最も長い歴史をもつ判例実務誌
担保不動産収益執行の諸問題〔第1章〕収益執行の開始
担保不動産収益執行の諸問題〔第2章〕収益執行の開始に伴う諸問題
担保不動産収益執行の諸問題〔第3章〕収益執行期間中の対象不動産の管理,使用収益等に伴う諸問題
担保不動産収益執行の諸問題〔第4章〕収益執行における配当についての諸問題
担保不動産収益執行の諸問題〔第5章〕収益執行の終了に伴う諸問題
担保不動産収益執行の諸問題〔第6章〕収益執行と訴訟
[解 説]
1 事案の概要
本件の発端は,訴外会社が一般建設業の許可申請に当たり,建設業法7条2号所定の専任技術者をおいていないにもかかわらず,専任技術者が20日前から勤務している旨記載した虚偽の出勤簿を申請書に添付して県知事に提出し,県知事が同出勤簿が虚偽のものであることを看過して訴外会...
[解 説]
1 本件は,旧阪神高速道路公団(以下「公団」という。)が管理していた高速道路において,普通乗用自動車を運転中の原告が,スリップによる自損事故(以下「本件事故」という。)を起こして同自動車を損壊したが,その原因は高速道路の路面凍結にあり,公団には,凍結防止剤の散布や入路閉鎖といった...
[解 説]
1 本件は,使用人賞与について,各使用人に対する支給金額を決定し,未払金として経理処理したにとどまる法人が上記金額を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたところ,課税庁が上記金額の損金の額への算入を否認して同額を所得金額に加算するとともに,法人が確定申告において損金の額に算入し...
[解 説]
1 本件事案の概要
Xは,昭和44年4月に,Y市に採用され,平成19年5月当時は本庁の課長職を務め,平成20年3月限りで早期退職する予定であった。これまで懲戒処分を受けたことはなく,交通違反を含めた前科前歴もなかった。Y市は,非違類型ごとに標準的な処分量定(標準量定)を定めた通...
[解 説]
1 XはYの総務部長の地位にあったが,常務理事兼事務局長Hのパワハラ・セクハラ的言動を列挙し,改善措置を要望する旨の報告書(「本件報告書」という。)を,Yの理事長に提出した。Yは,本件報告書が提出された約1月半後に,Xの総務部長職を解き(「本件降格」という。),約1年後に,内容虚...
[解 説]
1 本件は,Y1(JFEスチール)に在籍中にY2(JFEシステムズ)に出向していたAが,Y1,Y2の安全配慮義務違反により過重な長時間労働を強いられた結果,うつ病に罹患して自殺したとして,Aの相続人であるXらが,Y1,Y2に対し,債務不履行又は不法行為に基づき,その損害賠償及び遅...
[解 説]
本件は,印刷業等を目的とする株式会社(A社)の企業内組合である原告が提起した不当労働行為救済命令申立てに対する中央労働委員会命令の取消訴訟であり,事案の概要は以下のとおりである。
A社は,約5年間にわたる経営不振の末に廃業されることとなり,取引の継続を希望した少数の顧客との関係...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,A社(IXI)→B社→原告→被告→A社という循環取引あるいは環状取引がされた疑いのある商流について,A社からの紹介を受けて,商流に介入して売買契約を締結した被告に対し,原告が,売買代金約8億円の支払を求めた事案である。本件売買契約の目的物は各種システム等...
[解 説]
1 本件マンションは,箱根仙石原にあり,昭和39年,法人や個人の福利厚生施設や別荘とするために各居室の区分所有権と共用施設及び敷地の賃借権の共有持分権が分譲されたものであって,40室の居室の多くは,面積約40平方メートルで厨房,浴室,洗面所等を備えており,共用施設としてロビー,温...
[解 説]
1 本件は,A商店がYらとの間で,AがYらに対し現在及び将来負担する商品買掛金債務等の一切の債務を被担保債権として,Aの営業権(以下「本件営業権」という。)譲渡代金債権(以下「本件譲渡債権」という。)を担保として譲渡する旨の契約(以下「本件譲渡担保契約」という。)を締結し,その後...
[解 説]
1 事案の概要(判示事項に関するものに限る。)
本件は,被告を再生債務者とする再生手続において,原告の届け出た再生債権の額を0円と査定した決定に対し,原告が異議を請求した事案である。
原告は,被告に対する再生債権として,原告と被告との間のデータセンター運用支援サービス契約(以...
[解 説]
1 Xは,区分所有建物の専有部分(本件専有部分)を区分所有する者であり,Y1は同建物の管理組合,Y2は同建物のうち店舗として使用される専有部分(店舗部分)の区分所有者全員で構成されるY1の部会である。
管理組合規約(本件規約)とこれに基づく店舗使用規則(本件規則)には,店舗部分...
[解 説]
1 本件の事案の概要は,次のとおりである(ただし,判示事項に関連する部分に限る。)
Xは,Y1に対し,圧縮天然ガス自動車の燃料供給施設(天然ガスエコ・ステーション,以下同じ。)の高圧ガス設備工事を発注した。ところで,経済産業省は,財団法人エコ・ステーション推進協会を通じ,天然ガ...
[解 説]
1 本件は,原告らがいわゆる破産免責を受けていたにもかかわらず,貸金業者である被告が,原告らに対して支払督促の申立てをし,同申立てに係る支払督促が原告らに送達されたことが被告の不法行為に当たるとして,原告らが,被告に対し,不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。
原告らは...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,平成18年12月1日に自宅内で昏倒しているのを発見され,Yが開設する病院(以下「本件病院」という。)に搬送されて入院していたAが,同月4日に本件病院で死亡したことについて,Aの相続人であるXらが,Aの診療に当たった医師の注意義務違反が原因でAが死亡したと...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,イオキ商事株式会社(以下「旧イオキ商事」という。)等を被告として,旧イオキ商事が虚偽の輸出許可申請を行ったため,同申請を基礎として出されていた大臣証明が取り消され,原告が納付金の納付を余儀なくされたと主張して,不法行為等に基づく損害賠償請求訴訟(以下「別...
[解 説]
Xは,発明の名称を「ピリドベンゾオキサジン誘導体」とする本件特許権(医薬品販売名「クラビット錠」)を有していたが,同特許について,存続期間(4年11月7日)の延長登録を受けた。これに対して,Yらは延長登録無効審判請求をしたところ,特許庁は,「2年6月5日を超える期間の延長登録を無...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,Y(被控訴人)がシンギュレーションシステム装置(Y製品)を製造,販売した行為について,X(控訴人)が,Yの上記行為は,Xの有する「切削方法」に関する本件発明に係る特許権の間接侵害(特許法101条5号)に当たると主張して,①本件特許権に基づき,Y製品...
[解 説]
1 定額補修分担金条項とは,賃貸借契約締結に際し,賃借人が,賃貸人に対し,目的物件の新装状態への回復費用の一部負担金を支払うこと,契約終了時には同負担金は一切返還されないこと,賃貸人は,賃借人に対し,賃借人の故意又は重過失による損耗の修理・回復費用を除き,原状回復費用を請求しない...
[解 説]
1 本件は,日本全国各地に居住する原告30名が,大手消費者金融業者である京都市に本店を有する被告に対して,不当利得(過払金)返還請求訴訟を東京地方裁判所に併合提起した(基本事件)ところ,被告が管轄(土地管轄又は事物管轄)違いを理由として原告らの住所地を管轄する各地方裁判所又は簡易...
[解 説]
1 本件事案の概要
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律3条の指定を受けた暴力団(いわゆる指定暴力団)である甲と,その下部組織である丙は,福岡県久留米市の市街地にあり,隣接して建てられていた3棟の建物(本件建物1ないし3,本件各建物)を暴力団組事務所として使用していた。...
[解 説]
1 本件は,被告人が実母及び実弟を殺害したという事案である。
原審では,責任能力が争われ,弁護人は,被告人は本件当時アスペルガー症候群に罹患して統合失調症様の状態にあったから心神喪失又は心神耗弱の状態であったと主張した。原判決は,弁護人の主張を排斥し,被告人は特定不能のパーソナ...