最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要及び争点(判示事項に関する部分に限る。)
本件は,被告西武鉄道株式会社(以下「被告西武鉄道」という。)が,その有価証券報告書及び半期報告書において,株式会社コクド(以下「コクド」という。)の所有する西武鉄道株の数を過少に記載するなどして,コクド所有の西武鉄道株の...
《解 説》
1 本件は,Xらが,XらをY株式会社の取締役から解任し,Y補助参加人Aほか2名を取締役又は監査役に選任することなどを内容とするY株式会社の臨時株主総会決議及びAを代表取締役に選任することを内容とする取締役会決議の不存在確認を求めた事案である。第1審係属中に,Y株式会社につき破産...
《解 説》
1 本件は,平成10年7月,和歌山市内で,自治会主催の夏祭りに際して提供されたカレーに猛毒の亜砒酸を大量に混入し,同カレーを食した住民ら67名を急性砒素中毒にり患させ,うち4名(自治会の会長及び副会長〔各男性〕と,女子高校生及び小学生の男児)を殺害したが,その余の63名について...
《解 説》
1 本件は,A刑務所に在監中のXが,同刑務所の受刑者の投稿作品を掲載する所内誌に掲載された小説がXの犯した事件を題材とし,かつ,同事件の被害者であるBを侮辱し,BやXについて虚偽の事実を記載したものであるのに,A刑務所の職員が同所内誌を被収容者等の閲覧に供し,さらに,Xの回収要...
《解 説》
1 Xは,名古屋地方裁判所に係属していた刑事事件の被告人の弁護人であるが,公判期日当日,同裁判所構内の仮監において,同所に護送されていた被告人に文書を差入れたい旨申し出たところ,拘置所職員が「ここは仮の接見場所であるので,文書の差入れはできません。」「名古屋拘置所へ行っていただ...
《解 説》
1 本件は,Xらが,その所有する土地につき,A市長によって都市計画法56条1項の規定に基づく買取りがされたとして,租税特別措置法33条の4第1項(平成12年法律第13号による改正前のもの。)所定の「収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除」の適用があることを前提に,所得税の確定申...
《解 説》
1 名古屋市は,名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき,市議会の会派Aに対し,平成13年度分の政務調査費として1億5840万円を支給した。本件条例等によれば,会派は前年度交付に係る政務調査費についての収支報告書を毎年4月末日までに市議会議長に...
《解 説》
1(1) 本件は,債務者大学経営学部及び大学院経営学研究科の教授である債権者が,特定の科目の指導担当者として,講義及び演習を担当していたところ,債務者の経営学部教授会及び経営学研究科委員会において,講義及び演習を担当させないという決議がされ,そのような措置(後記の本件措置)が取...
《解 説》
1 本件の概要は以下のとおりである。
(1) 地方公共団体であるXは,環境省が平成16年度に全国の市町村に対して募集した「環境と経済の好循環のまちモデル事業」に,市内の小中学校に小型風力発電機を設置し,発電した電力を売って得られる売電金を財源として地域通貨を発行し,市内の商店...
《解 説》
1 本件は,Y1が設置,運営する病院において,AがXを出産した後に死亡したことにつき,Xが,Y1及び主治医であるY2に対し,不法行為(Y2につき民法709条,Y1につき同法715条)又は債務不履行に基づく損害賠償の支払を求めた事案である。
主たる争点は,①Aの死亡原因が弛緩出...
《解 説》
1 訴外A(昭和27年生)は,平成14年10月28日,歯科医院において受診中,意識障害に陥ったため,Yの開設するB病院に搬送され,C医師の診察を受けた。
C医師は,Aに意識障害が認められ,ショック状態にあったため,酸素投与と輸液を行い,心電図と心エコー検査を行い,急性心筋梗塞...
《解 説》
1 本件は,依頼者から,その相続税の更正の請求手続を受任していた税理士たる原告が,法定の期限までに同請求手続をしなかったため,期限までに同手続をしていれば還付を受けることができた相続税相当額の還付を受けられず,そのため,依頼者に対して還付金相当額の損害賠償を行ったとして,加入し...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告がウェブサイトで被告商品の広告及び価格表を内容とする情報に被告標章1ないし3を付して提供する行為が,原告の登録商標(本件商標)に類似する商標の使用(商標法37条1号,2条3項8号)に当たり,原告の商標権を侵害すると主張して,被告に対し,商標法36条1項に...
《解 説》
アメリカ合衆国及び日本の需要者の間に広く知られた「CONMAR」との文字からなるスライドファスナー等に係るアメリカ合衆国商標を有するアメリカ合衆国法人(被告)が,日本において登録された類似の商標(「コンマー」,「CONMAR」の文字を2段書きしてなる。以下「本件商標」という。原...
《解 説》
1 平成18年11月ころ,氏名不詳者により,インターネット上の電子掲示板に,2度にわたって,X1(株式会社)の代表者であるX2が重大な背任行為を犯しているなどと指摘する内容の各書込(以下「本件各書込」という。)がされた。その後,本件各書込は,いずれも,Yが管理するいわゆるインタ...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,店舗等と住居の複合型マンション(以下「本件マンション」という。)の管理組合(ただし法人ではない。)である。本件マンションの管理規約によれば,本件マンションには,原告のほか,原告の内部の部会として,店舗等の入居者を構成員とする「店舗等部会」と住宅部分の入...
《解 説》
1 本件は,夫婦である原告(夫)と被告(妻)が,婚姻後に購入したマンション(以下「本件マンション」という。)につき原告5分の4,被告5分の1の共有持分割合で共有しているところ,原告が被告に対し,本件マンションの共有物分割を請求した事案である。
原告と被告は既に別居している。原...
《解 説》
1 本件は,被告人(イギリス国籍,南アフリカ在住)が,氏名不詳者らと共謀の上,みだりに,営利の目的で,南アフリカから香港経由で大麻を密輸入しようと企て,平成19年8月13日,成田国際空港において,航空機から大麻約9.7kgを隠匿したスーツケースを機外に搬出させて本邦内に持ち込み...