最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
本件は,東京女子医科大学病院で平成13年3月2日に心臓手術を受けた女児がその3日後に死亡するという事故が起きたことに関して,手術の際に人工心肺装置を担当した医師である一審原告が,①平成14年7月2日に一審被告共同通信社がインターネット上のニュースサイトに掲載した記...
《解 説》
1 本判決は,いわゆる耐震強度偽装事件に絡んで,不動産販売会社の代表取締役であった被告人が,自社が販売した分譲マンション(以下「本件マンション」という。)について,当該マンションの構造計算書が偽造されていることを知りながら,マンション住民から残代金として合計4億円余の金員を騙し取っ...
《解 説》
1 Xらは,一般廃棄物(し尿汚泥)の収集運搬及び浄化槽の清掃が既存許可業者Z(補助参加人)によって行われている区域において,これらの事業に新規に参入しようとし,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)7条1項に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可申請(以下「申請...
《解 説》
1 公立学校共済組合(Y1)の理事(9名以内,任期2年)は,同理事長が文部科学大臣の認可を受けて任命し(地方公務員等共済組合法〔地公共法〕13条2項),同組合に設置される運営審議会の委員(16人以内,任期2年)は,組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する組合...
《解 説》
1 刑事施設に収容されていた被告人の弁護人であったXは,刑事被告人から,「反省文を持参して公判で朗読したいが,お金がないので,便箋と封筒を差し入れてほしい」旨の要望を受け,刑事施設の担当者に対し,反省文を書いて公判に提出するとの目的を告げた上で,自ら持参した便箋7枚と封筒を差し入れ...
《解 説》
1 本件は,契約者をXらの経営する法人(本件法人),被保険者をXら又はその親族,死亡保険金の受取人を本件法人,満期保険金の受取人をXら,保険期間を3年又は5年とし,保険料をXらと本件法人が2分の1ずつ負担した養老保険契約(本件養老保険契約)につき,満期保険金(Xら4名で3年間の総額...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,自衛官であった亡Aが駐とん地隊舎の居室(以下「本件居室」という。)で就寝中に,同僚のBに木製バットで殴打されて死亡した事件(以下「本件事件」という。)について,亡Aの両親である原告らが,被告である国に対し,安全配慮義務違反があるとして,債務不履行に基づく損...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,電気通信事業等を目的とする株式会社であるXが,マンションの区分所有者によって構成された団体であるYとの間で,携帯電話の基地局のためのアンテナ及び通信機等(以下「本件設備等」という。)を設置するためにマンションの屋上の一部を賃借する契約(以下「本件契約」とい...
《解 説》
本件は,共有持分を有する土地上に本件建物の施工を補助参加人に請け負わせて建設した原告が,本件建物につき建築確認済証を交付した指定確認検査機関である被告に対し,被告には,特定行政庁である杉並区から本件建物の所在する地域に第三種高度斜線制限がある旨の指摘を文書により受けたにもかかわら...
《解 説》
1 原告(X)が被告乙山昭男(Y2)に協賛金4511万円を支払い,被告株式会社読売新聞東京本社(Y3)がその協賛金を取得するまでの経緯等は以下のとおりである。すなわち,Y3と近畿日本ツーリスト株式会社(A)の従業員丁田正男(B)とは,平成15年の東京ドームで行われるプロ野球巨人戦6...
《解 説》
1 本件は,先物取引経験者であるX(本件と並行して他社とも取引している。)が,商品取引員であるY従業員から勧誘を受け,Yに委託して行った平成14年10月17日から平成16年9月13日までの商品先物取引について,その勧誘,取引の開始及び継続においてY従業員による適合性原則違反,説明義...
《解 説》
1 本件は,Yが情報番組「スーパーモーニング」等において,Xが横浜市中区に建築計画中の本件マンションに関し,本件マンションが危険なマンションであり,Xが悪徳業者である旨を一般視聴者に印象付けるような報道を行ったため,Xが上記報道により社会的評価を低下させられたなどと主張し,Yに対し...
《解 説》
1 Aは,Yが開設・運営する病院に勤務する形成外科医であり,平成14年及び平成15年に職場内において実施された定期健康診断を受診し,胸部X線検査を受けたが,異常を指摘されなかった。Aは,平成16年にも定期健康診断の一環として胸部X線検査を受けたところ,異常陰影を指摘され,後日肺がん...
《解 説》
1 被告は,株主総会決議により,その取締役であった補助参加人らに対し,ストック・オプションとして新株予約権を発行し,行使条件として行使時に被告の取締役の地位にあること(以下「取締役条項」という。)としたほか,その他の行使条件については取締役会に一任した。そして,補助参加人らは,取締...
《解 説》
1 本件で問題となった映画はいずれも一審原告(松竹株式会社,X)が製作し,黒澤明(平成10年9月6日死去)が監督を務めたものであるところ,本件作品1は昭和25年4月26日に公開された劇場用映画である「醜聞(スキャンダル)」(三船敏郎,山口淑子等出演),本件作品2は,昭和26年6月1...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,仲裁判断により相手方に対する26億8800万NT$(新台湾ドル。日本円にして約100億円)の損害賠償及び弁護士費用等の支払を命じられた申立人が,①本件仲裁判断は申立人の防御不可能な事由に基づくものであるとして仲裁法44条1項4号の取消事由を,また,②本件仲...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,Yに対する仮執行宣言付支払督促を債務名義として,Y所有不動産に対する強制競売を申し立て,執行裁判所は,その開始決定をした。
執行裁判所は,現況調査及び評価並びに債権調査を経て,手続費用が約36万円,抵当権の被担保債権額が約930万円であるにもかかわらず,買...
《解 説》
1 本件は,被告人が,そのような意図がないにもかかわらず,インターネット掲示板に,JR土浦駅において無差別殺人を実行する旨の虚構の殺人事件の実行を予告し,これを不特定多数の者に閲覧させ,同掲示板を閲覧した者からの通報を介して,警察の担当者らをして,警察署職員らに対し,その旨伝達させ...
《解 説》
1 本件は,救命救急センターにおいて,比較的軽い患者を扱う第1次及び第2次救急の当直医をしていた被告人が,綿あめの割りばしがのどに刺さったとして運び込まれた幼児の診察・治療を担当したものの,折れた割りばしが頸静脈孔から小脳に嵌入していたことに気付かず,翌日,幼児が死亡するに至ったと...