最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
本件は,清涼飲料等の製造及び販売等を目的とする株式会社である原告が,法人税の確定申告において,所得税額の控除の計算を誤るなどした結果,納付すべき法人税額を過大に申告したとして,国税通則法23条1項1号に基づき更正の請求をしたところ,被告から,所得税額の控除は確定申...
《解 説》
1 本件は,函館市の住民であるXらが,函館市議会の会派が平成13年度にYから交付を受けた政務調査費について使途基準に違反する違法な支出を行っており,各会派は市に対してその支出額に相当する金員を不当利得として返還すべきであるのに,Yはその返還請求を違法に怠っているとして,地方自治法2...
《解 説》
1 本件は,XがYに対し,自動車の売買契約が錯誤により無効であるとして,売買代金の返還等を求めたところ,Yが,この代金返還請求に対し,YがXから本件自動車の移転登録手続を受け,かつ,その引渡しを受けることとの引換給付を求める旨の同時履行の抗弁を主張した事案である。
2 事実関係の概...
《解 説》
1 本件は,ソフトウェア開発及び販売等を業とするY社(東証2部上場)の従業員らが,営業成績を上げる目的で架空の売上げを計上したため,Y社の有価証券報告書に不実の記載がされていたところ,その後不正行為が発覚し,Y社が同事実を公表した結果,Y社の株価が下落したことについて,公表の数か月...
《解 説》
1 本件は,旧軍人として戦病死した亡夫の妻である原告が,昭和28年4月分以降の公務扶助料(恩給)の受給権を有していたが,昭和18年に亡夫が原告に無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていたため,長年にわたり公務扶助料の支給を受けられず,平成17年に至り,亡夫との離婚無...
《解 説》
1 本件は,処分行政庁から第一種中型免許及び第二種中型免許を受け,タクシー運転手として稼働していた原告が,深夜,タクシーを運転して,丁字路(以下「本件交差点」という。)を左折進行したところ,左折した先の道路上に横臥していた男性を轢過して死亡させる交通事故を起こし,処分行政庁から,道...
《解 説》
1 本件は,台風等が原因で発生した集中豪雨により,北海道十勝支庁管内を流れる居辺川に架けられた居辺橋の取付道路の路体が流失し(以下「本件被災」という。),同流失部分から居辺川に転落した自動車に乗車していた5名全員が死亡した事故(以下「本件事故」という。)につき,上記5名の相続人であ...
《解 説》
1 本件は,ソフトウェア等開発会社のシステム・エンジニアであるXらが,雇用主であるYに対し,時間外手当及びこれに関する付加金を請求した事案である。Xらは,Yで課長代理の職位にあったが,Yでは,時間外手当支払の要否の問題を契機に職制改革を行いながら,Xらを旧職制下の課長代理のまま処遇...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告ら(原告及び選定者)が,弁護士である被告に対し,委任した訴訟提起を不当に遅延した上,十分な訴訟活動をしなかったなどと主張して,債務不履行ないし不法行為に基づき損害賠償請求をした事案である。
2 本件の要約
(1)事件の概要
原告他1名(原告ら)は,...
《解 説》
1 本件事案の概要
X(派遣社員をしていた男性で,平成21年4月からは生活保護を受給している)は,平成20年2月,翌月分の賃料を当月末に支払うと定めて,Yから,マンションの居室(本件建物)を賃借し,同年6月分までの賃料は期限に10日ないし19日遅れて支払っていた。しかし,同年8月...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,志賀原子力発電所(本件原発)に増設された2号原子炉(本件原子炉)が運転されれば,平常運転時又は地震等の異常事象時に環境中に放出される放射線及び放射性物質によって被ばくすることにより自己の生命・身体等に回復し難い重大な被害を受ける旨主張する被控訴人(原告)X...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,渋谷区神宮前所在の建物及び土地(本件不動産)を所有するXが,建物の賃借人であるY1会社に対し,本件不動産の明渡し及び本件不動産に係る賃貸借契約(本件賃貸借契約)解除後の賃料相当損害金の支払を求める訴訟(前訴)を提起して勝訴判決を得,同判決後,Y1会社が控訴...
《解 説》
1 事案の概要
(1)特許権者である再審被告(原判決における被控訴人〔1審原告〕。以下「X」という。)は,海苔異物除去機(以下「Y製品」という。)を製造販売する再審原告(原判決における控訴人〔1審被告〕。以下「Y」という。)に対し,Y製品がXの本件特許権の請求項1及び2記載の特許...
《解 説》
1 事案の概要
抗告人は,アメリカ合衆国在住者を被告として民事訴訟を提起し,いわゆる領事送達の方法により送達を試みたが,奏功しなかったため,同被告に対する公示送達を申し立てた。しかし,基本事件の受訴裁判所の裁判所書記官により却下され,これに対する異議申立ても受訴裁判所により却下さ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,抗告人が,相手方に対する書籍の売買代金債権を被担保債権とし,動産売買の先取特権(民法311条5号)に基づく物上代位権を行使して,相手方の第三債務者に対する同一書籍の売買代金債権の差押えを求めたのに対し,抗告人と相手方との取引(本件契約)は書籍の売買契約とは...
《解 説》
1 本件は,片側3車線の国道において,被告人がワンボックスカーを運転して第2車線を進行していたところ,前方の第1車線から青色乗用車が第2車線に進出してきたことから,これを見た被告人が第3車線に進出したところ,後方から第3車線を自動二輪車で進行してきた被害者に急制動を余儀なくさせて自...