最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,共同住宅2棟及びそれらの敷地につき担保不動産収益執行が開始されたものの,原審(執行裁判所)が,うち共同住宅1棟及びその敷地(本件土地建物)について,民事執行法106条2項所定の「配当等に充てるべき金銭を生ずる見込み」がないとして,本件土地建物に係る手続を取り消したとこ...
[解 説]
1 本件は,X1会社の経理事務を担当していたYによる横領等があったとして,X1会社,X1会社の代表者であるX2,同代表者の子であるX3,X4が,Yに対し,不法行為に基づく損害賠償等合計約2721万円を請求する本訴を提起したのに対し,Yが,Xらによる本訴の提起が不法行為に当たるとし...
[解 説]
1 本件は,上告補助参加人であるA社が,その子会社であるB社の株主らから同社株式を買い取ったことに関し,A社の株主であるXが,A社の取締役であるYらに対し,Yらが,B社の株式を1株当たり5万円の価格でA社が買い取る旨の決定をしたことについて,取締役としての善管注意義務違反があり,...
[解 説]
1 本件は,アメリカ合衆国に居住するXが,その元妻であって,日本に居住するY1並びにその両親であるY2及びY3に対し,XとY1の間の7歳の子であるAをYらが不当に拘束していると主張して,人身保護法(以下「法」という。)に基づき,Aを釈放してXに引き渡すことを求めた事案である。なお...
[解 説]
1 本件は,アメリカ合衆国に居住するXが,その元妻であって,日本に居住するY1並びにその両親であるY2及びY3に対し,XとY1の間の7歳の子であるAをYらが不当に拘束していると主張して,人身保護法(以下「法」ということがある。)に基づき,Aを釈放してXに引き渡すことを求めたXの請...
[解 説]
1 本件は,Yが自動車販売会社から購入した自動車の代金を立替払したXが,その後,Yが小規模個人再生による再生手続開始の決定を受けたことから,自動車について留保した所有権に基づき,別除権の行使としてその引渡しを求める事案である(以下,自動車販売会社を単に「販売会社」といい,自動車を...
[解 説]
1 本件は,Xの所在が不明であったために家庭裁判所から不在者財産管理人に選任されたA(Xの次男)が,預かり保管中に金銭を遊興費に費消してこれを横領したことから,XがY(国)に対し,家事審判官に不在者財産管理人の監督につき職務上の義務違反があったとして,国家賠償法1条に基づき,横領...
[解 説]
1 本件は,自転車,自動二輪車及び軽四輪車により荷物等を配送する運送業務を目的とする株式会社である被告との間で「運送請負契約書」と題する契約書を取り交わしてバイシクルメッセンジャー(以下「メッセンジャー」という。)として自転車を使用して配送業務を行い,また,メッセンジャーの中から...
[解 説]
1 本件は,その所有に係る土地をY1に賃貸したX(大阪市)が,本件土地上に建物を所有し,これを夫であるY2に暴力団事務所として使用させたY1に対し,用法遵守義務違反等を理由に賃貸借契約を解除したとして,Y1に対し,賃貸借契約の終了に基づき,建物収去土地明渡しを求めるとともに,Y2...
[解 説]
1 本件は,犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(以下「法」という。)17条に基づく損害賠償命令の申立てとしてされ,刑事被告事件に付随して審理されたが,その後,民事訴訟手続へ移行した事件である。事案は,Aの子であるXらが,Yは,Aに暴行を加え...
[解 説]
1 本件は,交通事故により,尿失禁を伴う高次脳機能障害等の後遺障害(自賠責後遺障害等級別表第一の第2級1号)が残存したXが,加害車両である原動機付自転車(以下「本件原付」という。)の運転者であるY1及びその三男であり自賠責保険等の名義人であるY2に対して損害賠償請求をするとともに...
[解 説]
1 本件は,熊本市内の住民であるXらが,携帯電話通信業者であるYに対し,①Yが近隣の複雑かつ不安定な地盤から成る土地(以下「本件土地」という。)上に,ずさんな工事により,無線通信基地局に使用する高さ40メートルの鉄塔(以下「本件鉄塔」という。)を建設したため,本件鉄塔が倒壊する危...
[解 説]
1 本件は,B病院で受けた人間ドックで十二指腸腺腫が発見されたAが,被告病院でEMR(内視鏡下粘膜切除術。内視鏡の鉗子チャンネルを使用して,病変部位の粘膜下層に液体の薬剤を注入して病変部位を膨隆させ,高周波スネア等で切除する術式をさす。)を受けたが,術後,術野に遅発性穿孔が生じて...
[解 説]
1 本件は,中国のA社が製造した冷凍食品(以下「本件商品」という。)を被告から購入し,本件商品を原材料として使用した食品を製造・販売していた原告が,A社が本件商品と同じ工場で製造していた冷凍餃子に有機リン系殺虫剤のメタミドホスが混入し,これを食べた消費者が一時意識不明の重体に陥る...
[解 説]
1 Xは,リース事業等を営む株式会社であり,平成16年から,クレープ飲食事業等を営むY1との間で,店舗内装に関する割賦販売契約及び厨房什器・備品等に関するリース契約を締結していたが,平成20年1月ころから,Y1の経営が悪化し,所定の割賦金やリース料が支払われなくなった。他方,経営...
[解 説]
1 本件は,Y社(被控訴人)が出願し特許庁において審査中の本件発明(発明の名称「加工工具」)について,一審原告たるX社(控訴人)が一審被告たるY社に対し,使用者たるX社が就業規則等に基づき従業者から特許を受ける権利の譲渡を受けたとして,X社が同権利を有することの確認を求めた事案で...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,名称を「筆記具のクリップ取付装置」とする考案についての実用新案権(以下,「本件実用新案権」といい,同実用新案権に係る実用新案を「本件登録実用新案」という。)を有する原告は,被告(郵便事業株式会社)の前身である日本郵政公社(以下,これと被告とを区別せず,い...
[解 説]
1 本件は,電気掃除機について「SWIVEL SW EEPER」の登録商標(本件商標)を有し,ヘッド部分が回転する電気掃除機(原告商品)を販売している原告1(カナダ国法人)と,原告1から日本国内における独占的販売権を与えられ,本件商標を使用した各表示(原告各表示)が付された原告商...
[解 説]
本件は,被告人が他の共犯者と共謀の上,ミャンマー人4名の集団密航者を空路本邦に入国させたという事案であって,出入国管理及び難民認定法74条2項,1項の営利目的による集団密航助長罪の成立を認めた原判決に対して弁護人が法令適用の誤り及び事実誤認を主張して控訴した事件である。所論は,主...
[解 説]
1 本件は,貸金業等の業務を営む被告人A社の代表取締役である被告人B並びに同社の業務に従事していた被告人C,同D,同E,同F及び同Gが,同社の関係者らや不動産売買等の業務を営むH社の代表取締役であるIと共謀の上,弁護士等(弁護士及び弁護士法人をいう。)でないのに,報酬を得る目的で...