最も長い歴史をもつ判例実務誌
〔解 説〕
1 本件は,徳島県が実施した里道の拡幅工事に伴い,当該工事により新設された道路に接する土地の所有者であるXが,当該道路を管理する阿南市による損失の補償について道路法70条4項に基づく土地収用法94条の規定による裁決の申請をしたところ,徳島県収用委員会からその申請を却下する旨の裁決...
〔解 説〕
1 本件は,保証人が主債務を相続して主債務者兼保証人となり,主債務を相続した事実を知りながら保証債務の弁済をした場合に,当該弁済が主債務の「承認」(民法147条3号)として当該主債務の消滅時効を中断する効力を有するかが問題となった事案である。 2 本件の事実関係等
本件の事実関...
〔解 説〕
1 本件は,医療観察法に基づく入院等の申立て事件において,原々審が,殺人未遂という対象行為の存在を認め,対象者についてアルツハイマー型認知症により心神喪失の状態にあったと判断する一方で,同法による医療を行う必要性が認められないとして同法42条1項3号による医療を行わない旨の決定(...
〔解 説〕
1 本件は,覚せい剤密輸入事件につき,裁判員が参加した第1審判決が無罪を言い渡したのに対し,控訴審判決が刑訴法382条に定める事実誤認を理由に破棄,有罪の自判をし,被告人が上告していた事案について,控訴審判決には同条の解釈適用の誤りはないなどとして決定で上告を棄却したものである。...
〔解 説〕
1 本件は,被告人が,無差別殺人を企て,多数の客や従業員のいる営業中のパチンコ店の店内にガソリンを撒いて火を放ち,5名を死亡させ,10名に傷害を負わせたという,現住建造物等放火,殺人,殺人未遂の事案であり,此花区パチンコ店放火殺人事件として広く報道された事件である。
2 本件の...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xの従業員らを構成員とする労働組合は,Xがその組合員甲,乙及び丙(以下「甲ら」という。)の平成17年夏季ないし平成18年冬季の各賞与及び平成19年1月以降の月例賃金を減額したことが労組法7条1号の不当労働行為に当たるとして,労働委員会に対して救済命令を申し立てた...
〔解 説〕
1 事案の概要
Ⅰ 本件は,Y1会社(控訴人兼附帯被控訴人・原審被告)の事業全部の譲渡を受けたと主張するX2(被控訴人兼附帯控訴人・原審原告)及び同人から当該事業の譲渡を受けたと主張するX1会社(被控訴人兼附帯控訴人・原審原告)が,Y1会社,同社の代表取締役であるY2(控訴人兼...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,金融商品である仕組預金の預入れの勧誘及びこれに伴って設定された担保権の実行の違法性が問題となった事案であり,事実経過の概要は以下のとおりである。
A社の取締役であった原告は,金融機関である被告から2億5000万円を借り入れた(本件ローン契約)上,被告と...
〔解 説〕
1 事案の概要
脱退原告は,たばこ及びその関係商品(たばこ等)並びにマッチを指定商品として3件の商標登録を出願したが,拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判を請求した。 しかし,特許庁は,出願に係る商標(本願商標)からは「ビイエルシイケイ」という称呼が生じ,かつ,特定の観...
〔解 説〕
第1 事案の概要
1 事案の要旨
本件は,発明の名称を「プラバスタチンラクトン及びエピプラバスタチンを実質的に含まないプラバスタチンナトリウム,並びにそれを含む組成物」とする特許権(本件特許権)を有する控訴人(一審原告)が,「プラバスタチンNa塩錠10mg『KH』」(被告製品)...
〔解 説〕
1 本件は,原告が,発明の名称を「ベンゼンスルフォナート化合物」とする発明(本願発明)について,特許出願をしたが拒絶査定を受け,原告が無効審判請求をしたが,特許庁が,本願発明は,引用発明(4─クロロブチルp─トルエンスルフォナート化合物)及び刊行物2に記載された発明に基づいて容易...
〔解 説〕
第1 事案の概要
本件は,被控訴人(1審被告。Y)が被告装置1ないし3を製造販売等した行為について,控訴人(1審原告。X)が,Yの上記行為は,Xの有する発明の名称「食品の包み込み成形方法及びその装置」に係る本件特許権(請求項が2つあり,方法特許に係る特許権1及び装置特許に係る特...
〔解 説〕
1 事案の概要
被告は,発明の名称を「Rhoキナーゼ阻害剤とβ遮断薬からなる緑内障治療剤」とする特許権を有している。本件は,原告が,上記特許についてした無効審判請求が成り立たないとした審決の取消しを求める事案である。本件審決は,本件発明は,①引用例1に記載された発明に引用例2に...
〔解 説〕
1 事案の概要
X(控訴人。第1審原告)は,発明の名称を「流し台のシンク」とする本件特許権を有している。Xは,Y(被控訴人。第1審被告)の製造,販売する被告製品のシンクが本件特許権を侵害すると主張し,本件特許権に基づき,被告製品のシンクの製造,譲渡等の差止め,損害賠償等を求める...
〔解 説〕
1 Xは,電子応用機械器具及びその部品等を指定商品とする本件各商標(①「QuickLook」の文字中の「oo」部分を縦長の楕円形とし,内側に黒点を配して目玉を模した形状とした標章,②標準文字からなる「QuickLook」,③標準文字からなる「クイックルック」)の商標権者であり,本...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,厚生労働省の課長(当時)であった被告人が,部下職員及び実体のない障害者団体の会長等と共謀の上,部下職員に指示して,上記団体が郵便割引の適用のある団体である旨などを記載した内容虚偽の心身障害者団体用の郵便割引に関する公的証明書を発行したとされた虚偽有印公文...