最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 枚方市職員給与条例(昭和23年枚方市条例第103号。平成13年枚方市条例第37号による改正後,平成17年枚方市条例第18号による改正前のもの。以下「本件給与条例」という。)は,「非常勤職員」(54条1項)に対し,「特別報酬」(54条2項)を,①6月1日及び12月1日に在職す...
《解 説》
1 本件の本訴は,原告(反訴被告,被控訴人,被上告人兼相手方)が,被告(反訴原告,控訴人,上告人兼申立人)に譲渡した請負代金債権には譲渡禁止特約が付されていたから,上記債権譲渡は無効であると主張して,被告に対し,債務者が債権者不確知を原因として供託した供託金の還付請求権について...
《解 説》
1 本件は,相続人の1人が,被相続人からその財産全部を相続させる趣旨の遺言に基づきこれを相続した他の相続人に対し,遺留分減殺請求権を行使したとして,相続財産である不動産について所有権の一部移転登記手続を求めた事案である。遺留分の侵害額の算定に当たり,被相続人が負っていた金銭債務...
《解 説》
1 本件は,大阪観光株式会社の株主である原告が,大阪観光の買い受けた土地について,同社の取締役である被告に所有権移転登記がされているなどと主張して,被告に対し,平成17年法律第87号による改正前の商法(以下,単に「商法」という。)267条1項の規定に基づき,大阪観光への真正な登...
《解 説》
1 本件は,リース業者から営業等の譲渡を受けたXが,リース契約(以下「本件リース契約」という。)のユーザー(飲食店業等)につき民事再生手続開始の申立てがあったことから,このような申立てがあったときは,リース業者は催告をしないで契約を解除することができる旨の特約(以下「再生解除特...
《解 説》
本件は,被告人が,自己の借金の返済のため,妻(当時59歳)にかけていた生命保険の死亡保険金,妻及び養母(妻の実母,当時84歳)に係る搭乗者保険金(自動車保険)を取得する目的で,夕方,漁港において,殺意をもって,妻と養母が同乗した乗用車を運転して海中に転落させ,被告人のみが海中に...
《解 説》
1 本件は,危険運転致死罪の構成要件である刑法(平成19年法律第54号による改正前のもの)208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」の解釈が争われた事案である。
職権判示に係る事案の概要は,次のとおりである。
すなわち,被告人は,普通乗用自動車を運転し,パトカー...
《解 説》
1 本件は,控訴人ら11名が,道路上を自動車で走行した際,被控訴人が全国各地の道路上に設置・管理している自動車ナンバー自動読取システム(Nシステム)の端末又は旅行時間計測提供システム(AVIシステム)の端末によって,車両の運転席及び搭乗者の容ぼうを含む前面を撮影された上,車両の...
《解 説》
1 事案の概要
本判決が認定した事実関係は要旨以下のとおりである。
X1,X2はいずれも韓国籍を有する親子であるが,X1はY市の市立中学校(本件中学校)に就学後,不登校状態になった。そこでX2は本件中学校校長であったAに不登校対策を求めていたが,本件中学校ではX2の求めるよ...
《解 説》
1 本件は,取引当事者間で授受された金員が所得税法上の「国内源泉所得」に該当するか否かが争われた事案である。
所得税法5条4項は,外国法人の取得する所得が日本国内に源泉のある一定の所得に該当する場合には,我が国の所得税を課税するものとしており,同法161条6号は,国内源泉所得...
《解 説》
1 システムエンジニアとしてA社に勤務し,コンピュータプログラミング等に従事していたXは,うつ状態であるとの診断を受け,A社ないし同社の地位を承継したYを欠勤するに至ったが,これは,同社の安全配慮義務違反に基づくものであるとして,Yに対し,損害の賠償等を求めた。なお,B労働基準...
《解 説》
1 本件は,第1事件及び第2事件によって構成され,第1事件は,(1)原告X1会社が,建築業者である被告に対し,被告との建築請負契約に基づいて完成・引き渡された建物等(倉庫,事務所,フェンス等)に雨漏りを生じさせるなどの瑕疵(主位的には合意違反,予備的には基本的性能の欠如)があり...
《解 説》
1 事案の概要
被告信越放送株式会社(Y1)の記者であったAは,平成16年3月7日,長野県木曽郡南木曽町の国道19号線で発生した交通事故を取材するため,被告中日本航空株式会社(Y2)所属のヘリコプター(以下「本件ヘリコプター」という。)に搭乗して事故現場に赴く途中,本件ヘリコ...
《解 説》
1 訴外A(昭和13年生)は,平成15年3月30日,自宅で息苦しくなったため,車でYの開設するB病院に赴き,診察を受けたところ,急性心筋梗塞の疑いがあり,点滴を受けた上,救急車で他の病院に転送されようとしたが,心室細動を発症して死亡した。
そこで,Aの遺族であるXらは,B病院...
《解 説》
1 本件は,権利能力なき社団である在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総聯」という。)に対する金銭債権の債務名義を有する原告が,被告が所有権の登記名義人になっている不動産(以下「本件不動産」という。)について,実質的な所有権は朝鮮総聯に帰属しており,本件不動産の登記はあくまで便宜上...
《解 説》
1 本件は,大型ディスカウントショップ及びスーパーマーケット4店に対する7件の連続放火とその際の商品の窃取,閉店後の店舗に対する損壊と建造物侵入及び商品の窃取が起訴された事件である。1審において,弁護人は,すべての放火事件について犯人性を争うとともに,その際の商品の窃取について...