最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 事案の概要
本件は,札幌市内の複数の建築物(マンション)の設計者として,建築基準法令に定める構造基準に適合しない設計を行って耐震性等の不足する構造上危険な建築物を現出させ,また,構造計算書に偽装が見られる不適切な設計を行ったとの理由で,国土交通大臣から,建築士法10条1項に...
[解 説]
1 本件は,Yを株式交換完全子会社,株式会社USENを株式交換完全親会社とする株式交換に反対したYの株主であるXらが,Yに対し,Xらが各保有する株式を公正な価格で買い取るよう請求したが,その価格の決定につき協議が整わないため,Xら(X9及びX10を除く。)及びYが,会社法786条...
[解 説]
1 本件は,Xを吸収分割株式会社,Aを吸収分割承継株式会社とする吸収分割に反対したXの株主であるYが,Xに対し,Yの有する株式(以下「本件株式」という。)を公正な価格で買い取るよう請求したが,その価格の決定につき協議が調わないため,X及びYが,会社法786条2項に基づき,それぞれ...
[解 説]
1 本件の①事件は,金銭消費貸借契約の借主であった原告が,複数の貸金業者に対して過払金の返還を求めた事案であり,②事件は,貸金業者である原告が,複数の金銭消費貸借契約の借主らに対して貸金の返還を求めた事案である。いずれの事件においても,単数の原告が,複数の被告を共同被告とし,それ...
[解 説]
1 本件は,Xが,Yに対し,時間外勤務手当の支払を求めて提起した訴訟において,同手当の計算の基礎となる労働時間を立証するために,Yの所持するXのタイムカード(以下「本件文書」という。)が必要であると主張して,本件文書について,文書提出命令の申立て(以下「本件申立て」という。)をし...
[解 説]
1 本件は,Aを養母とし,Yを養子とする養子縁組が無効であるとして,Aの子であるX1が,Yに対し,上記養子縁組の無効確認を求める訴えを提起し,Aの別の子であるX2が,これに共同訴訟参加した事案である。
第1審は,上記養子縁組はAの意思に基づかないものであるから無効であるとして,...
[解 説]
1 被控訴人(1審原告)は,平成2年から地方公務員(高知県職員)であったものであるが,酒酔い運転のうえ自損事故を起こし現行犯逮捕され,罰金80万円の刑事罰に処せられたことについて,平成21年5月,高知県知事から地方公務員法33条の信用失墜行為に該当するとして,29条1項1号及び3...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,食肉の加工製造販売業を営む被控訴人の従業員であった控訴人が,被控訴人の製造する商品の仕分け及び配送等を営む子会社に出向中,商品の原材料が入った箱を破損させ,商品を持ち出すなどの行為を行ったという理由で,平成14年6月24日付けで懲戒解雇処分を受けたのに対...
[解 説]
1 本件は,賃借人が,敷金を一定割合で差し引く旨の特約(敷引特約)は,消費者契約法10条に反し無効であると主張して,差し引かれた敷金の返還を求めた事案である。
事案の概要は次のとおりである。
(1)Yは,ビル経営等を目的とする株式会社であるが,平成13年2月25日,個人である...
[解 説]
1 本件の事案の概要は次のとおりである。Xは,市街化調整区域内にある牛舎で酪農及び畜産を営む者である。Y1県は,工業用水の給水のため水路橋布設替工事(本件工事)をA会社に対し発注し,Xの牛舎付近で約2年間にわたって本件工事が施工された。この間にXが飼育していた牛のうち89頭が,騒...
[解 説]
1 X1は,平成6年2月21日,日野市三沢所在の土地付中古住宅を購入し,また,X2は,平成12年5月22日,日野市三沢所在の土地付中古住宅を購入し,同所で生活を開始した。
ところが,平成14年10月4日,旧陸軍がY(国)の命令により建設した地下壕が崩れ,建物の地盤が沈下し,敷地...
[解 説]
1 本件は,A社を分割会社とする新設分割(以下「本件新設分割」という。)により設立された原告が,A社との間で定期預金・積立定期預金契約を締結していた被告株式会社東京都民銀行,被告株式会社りそな銀行及び被告株式会社みずほ銀行(以下「被告ら」という。)に対し,原告はA社の被告らに対す...
[解 説]
1 被告は,平成15年4月18日,「合成樹脂製窓材」という発明(本件発明)について特許登録を得たが,その特許請求の範囲の記載によれば,本件発明は,リサイクル樹脂による内層と,未使用の樹脂による外層とからなる断面四角形で中空の窓枠の材料に関するものであり,斜めに切断された断面を加熱...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,審決書別紙第1のとおりの本願意匠に係る部分意匠(物品「呼吸マスク」)の登録出願をしたところ,引用意匠と類似するとして,意匠法3条1項3号を根拠に拒絶査定を受けた。その不服審判請求が成り立たないとする本件審決がされたため,原告が同審決の取消しを求める事案で...
[解 説]
1 本判決は,「1 プロ野球を主催する12球団及びプロ野球の運営を統括する社団法人が,特定の応援団の団員に対し,プロ野球の試合等の入場券の販売を拒否し,球場等への立入りを禁止する旨を通知した措置が,裁量権の範囲を逸脱するものであり,権利の濫用として違法,無効であるとされた事例」「...
[解 説]
1 リーマン・ブラザーズグループに属するZ社が再生手続開始の申立てを行う直前に,Y銀行に開設されていたZ社名義の普通預金口座(以下「本件口座」という。)に15億円の振込み(以下「本件振込み」という。)をしたところ,Y銀行は,Z社に対する貸付債権を自働債権とし,本件口座の預金債権を...
[解 説]
本件は,被告人が,自動車を運転して中央が隆起した橋を走行していたところ,自動車が,空中に跳ね上がり,続いて着地してから運転制御を失って暴走し,ガードレール及び電柱に衝突するなどして,同乗者の1名を死亡させ,2名に軽傷を負わせたという事案である。
検察官は,被告人が自動車の走行を...