最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,平成21年8月30日施行の衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)について,東京都内の選挙区の選挙人であるXら(原告,上告人)が,衆議院小選挙区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割り及び選挙運動に係る公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから...
[解 説]
1 本件は,Y1の開設する病院(Y病院)に入院していたAに対し,ベナンバックス(一般名ペンタミジン)が平成17年10月29日から3日間連続で,常用量の5倍投与され(本件事故),同年11月10日に,Aが死亡したことについて,Aの相続人であるXらが,投与を指示した担当医(Y2)のほか...
[解 説]
1 本件は,Xが,簡易生命保険契約(本件保険契約)につき,その保険金受取人はXであり,保険金及び契約者配当金(本件保険金等)の請求権(本件保険金等請求権)はXに帰属するにもかかわらず,Y1及びY2がX名義の書類を偽造するなどして,郵便局員であるY3に対し保険金支払請求手続を執り,...
[解 説]
1 Xは,昭和63年10月,左脛骨高原骨折の傷害を負い,同年11月,Y1が開設するA病院に入院し,同病院の整形外科医であるY2(本判決ではY1の理事長とされているが,本件当時は同病院の勤務医であった。)の執刀により,骨接合術及び骨移植術(本件手術)を受けた。その後,Xは,本件手術...
[解 説]
1 本件は,被相続人Aの子であるXが,遺産の全部をAのもう一人の子であるBに相続させる旨のAの遺言は,BがAより先に死亡したことにより効力を生じないこととなり,XがAの遺産につき法定相続分に相当する持分を取得したと主張して,Bの子であるYら,すなわちAの代襲相続人らに対し,Aがそ...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,X1が関西国際空港における覚せい剤の輸入罪の共犯として逮捕勾留された刑事事件と,X1及びその子の関税法違反嫌疑事件の調査関係資料を記録したフロッピー(以下「本件フロッピー」といい,同フロッピーに記録された上記調査関係資料のデータを「本件情報」という。)が...
[解 説]
1 本件は,従業員Xが,勤務先(会社)の従業員会主催のバドミントン大会(以下「本件大会」という。)に参加し,その帰宅途中に交通事故に遭って重傷を負った災害(以下「本件災害」という。)について,労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)7条1項2号の通勤災害に該当するとして...
[解 説]
1 Xの夫Aは,Yとの間で認知症対応型共同生活介護利用契約を締結して,Yが運営するグループホームに入所していたところ,昼間Aはホーム内の台所付近で三角コーナーを触ろうとしているところを目撃され,その日の深夜夕食を嘔吐し,発熱や下痢の症状がみられた。グループホームの施設長Bは,看護...
[解 説]
1 Y1は,平成19年1月,強盗目的でAを殺害し,その死体を隠匿するなどして起訴された。Y1の両親であるY2,Y3は,Aの子であるXらに対して,複数回にわたり,謝罪に伺いたい旨を申し入れるなどし,また,Y2は,情状証人として,Aのお骨のところにお参りをさせていただき,謝罪したい旨...
[解 説]
1 Yは,義妹・義弟であるXらの名義を使用して同名義の銀行預金口座開設・解約,証券顧客口座の開設,生命保険契約の締結等をし,さらに預金の預入と引出,有価証券の運用,保険金の払込等をしたが,Xらの事前又は事後の承諾を得てはいなかった。XYらは遺産分割手続を経たが,その過程でXらは,...
[解 説]
1 本件は,車道を走行していた被控訴人Y1運転のバス(被告バス)の左前方部分が,歩道から被告バスの前方に出てきた控訴人運転の自転車(原告自転車)の後部に衝突したという交通事故(本件事故)において,控訴人が,低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)等の傷害を負い損害を被ったと主張し,被控訴...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,非小細胞肺がんの臨床病期Ⅳ期(再発。以下「ステージⅣ期」という。)であり,化学療法実施後に上記がんが再発したAが,Y1が開設するY病院において,抗がん剤の第Ⅱ相臨床試験(以下「本件治験」といい,同治験で投与された抗がん剤を「本件抗がん剤」という。なお,そ...
[解 説]
1 放送法に基づいて設置されたX(NHK)は,平成14年10月9日,Yの妻Aとの間で,契約種別をカラーとする放送受信契約を締結した。
そこで,Xは,本件放送受信契約は,民法761条本文にいう「日常の家事に関する法律行為」に当たり,Yの妻AはYを代理する代理権を有し,同契約は有効...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,登録商標を「シルバーヴィラ」とする商標権を有し,かつ,「シルバーヴィラ向山」との名称の有料老人ホームを運営する原告が,「シルバーヴィラ揖保川」等の名称(以下「被告各標章」という。)で介護保険に係る施設を開設・運営する被告に対し,①商標権侵害に基づく「シル...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Y(被控訴人)が共同研究報告書(平成16年度・17年度)を印刷発行し,北見市等へ頒布した行為について,X(控訴人)が,①Xが前年度の平成15年度報告書に関する著作権及び著作者人格権を有し,Yの上記行為がXの著作権(複製権)及び著作者人格権(同一性保持権)...
[解 説]
1 事案の概要
抗告人(信用金庫)は,債務者の第三債務者(抗告人自身)の出資持分権を差し押さえ,その譲渡命令の発令を申し立てた。
抗告人は,公認会計士による,上記出資持分権の評価を経なくても,第三債務者が差押債権者に交付する出資持分価額証明書により適切な譲渡価額を決定できる旨...
[解 説]
1 Aは,住宅建築及びリフォームを業としていたグループ会社であったが,平成20年3月21日,札幌地方裁判所から破産手続開始決定を受け,Xが破産管財人に選任された。Aは,Bに対し,平成20年2月1日から同年3月15日までの給与合計33万2280円を支払っていなかった。Yは,療養施設...
[解 説]
1 本件は,被告人が,前後2回にわたって,いずれも通りがかりの女性を狙い,突然その背後から襲いかかって刃物を突き付けるなどの暴行・脅迫を加え,1件については,被害女性を姦淫し,他の1件については,被害女性を姦淫したほか,その際に全治約2週間の傷害を負わせた,という強姦及び強姦致傷...
[解 説]
1 本件は,被告人が覚せい剤約0.1gを代金1万円で譲渡するなどした事案において,被告人が覚せい剤代金として得た1万円札1枚が,他の1万円札と一緒に財布に入れられるなどして特定できなくなり,さらにそこから1万円札1枚が任意提出され,残余の現金が別途保管されるなどの事情があったこと...