強制採尿手続の適法性が争われた。本件の強制採尿に至る経緯は概ね次のとおりである。警察官らは,平成24年3月2日午後1時51分頃から,被告人に対する別件覚せい剤取締法違反被疑事件で被告人使用の居室等の捜索...
〔解 説〕
1 本件は,いわゆる東京電力女性社員殺害事件の再審判決である。
被告人は,平成9年6月に本件強盗殺人罪で起訴され,平成12年4月に第1審で無罪判決(東京地判平12.4.14判タ1029号120頁)を受けたが,検察官から控訴の申立てがあり,その後,同年12月に控訴審で破棄有罪の無...