最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 補助参加人社会福祉法人A会は,堺市内に事務所を置く社会福祉法人であり,同市内に設置した通所介護事業所等につき,大阪府知事から介護保険法上の指定居宅サービス事業者等の指定を受けて,事業を営んでいた者である。
本件は,堺市の住民であるXが,A会は,厚生労働省令で定める基準に係る...
[解 説]
1 本件は,Xを被疑者として告発された被疑事実に係る検察官の不起訴処分につき,検察審査会が,起訴を相当とする議決をし,検察官の再度の不起訴処分後,検察審査会法41条の6に基づき,起訴を相当と認めて起訴をすべき旨の議決(以下,同条所定の検察審査会の議決を「起訴議決」といい,本件に係...
[解 説]
1 ①事件及び②事件は,いずれも居住用建物の賃借人(消費者)が賃貸人(事業者)に対し保証金の返還を求める事案である。主な争点は,いわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効か否かである。
2 各事件の事案の概要及び裁判所の判断は,次のとおりである。
(1)①事件について
...
[解 説]
1 本件は,いわゆる出会い系サイトを利用して遊客を募る形態の派遣売春デートクラブを経営していた被告人が,男性従業員と共謀の上,女性従業員を遊客に引き合わせて売春をする女性として紹介し,売春の周旋をしたという売春防止法違反の事案である。
本件では,被告人らは,出会い系サイトに書き...
[解 説]
1 本件は,公判前整理手続における弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)を棄却する決定に対する即時抗告提起期間の起算日が争われた事案である。
本件の事実経過は,本決定が判示するとおりであるが,概略は次のとおりである。
暴力行為等処罰に関する法律違反,銃砲刀...
[解 説]
1 本件は,身体障害等級1級の認定を受けて車椅子による外出時の移動に一定の介護を要する原告が,障害者自立支援法19条1項に基づく平成18年9月~平成20年2月及び平成21年3月~平成22年2月の介護給付費の支給に関し,大田区長(処分行政庁)から,原告の申請に係る社会参加のための外...
[解 説]
1 タイ王国(タイ)に出生した外国人の男性であるXは,平成3年7月に有効な旅券等を所持しないで本邦に上陸した。Xは,平成19年11月に,出入国管理及び難民認定法(入管法)違反容疑で現行犯逮捕され,有罪判決を受けた後,平成20年1月に,東京入管入国審査官から入管法24条1号に該当し...
[解 説]
1 本件は,いわゆる耐震強度偽装によって建築されたビジネスホテルにつき,施主と建築会社が,群馬県に対して,構造設計を担当した一級建築士による耐震強度の偽装のため法令で定められた基準の耐震強度が不足し本件建築物の耐震補強工事をせざるを得なくなったとして,本件建築物の建築確認をした建...
[解 説]
Xらは,それぞれ,航空機整備関連事業を営むYとの間で,60歳の定年後も順次,嘱託社員,特別嘱託社員として有期雇用契約を締結していたが,65歳の当時,雇止めになったことから,概要,「『近未来─ひとつの理想企業Age free』,『高齢者の就業機会の拡大という社会の要請にこたえ,可能...
[解 説]
1 本件は,平成22年1月1日時点において不動産の所有者であり,不動産登記簿上の所有名義人であったXが,同年8月20日に担保不動産競売手続により当該不動産を取得したYに対し,Xが当該不動産に係る平成22年度の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)の全額を納付した...
[解 説]
1 本件(本訴請求事件)は,工事業者であるXが,掘進機製造業者であるYから,水道管敷設用の建設機械である複合掘進機(CMT掘進機)6台を購入し,その後約20年間に渡り,Yから継続的にCMT掘進機の改修を受けてきたところ,平成20年8月になって,その改修をYから一方的に拒絶されたこ...
[解 説]
1 建築設計事務所であるX1は,宮古島にリゾートホテルを誘致する事業(本件事業)について事業計画書を作成し,X1が本件事業の総合プロデュース業務並びにホテルの設計・監理業務及び総合コンサルティング業務を行い,投資家が総事業費を出資して不動産を取得し,ホテル経営業者であるX2がホテ...
[解 説]
1 本件は,Yが開設するY病院において,診療を受けていたX1が,水頭症により,高次脳機能障害を負ったことについて,Xらが,担当医であるA医師は,平成17年1月8日から同月29日までに,X1の状態やX1の母親であるX2の訴えなどから,脳腫瘍の存在を疑い,CTやMRI撮影をし,ドレナ...
[解 説]
1 事案の概要等
本件は,「スーパーオキサイドアニオン分解剤」との発明(本件特許発明)についての無効不成立審決(無効2009─800033号)に対する取消訴訟である。
原告は,本件特許発明について,引用例に記載の発明と同一の発明であるか,引用例に記載の発明に基づいて,当業者が...
[解 説]
1 本件の概要
甲弁護士は,Xの訴訟代理人として,Aらを被告とする別件訴訟に勝訴したが,Aは転居し,転居先不明の状態になった。そこで,甲弁護士は,弁護士法23条の2第1項に基づいて,東京弁護士会に対し,Yに照会して①A宛ての郵便物につき転居届が出ているか否か,②出ている場合は転...
[解 説]
1 本件各公訴事実中,覚せい剤自己使用の事実について,弁護人は被告人に対する採尿手続に重大な違法があるとして,尿の鑑定書の証拠能力を争った。本証拠決定(東京地決平23.3.15本号247頁,平21特(わ)2280号)は,弁護人の違法性に関する主張を一部採用し,その鑑定書の証拠能力...