最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件事案の概要
福岡県収用委員会は,国土交通省が施行する国道209号改築工事(本件事業)のため,平成14年2月,福岡県山門郡瀬高町内にあり,筆界が確定していない7筆の土地(本件土地)について,収用する土地(本件収用地)に対する補償の額を1025万円余,収用により本件収用地に...
[解 説]
1 本件事案の概要
Aは,平成17年3月に,バイク(本件被害車両)を運転して愛知県内の高速道路を走行していたとき,後方から,前方の確認を怠って車線変更をしていたBが運転する自動車(本件加害車両)に衝突される事故(本件事故)に遭い,死亡した。Bは,刑事事件(本件刑事事件)で,禁錮...
[解 説]
1 本件は,原告の妻で,中学校の教師であったAが,自宅にて自殺を図り,死亡に至ったのは,対教師暴力や宿泊訓練等の校務による重い心理的負荷によりうつ病を発症し,かつ,発症後も校務の軽減措置等の支援がなく,生徒との間には重い心理的負荷となる出来事が次々と発生する中で,症状が増悪した結...
[解 説]
1 Xらは,Yらが発行する株式を保有していたが,Yらを相手方とする民事調停手続において,Xらの保有するY1株式をY1へ,Y2株式をY2へそれぞれ譲渡することとし,その対価の支払を受ける旨の調停(本件調停)を成立させた。ところが,このようにYらがそれぞれ自社株を取得する方式(判文中...
[解 説]
第1の判示事項については,建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)8条は,区分所有法7条1項に規定する管理費等の債権(①区分所有者が,共用部分等につき,又は規約若しくは集会の決議に基づき,他の区分所有者に対して有する債権,②管理者又は管理組合法人がその職務又は業...
[解 説]
1 本件は,弁護士である被告に対し,いわゆる弁護過誤を理由に債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案であり,事実関係の概要は,次のとおりである。
2 原告X(本人訴訟)は建築関係の請負業を個人で営む者であり,被告Yは弁護士であるところ,Y弁護士は,平成17年2月3日,Xから,同...
[解 説]
1 Aは,生存中,宗教法人甲寺が管理する墓地に墓(本件墓)を建立した。その後,Aは,甲寺の僧侶であるYに対し,自分の葬儀及び一切の供養を依頼し,供養料300万円(本件交付金)を交付した(第1準委任契約)。また,Aは,さらにその後,Yに対し,自分の写真を本件墓に納め永代供養してほし...
[解 説]
1 Xは,浄土宗に属する宗教法人であり,Yは,Xとの間の墓地使用契約(本件契約)に基づき,Xが経営する墓地(本件墓地)の一区画(本件区画)に墳墓を所有し,本件区画を占有する者である。
Xは,別の場所にあった本堂,客殿と庫裡を本件墓地のある土地に移転するため,本件墓地の区画整理を...
[解 説]
1 甲社は,乙社から120億円を借り入れて,丙社の支配下にあった丁社の過半数の株式を取得して丁社の親会社となり,甲社代表取締役S1,取締役S2,S3を丁社の取締役とし,丁社の取締役会は,代表取締役社長S1,取締役副社長S2,非常勤取締役S3,丁社の前代表取締役社長S4,同前常務取...
[解 説]
本件は,平成14年10月31日にK病院に救急搬送され,その翌日にY1の開設するB病院に入院して治療を受けたが,同年11月6日に肺炎により死亡するに至った昭和13年生まれの男性Aの兄であるXが,B病院の医療従事者らにはAに対する治療上の過失やAの診療に係る診療録等を隠匿した故意又は...
[解 説]
1 本件は,交通事故により傷害を負ったXが,加害車両の保有者であるY1に対しては自動車損害賠償保障法3条等に基づき,加害車両の運転者であるY2に対しては民法709条に基づき損害賠償を求めた事案である。
(1)本件事故は,Xが乗客として乗車していたタクシー(加害車両)が駐車車両に...
[解 説]
1 A(当時63歳の男性)は,平成17年2月23日(以下,平成17年中の日付については,年の記載を省略する。),食道がんの治療のためにYの開設する病院(以下「被告病院」という。)に入院し,3月8日に食道亜全摘手術を受けたが,その後,胃管の吻合部が狭窄し,縫合不全も認められたため,...
[解 説]
1 被告は,原告が商標権者である指定商品を第14類の時計等とする「DEEP SEA」との欧文字を横書きにした構成の本件商標の不使用による商標登録を取り消すことについて審判を請求したところ,特許庁は同請求を認め,同登録を取り消す旨の本件審決をした。本件は,原告が,本件商標の使用の事...
[解 説]
1 本件は,「ラブコスメ」の片仮名文字を標準文字により表記され,指定商品を第3類「化粧品」として,平成19年4月20日に登録査定がされた本件商標の商標権者であるXが,本件商標登録が商標法4条1項11号に該当するとしてYから請求された無効審判において,特許庁から,本件商標登録を無効...
[解 説]
1 本件は,結婚相手を紹介するサービスを提供する会社に会員登録した日本人である被告と同社の紹介によって知り合った中国籍を有し上海に居住する原告が,被告と婚姻予約をするに至ったが,被告が婚姻予約を履行せず,又は,不当破棄したと主張して,被告に対し,不法行為又は債務不履行に基づく損害...
[解 説]
1 本件の本案事件は,原告(相手方)Bが,母親である被告Yに対して,株式会社C・Dの株式(本件株式)の贈与を受けたとして,贈与契約(本件贈与契約)に基づき株券引渡等を求めた事案であり,Yのもう1人の子であり,Yから全財産を相続させる旨の公正証書遺言(本件遺言)の作成を受けていると...
[解 説]
1 事案の概要
相手方(妻)は,未払いの婚姻費用120万円と執行費用7820円の合計120万7820円を請求債権として,抗告人(地方公務員の夫)の俸給,給料,諸手当及び期末手当等を差し押えた(以下「本件差押命令」という。)ところ,抗告人は,給料から税金の他に借入金等が控除されて...
[解 説]
1 本件は,東京都内のマンションの1室に設置されていた強制排気式ガス湯沸器が,不正改造が原因で不完全燃焼を起こし,居住者ほか1名が一酸化炭素中毒により死傷した事故(平成17年11月発生)について,同湯沸器を製造したパロマ工業株式会社(以下「パロマ工業」という。)及びこれを販売した...