最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 固定資産税は,毎年1月1日を賦課期日として,土地等の固定資産の所有者に対して市町村(東京都の特別区の存する区域においては東京都)が課す地方税であり,総務大臣の定める固定資産評価基準に基づき適正な時価として決定され固定資産課税台帳に登録された価格を課税標準とし,これに一定の税率...
[解 説]
1 Xは,平成14年7月,Xの従業員であるYらの懲戒解雇の無効を確認するとともにYらに対する賃金の支払を命ずる旨の仮執行宣言付判決を受けた。同判決において支払を命ぜられた賃金の額は,源泉所得税を控除しない金額であった。Yらは,平成14年9月から平成17年7月にかけて,合計10回に...
[解 説]
1 事案の概要
(1) 本件は,消費者金融大手である株式会社A(その後に経営破綻)の創業者兼代表取締役Bの長男である上告人(原告,被控訴人。以下,単に「上告人」という。)が,父B及び母Cから外国法人であるD社に係る出資持分の贈与(以下「本件贈与」という。)を受けたことにつき,所...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,民法900条4号ただし書の規定の憲法適合性が争われ,一旦は大法廷に係属した事件であるが,原決定後の事情に基づき本件抗告の適法性が争われ,決定要旨も,専らこの点に関するものである。事実関係の概要は,次のとおりである。
(1)Aが平成14年に死亡し,その遺...
[解 説]
1 本件は,マンションの管理組合(権利能力のない社団)であるXが,本件マンション1階にある専有部分の区分所有者Y1,前区分所有者Y2及び賃借人Y3が規約の定めに反してXの承諾を得ることなく本件マンションの共用部分である1階出入口や壁面の改造工事を行い,また,Y1がXとの間で締結し...
[解 説]
1 本件は,被告人が,氏名不詳者らと共謀し,営利目的で,覚せい剤を含む違法な薬物を輸入しようと企て,輸入禁制品である覚せい剤1991.2グラムが隠匿されたスーツケースをマレーシアから日本まで航空機の機内預託手荷物として運送委託した上,成田国際空港に到着後,同スーツケースを機外に搬...
1 生活保護老齢加算廃止福岡訴訟控訴審判決
老齢加算の廃止等を内容とする生活保護基準の改訂及びこれに基づいてなされた保護変更決定が生活保護法56条に違反するとされた事例(福岡高裁平22.6.14判決)
[解 説]
1 事案の概要
本件は,ゴルフ場の用に供されている土地(以下「本件ゴルフ場」という。)及び遊園地の用に供されている土地(以下「本件遊園地」という。)につき,固定資産課税台帳への登録価格の適否が問題となった事案である。
本判決は,本件ゴルフ場及び本件遊園地のいずれについても,固...
[解 説]
1 事案の概要
相手方(倉庫業を営む株式会社)を退職した申立人らは,退職後1年数か月してから未払賃金,賞与及び退職金の支払を求める労働審判の申立てをしたが,当該労働審判事件を担当した労働審判委員会は,第2回期日において,本件は労働審判手続を行うことが適当でないとして,労働審判法...
[解 説]
1 事実関係
高知県のM漁協は,平成5年,農林漁業金融公庫(公庫)から4億3500万円を借り入れた。その際,公庫の代理人兼受託金融機関である農林中央金庫(金庫)は,M漁協の保証委託を受けて,M漁協の公庫に対する債務を連帯保証した。当時,M漁協の代表理事であるXと専務理事であるY...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,次の第1事案と第2事案が併合されたものである。
第1事案は,Xが貸金業者であるY社に対し,過払利息について不当利得返還請求をしたものであり,この点については実質上争いがない。
第2事案は,Xが貸金業者であるA社に対し過払利息の不当利得返還請求権を有し...
[解 説]
1 Xは,後記の本件各売買契約当時,79歳の女性であり,大阪府内で一人暮らしをしていた。
Yは,銀行法に基づく銀行業務の免許を受けた銀行であり,金融商品取引法33条の2に基づき登録を受けた登録金融機関である。
Xは,平成20年3月から同年8月まで,4回にわたり,Yを売主の代理...
[解 説]
1 X1及びX2並びに同人らの子であるA1及びA2は,平成16年8月1日,訴外Bが運転していた大型貨物自動車による交通事故に遭い,X1らは重傷を負い,A1らは死亡した。X1らは,X1が勤務する会社の代表取締役Cの紹介で,弁護士Yに,B及びその使用者を相手方とする損害賠償請求事件の...
[解 説]
1 本件事案の概要
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)に勤めていたA(昭和51年11月生まれで高校卒の独身男性)は,平成20年1月,自動車を運転していたとき,対向車線から進入してきた亡B運転の自動車と正面衝突する事故(本件事故)に遭い,死亡した。JR東日本は,就業規則で,従業...
[解 説]
1 本件事案の概要は次のとおりである。
(1)K社は,平成18年1月当時,普通株式5128万3557株,A種類株式3000万株,B種類株式3000万株,C種類株式1億1513万1500株を発行していた。普通株式はXら多数の株主が保有していたが,C種類株式(議決権はあるが,利益配...
[解 説]
1 本件は,Xらが換気扇フィルター及びその製造方法に係る本件発明1ないし4の特許権者であるところ,Yが本件特許の無効審判請求をし,特許庁が,特許を無効とする審決をしたため,XらがYを被告として審決取消訴訟を提起した事案である。
本件発明1は,金属製フィルター枠と,その開口を覆っ...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,世界各地の蒸気機関車(SL)を撮影した映像の著作権者であるX(控訴人・原審原告)が,Y(被控訴人・原審被告)において,Xに無断で当該映像(本件映像)を編集して作成した作品を収録したDVD(本件DVD)を仕入れて販売したことにつき,Yに対し,①本件映像につ...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,被告人が,平成21年5月から同年6月までの1か月余りの間に,①住居侵入及び強姦,②住居侵入及び中止による強姦未遂,③住居侵入及び致傷を伴う強盗強姦並びに④住居侵入及び強姦未遂を連続して敢行した事案である。
原審では,裁判員対象事件である③の事件にその余...